コトラーの競争地位4類型(ことらー-の-きょうそう-ちい-よん-るいけい)

要するに…

コトラーの競争地位4類型とは、業界内のそれぞれの企業のポジションを「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」の4つのタイプで表現したものです。タイプごとに取るべきマーケティング戦略が異なります。

競争地位のマーケティング戦略

競争地位の4類型とは、フィリップ・コトラー教授によって提案されたターゲット市場での企業分類方法です。それぞれの企業はターゲット市場でのポジション(競争地位)によって、戦い方が異なってくるという考え方です。

4つの類型はそれぞれ「マーケット・リーダー」「マーケット・チャレンジャー」「マーケット・フォロワー」「マーケット・ニッチャー」と呼ばれます。

マーケット・リーダー

マーケット・リーダーは、そのターゲット市場で最大のシェアを持つトップ企業のことです。トップ企業なので、基本的には1社のみを指します。寡占市場であればたった1社で市場シェアの50%前後、細分化された市場でも20%前後を占めているといわれます。

マーケット・リーダーが取るべき戦略は「守りの戦略」であり、大きく3つあります。

  • 市場そのものを拡大させる
  • 市場シェアを守り抜く
  • 市場シェアを拡大させる

まず市場が拡大すれば、その市場で大きなシェアを持つリーダー企業の売り上げも増大します。そのため、商品やサービスがより一層普及するように努めます。またリーダー企業は、他の全ての企業から地位を狙われる立場にあります。現状の市場シェアを落とさず維持しなければなりません。さらに可能であれば市場シェアを拡大して、その地位を一層強固なものにする必要があります。

防御方法は様々なものが存在しています。

  • ポジション防御:その市場で一番知名度の高いブランド地位を築きます。「〇〇と言えばA社の〇〇」というように、ブランド再生が行われる状況です。
  • 側面防御:弱い分野や市場に経営資源を注ぎ込み、競合の侵略を防ぎます。
  • 先制防御:相手より先にプロモーションや価格を下げる攻撃などを仕掛けることで、競合に攻撃を思いとどまらせます。
  • 反攻防御:相手の攻撃に反応して「正面攻撃」「側面攻撃」「包囲攻撃」などを行います。攻撃に関しては後述を参考にしてください。
  • 移動防御:新しい分野に事業ドメインを拡大します。
  • 縮小防御:防御しきれない分野については戦略的に縮小・撤退を行い、浮いた経営資源を強い分野に再配分します。

マーケット・チャレンジャー

マーケット・チャレンジャーは、そのターゲット市場で2番手以降にある企業で、リーダー企業に取って代わろうとする勢力です。寡占市場であれば市場シェアの20%前後、細分化された市場では10%前後を占めているといわれます。マーケット・チャレンジャーが取るべき戦略は「攻めの戦略」です。

まずは攻撃対象を決めます。

  • マーケット・リーダー
  • 自社と同規模の市場シェアで経営資源が不足している競合
  • 小規模の地方企業

そして攻撃方法を決めます。

  • 正面攻撃:攻撃対象の企業に対して、製品・広告・価格・流通において真正面から戦います。基本的には経営資源が多い方が勝つので、自社より経営資源の少ない攻撃対象に有効です。
  • 側面攻撃:攻撃対象がカバーできていない地域や顧客セグメントを攻めます。
  • 包囲攻撃:大規模な攻撃で迅速に顧客を包囲して、攻撃対象の戦意を削ぐ作戦です。相手より優れた経営資源が必要になります。
  • 迂回攻撃:「関連性のない製品に多角化する」「地理的に新しい市場に進出する」「新技術で既存製品に取って代わる」の3つのいずれかの作戦で、経営資源の基盤を広げて間接的に競合企業の市場を奪います。
  • ゲリラ攻撃:小規模で断続的な攻撃(値引きやプロモーション)を仕掛け、攻撃対象を疲弊させる方法です。

これらの攻撃方法を対象企業の状況に合わせて組み合わせ、相手から市場シェアを奪います。

マーケット・フォロワー

マーケット・フォロワーは、そのターゲット市場で2番手3番手にある企業で、リーダー企業を真似しながら追いかける企業です。寡占市場であれば市場シェアの10%前後、細分化された市場では5%前後を占めているといわれます。フォロワーは、マーケット・リーダーを真似することで研究開発費や失敗のコストを抑えます。

マーケット・フォロワーが取るべき戦略は「リーダーの真似をする戦略」です。フォロワーの戦略は4つあります。

  • カウンターフィター:いわゆるコピー商法です。偽物を作って闇市場で流通させます。
  • クローナー:リーダー企業の製品クローンを作ります。そっくりな商品を少し安く売ります。
  • イミテーター:リーダー企業とそっくりの商品を作りますが、パッケージ・広告・価格などは違います。
  • アダプター:リーダー企業の製品を参考にして、改良して売ります。ここからチャレンジャーの地位に成長する企業もあります。

マーケット・ニッチャー

マーケット・ニッチャーは、リーダー企業がカバーできない小規模な市場でリーダーになる企業です。寡占市場であれば市場シェアの10%以下、細分化された市場では5%以下を占めているといわれます。大企業が関心を持たない分野をターゲットにして、直接的な競争を避けます。

小さな市場をニッチ市場(隙間市場)と呼び、経営資源が少なくても参入できます。そのため市場に初めて参入する場合は、ニッチ市場から始める企業も多くあります。一方でニッチ市場はイノベーションや大手の参入で消し飛ぶなど、常に市場が無くなるリスクも抱えています。そのためニッチ市場で戦う企業は「単一ニッチ戦略」ではなく「複数ニッチ戦略」を取ることで生き残る確率が高まります。

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