たった3つの手順を踏むだけで、誰でもすぐに戦略を生み出すことができます。だって晩ごはんを考えることだって戦略なんですから。だから、まずはシンプルに、早速始めましょう。
戦略を生み出すまでの流れ
まずは戦略を生み出すまでの流れを確認してみましょう。
- 状況を整理する
- 目的を確認する
- すべてを組み合わせる
この3つで、戦略の基本的な骨組みは出来上がります。ここからは例を挙げながら、手順を一つずつ見ていきましょう。
ステップ1:状況を整理する
まずは、自分たちが置かれている状況を整理しましょう。状況を整理するためには、戦略を生み出す4つの要素の中の、3つを確認します。
- 戦略的意図
- 経営資源
- 環境変化
戦略的意図
戦略的意図とは、その経営の理念・ビジョン・価値観など、戦略を進める上での判断に大きく影響するものです。下記のようなものが、戦略的意図に該当します。
- 事業を始めたそもそもの理由
- 例)〇〇でみんなの生活を豊かにしたい
- 例)〇〇で困っている人を笑顔にしたい
- 業界で将来的に目指す立ち位置
- 例)〇〇で業界一を誇るプロフェッショナル集団になる
- 例)〇〇から〇〇まで一貫して提供できる企業になる
- ビジネスにおいての価値観
- 例)自社の利益を削ってもお客様や取引先を大切にする
- 例)お客様や取引先より従業員の幸せを第一に考える
これらが明確になっていれば、戦略全体に一貫性が生まれ、限られた経営資源も無駄なく活用することに繋がります。
また、戦略的意図を仲間たちと共有しておくことで、戦略の遂行がスムーズになります。
経営資源
下記のものが主な経営資源になります。
- ヒト:自社、取引先などの人材
- モノ:事務所、工場などの施設や設備
- カネ:現金や現金化しやすい金融資産
- 情報:蓄積されたデータやノウハウ、特別な情報源など
これらは、戦略の選択肢の幅を決定します。また、経営資源は限りがあるため、作戦にトレードオフが発生します。トレードオフとは、
- 新しい設備の導入費用を捻出するためにパートさんを減らす
- 新規の営業開拓を減らして既存顧客のルート営業を強化する
- ネットショップの運営のために実店舗スタッフから一人引き抜く
などのような「AをするためにBをあきらめる」という関係性です。
経営資源を把握していないと、戦略を組み立てたけど実行出来ないということになりかねません。
環境変化
環境変化は、大きく分けると社内と社外の2つになります。
- 社内で起こっている変化
- 例)案件の成約率が前年より下がっている
- 例)人件費が業界平均より高くなっている
- 社外で起こっている変化
- 例)競合他社大手が地域に進出してきた
- 例)新しい技術が急速に普及し始めた
これらの環境変化が、問題を起こしていたり、ビジネスの妨げになっていたり、あるいは大きなビジネスチャンスになったりします。
ステップ2:目的を確認する
次に、何を戦略の目的(ゴール)とするか確認しましょう。戦略を生み出す4つの要素の中の、「戦略の目的」に該当します。目的とは「この辺りまで到達できたら戦略は成功」という基準になります。
目的を明確にすれば、達成できたのか達成できなかったのか判断できます。
- 例)月商300万円を達成する
- 例)市場シェア30%を達成する
- 例)顧客アンケートでの満足度を90%以上に高める
などなど、わかりやすいもので構いません。ここは悩みすぎず、とりあえず決めてしまいましょう。
次のステップでしっくり来なければ、ステップ1や2に戻って考え直せば大丈夫です。また、戦略を実行してみて初めて、もっと適切な目的がわかったりするものです。
戦略は目的も含めて、絶えず修正していくことが前提なので、ここでの目的が間違っていても問題ありません。
ステップ3:すべてを組み合わせる
最後に、ステップ1と2で洗い出した戦略を生み出す4つの要素を、全て組み合わせて「戦略」を作り上げましょう。
このすべてを組み合わせる作業では、3つのコツがあります。
- 戦略の目的が戦略的意図を満たせるかどうか確認する
- 戦略の目的が環境変化への対応になっているかどうか確認する
- 経営資源の組み合わせで「やること」を決めると同時に「やらないこと(できないこと)」を決める
ここではあえて具体例を挙げませんが、ビジネスや経済のニュースを見ながら、気になる企業の話題に3つのステップを当てはめてみてください。あるいは、競合他社の動きをみながら考えてみてください。
- あの企業は何を目指しているのか?(戦略的意図)
- どのような変化に対応しようとしているのか?(環境変化)
- 行動の裏にはどんな目的があるのか?(戦略の目的)
- その行動を実行するにはどのような経営資源が必要か?(経営資源)
この4つの要素に整合性がなければ、あまり上手くいかない戦略かもしれません。逆に、すぐに腹落ちする内容であれば、上手くいく可能性の高い戦略かもしれません。
まずは荒削りでも大丈夫。試行錯誤しながらでも、あなた自身で戦略を組み立ててみましょう。そして、その戦略を実行してみてください。実行することが、戦略のスタート地点です。
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