戦略を生み出すことは、難しいことではありません。
逆に一番難しいのは、考え出した戦略を実行することなんです。
戦略を実行する3つのルール
以前の記事でお伝えしたように、3つの手順を踏めば誰でも戦略を生み出すことはできます。状況を整理して、目的を確認し、すべてを組み合わせる。これで戦略は生まれます。

でも難しいのは、ここからです。戦略を考えただけでは、絵に描いた餅。実行されない戦略は、存在していないことと変わりません。
だから実行してみましょう! 戦略に自信がなくても大丈夫。戦略は修正されながら、どんどん改善されていくものなんです。戦略の実行は、戦略を改善するための第一歩。次に挙げる3つのルールで、実行に移しましょう。
- 責任者を決める
- 実施期間を決める
- 結果報告の日を決める
この3つのルールは当たり前のようで、なかなかできないことでもあります。ありがちなのは、リーダーがチームに丸投げしてしまうこと。
「よし!みんな戦略の内容はわかったな!では次回の会議で報告するように!以上っ!」
そして次回の会議で聞いてみると、戦略がまったく進んでいなかったりします。このようなことを避けるために、3つのルールを実践してみましょう。
責任者を決める
まずやることが決まったら、すぐに戦略実行の責任者を決めちゃいましょう。
会社全体の戦略なら経営者、部門での戦略であれば部門長といった具合に「いちばん権限を持っている人」が責任者になります。理由は、経営資源を動かす必要があるからです。
責任者は、
- 必要な時に必要なだけヒト・モノ・カネ・情報を動かす
- ヒト・モノ・カネ・情報を動かした結果に責任を持つ
ことが役割です。

逆にいえば、権限がない人を戦略実行の責任者にしても、戦略をスムーズに実行できません。成果のために、権限がある人を責任者にしましょう。
実施期間を決める
責任者が決まれば、次はいつからいつまでその戦略を実施するのか考えましょう。
戦略を作る段階で、具体的な目的(ゴール)や目標が決まっているはずなので、
- 戦略の実行開始日
- 戦略目標の達成予想日
を決定します。
日にちの決め方は、過去の出来事を参考に考えてみましょう。もし初めての挑戦なら、適当に決めても構いません。重要なのは「日にちを決めた」という事実です。後から戦略を振り返る時に使います。
また、戦略目標の達成予想日を決めることで、戦略に関わる全員がやるべきことを逆算できるようになります。その予定日に向けて、各自が自発的に行動する助けになるでしょう。
結果報告の日を決める
最後は結果報告の日を決めます。戦略目標の達成予定日に目標が達成されてもされなくても、チームで集まりましょう。
もし戦略の結果報告をしなければ、成果があったのかなかったのか、仮説はどの程度合っていたのか間違っていたのかわかりません。
結果報告の会議では、
- 戦略を実行した結果
- 戦略目標の達成状況
などを確認します。
戦略がうまくいってもうまくいかなくても、たくさんの気づきや反省点があるはずです。それらを元に、戦略をより良いものに改善しましょう。
うまく進めるコツ
まず1つ目は、
- 関係者には戦略の重要性を十分理解してもらう
ことです。
目的や意義がわからないままやらされることほど、やる気の出ないことはありません。戦略の実行に関わる人それぞれが、どのように目標達成に貢献できるかイメージできる状況を作りましょう。
また戦略に新たな視点が加わることで、実行後のより良い改善につながります。
2つ目は、
- 戦略目標の達成予想日はあまり先にならないようにする
ことです。
目標の達成時期があまりにも先になりすぎると、戦略が良かったのか悪かったのか判断するのが難しくなります。それに時間が経てば状況も変わるので、目標の先にある目的(ゴール)そのものが変わってしまうかもしれません。
もし目標達成がずっと先になりそうな時には、目標をさらに細かく分けてみましょう。
目的(ゴール)と目標の違いについては、下記の記事も参考にしてください。

3つ目は、
- 見直し条件を決めておく
ことです。
実際に行動に移したら想像と違った 。そんなことも時にはあります。あまりにも客が来ない、あっという間に予算が尽きそう、目標の数値とかけ離れすぎてるなどなど。そんな時のために、戦略を見直す条件をいくつか決めておきましょう。
例えば「期間の前半で広告予算を半分以上消化していたら中止」とか「人手不足で営業ノルマを達成できない日が3日続いたら中止」などです。見直し条件を満たした時には、すぐに戦略を取りやめて見直しを行います。戦略なんて失敗して当たり前。うまくいかないならすぐに方向修正をするのが得策です。トライアンドエラーで学習を重ね、戦略を少しずつ改善していきましょう。
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