戦略ループまとめ
ここまで、2000年頃のAmazonを事例に戦略ループを解説しました。
あたらめて、すべてのループを含んだ図を見てみましょう。
Amazonは、戦略ループ左上の「Value(バリュー、提供価値)」のエリアにある、「顧客体験」を起点として「訪問者数」を増やすのが大循環の最重要因果になります。
その顧客体験は「地球上で最も豊富な品揃え」の実現によって成し遂げられる物であり、
- 配送スピード
- 価格
- 品揃え
という価値を向上させる必要があります。
そのために「訪問者数」から先のループはすべて、上記の3つの提供価値の回転を加速させる打ち手となります。
Amazonが2000年までに打った、
- Amazonマーケットプレイス
- Amazonアソシエイト・プログラム
のいずれの打ち手も例外ではありません。
さらに、
- ネット普及率
- 技術革新
という時代の波も、戦略ループの回転のために最大限利用しています。
しかし、この戦略ループの要諦は、
- 物流効率の向上と継続的な事業投資
であることは間違いありません。
その理由は「物流効率」から、「顧客体験」を構成する「配送スピード」「価格」「品揃え」の3つすべてにループがつながっていることからも明らかです。
本来は身軽に動けるネット企業でありながらも、物流システムといった物理的資産に莫大な投資を行なってきた行動が、世界的に類を見ない模倣困難な経営資源の構築と競争優位性の獲得に至ったのだと考えます。
戦略ループのすゝめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
Amazonの美しい戦略を読み解くことで、戦略の面白さを感じていただけたのではないかと思います。
このブログでは、今後も様々な企業のビジネス戦略を戦略ループを使って紹介していくのでご期待ください。
また、以下に手書きで記入できる戦略ループのテンプレート(PDFファイル)をアップロードしておきます。
A4用紙またはA3用紙に印刷して、皆さんの会社でも使ってみてください。(社内研修や勉強会にてご活用ください。商用でのご利用はご遠慮ください。)