- ハイクラス(高年収・高収入)の転職市場に特化した即戦力採用プラットフォーム
であり、ビジネスモデルとしては、
- 市場絞り込みによる売上単価向上
- 利用者選別によるプレミアムの獲得
- 潜在層への訴求による供給量の増加
という戦略上の特徴を持っています。
「ビズリーチ!☝️」のCMでお馴染みの、オンラインの転職採用プラットフォームのビズリーチ(BizReach) 。
このページにたどり着いた方は、ご存知の方が多いはず。ひょっとしたら、すでにお世話になっている方も結構いらっしゃるかも知れませんね。
「ダイレクトリクルーティング(=企業による能動的採用活動、スカウティング)」という言葉が国内に浸透するきっかけになったサービスの1つが、ビズリーチだと言われています。
今では、ダイレクトリクルーティングのサービスを提供するプラットフォームはたくさん存在していますが、ビズリーチはその先駆けとも言えるでしょう。ちなみに現在の直接的な競合はリクルートダイレクトスカウト などのハイクラス転職プラットフォームになります。
https://www.youtube.com/watch?v=yUmW6vSLUs8
今回は、ハイクラス転職市場で圧倒的な認知度を誇る「ビズリーチ」について、その強さをビジネスモデルを図解しながら、わかりやすく解説したいと思います。
なお、下記のnoteには3分で読めるダイジェスト版も公開しています。重要なポイントだけサクッと知りたい方はこちらから。
ビズリーチのビジネスモデルとは?
ビズリーチは、高年収かつ即戦力になるハイクラス市場に特化した転職プラットフォームです。運営するのは株式会社ビズリーチ。
2007年に南壮一郎氏が創業したスタートアップ企業で、2021年に東証マザーズに上場。その際に、ホールディングス制に移行し、ビジョナル株式会社の完全子会社として事業を運営しています。
代表的なサービスとしては、ビズリーチ以外に、採用管理&タレントマネジメントSaaS「HRMOS(ハーモス) 」があります。採用までのサポートを行うビズリーチに対して、採用後のサポートを行うハーモスは互いに補完的なビジネスモデルと言えるでしょう。
さて、ビズリーチは転職プラットフォームの名の通り「プラットフォーム型ビジネスモデル」に属します。
プラットフォーム型ビジネスとは、
- 生産者と消費者が出会う場の価値を高めるビジネス
のこと。
ビズリーチの利用者は、
- 求人企業(労働力の消費者)
- ヘッドハンター(労働力の間接的消費者)
- 転職希望者(労働力の生産者)
の3者に分けることができます。そして、この3者が出会う場の価値を高めることこそが、ビズリーチのビジネスモデルの最重要課題となります。
このビジネスモデルを図解したものがこちら。

色付けしている箇所が、ビジネスモデル解説の重要なポイントとなります。
ダイレクトリクルーティングということで、求人企業が転職希望者に対して「スカウトメール」で直接アプローチできるのが特徴です。
結論から言うと、ビズリーチのビジネスモデルが強い理由は、
- 市場絞り込みによる売上単価向上
- 利用者選別によるプレミアムの獲得
- 潜在層への訴求による供給量の増加
の3つ!
非常に複雑な構造になっているので、次のページからプラットフォーム型ビジネスのベース部分から丁寧に解説していきたいと思います。
ビズリーチのビジネスモデルの基本メカニズム
ビズリーチの3つの強さを説明する前に、まずは転職プラットフォームの基本的なメカニズムについて説明したいと思います。
転職エージェントとビズリーチの違い
一般的にプラットフォーム型ビジネスは「所有者」「提供者」「生産者」「消費者」の4者で構成されいていると言われます。

これをビズリーチに当てはめてみると、
- プラットフォーム:ビズリーチ
- 所有者:株式会社ビズリーチ
- 提供者:ウェブサイト、スマホアプリ
- 生産者:転職希望者
- 消費者:求人企業、ヘッドハンター(転職エージェント所属のキャリアアドバイザー、個人)
となります。
ちなみに、似たような業態として転職エージェント(人材紹介会社)もありますが、こちらは、
- プラットフォーム:転職サイト
- 所有者:転職エージェント企業
- 提供者:キャリアアドバイザー
- 生産者:転職希望者
- 消費者:求人企業
となります。
いずれもプラットフォーム型ビジネスモデルですが、大きな違いは「提供者」です。転職エージェントはキャリアアドバイザーが仲介して転職希望者と求人企業をマッチングさせますが、ビズリーチはサイトやアプリなどのシステムが仲介します。
さらに、ビズリーチはヘッドハンター(転職エージェント所属のキャリアアドバイザーや個人)もプラットフォームの利用者として取り込んでいます。言い方を変えれば、ヘッドハンターはビズリーチを転職希望者の人材データベースとして利用できるということです。
ビズリーチが価値を生み出すビジネスモデルの構造
ビズリーチが提供する価値は「即戦力人材の採用」です。この価値を享受するのは、需要側であり労働力を消費する側の求人企業。つまり、まず第一に求人企業が価値に満足できないと成り立たないビジネスということです。
これを図で表してみましょう。

まず基本構造として、
- スカウト件数が増えるほど、採用件数が増える
- 採用件数が増えるほど、求人企業の即戦力人材獲得数が増える
- 即戦力人材が獲得できれば、求人企業の利用体験が改善する
という価値を提供するための構造が存在します。
求人企業が「ビズリーチを利用して良かった!」と価値を感じてくれれば、次の採用でもビズリーチを利用してくれるでしょう。そうすれば、長期的にサービスを利用してもらえるようになります。
ただ、これを実現するには消費者である求人企業(需要側)だけでなく、生産者である転職希望者(供給側)もプラットフォーム上に存在しなければならない。つまり、需要と供給のバランスが取れている必要があります。
このバランスを生み出し、事業拡大の鍵となるのが「ネットワーク効果」です。
ビズリーチの集客構造とネットワーク効果
ビズリーチの利用者である「求人企業」「ヘッドハンター」「転職希望者」は、需要と供給のいずれが欠けてもプラットフォームが成り立たなくなってしまいます。
そのため、すべての利用者をバランスよく呼び込まなければなりません。
これを表したのが以下の図。

仲介手数料として集めた利益・資金は、サービスの広告宣伝活動として使われます。
転職希望者に対しては、テレビCMや電車の中吊り広告、ネット広告などでサービスの認知を高めます。また、求人企業や転職エージェント(ヘッドハンター)に対しては、法人営業や商談といった形でサービスの利用を促します。
このサイクルが回り始めれば「ネットワーク効果」が生じるようになります。
プラットフォーム型ビジネスにおけるネットワーク効果
プラットフォーム型ビジネスが急速な事業拡大(グロース)を目指すための絶対条件は、サービスに「ネットワーク効果」を生じさせること。
ネットワーク効果とは、
- 商品やサービスの価値や効用が、その利用者の数に依存する現象
のこと。
簡単に言えば、
- 利用者が増えるほど、利用する価値が高まる
ということです。
ビズリーチでは、
- 求人企業の登録が増えれば、転職希望者にとって魅力的になる
- 転職希望者の登録が増えれば、求人企業にとって魅力的になる
という相互に作用する「間接的」なネットワーク効果が生じます。

これが、すべての利用者をバランスよく増やさなければならない理由です。
法人相手の集客に必要なサービスの信頼性
ただし、利用者を増やすには広告宣伝だけでは不十分です。
広告でサービスの存在を認知してもらったとしても、登録して利用してもらうためには一定の「社会的信用」が必要となります。これは法人営業では特に重要となります。
その「社会的信用」を醸成するための要素は、
- クチコミ評判
- 導入実績
などが挙げられます。
これらを図に加えると以下のとおり。

上の図では、
- 採用件数が増えれば、導入実績と事例掲載数が増え、登録希望法人数が増える
- 求人企業の利用体験が改善すれば、クチコミ評価も良くなり、登録希望法人数が増える
ということを表しています。
その結果、最終的にはブランドの信頼性が高まり、それが更なる利用者を呼び込みます。これがネットワーク効果の一部でもあります。
もちろん「ヘッドハンター」や「転職希望者」にも同じようにネットワーク効果が生じています。
ビズリーチと未登録企業を間接的に繋ぐヘッドハンターたち
前のページでは、求人企業とネットワーク効果の関連性をお伝えしましたが、「ヘッドハンター」や「転職希望者」についても同様です。
ヘッドハンターは、
- 転職エージェントのキャリアアドバイザー
- フリーランスのヘッドハンター
などで構成されています。
これらのヘッドハンターの役割は、ビズリーチに登録していない(できない)企業とビズリーチの転職希望者を「間接的」につなぐこと。

ヘッドハンターは採用が決まれば、依頼元の企業から報酬を受け取ることができます。
そのため、
- 採用件数が増えるほど、ヘッドハンターの利用体験が改善する
ことによって、
- ヘッドハンターが継続的にビズリーチを利用してくれる(継続利用者数の増加)
- ヘッドハンター同士でのビズリーチの評判が高まる(クチコミ評価の改善)
という流れにつながります。
結果、新たなヘッドハンター登録希望者も増加するのです。
一方で、
- 外部のヘッドハンターにシステムを利用させずに、ビズリーチがヘッドハンティングを代行した方が儲かるのではないか?
- 未登録企業もビズリーチに直接登録した方が、ヘッドハンターに報酬を支払わないくて安上がりになるのではないか?
といった疑問も湧いてくるはず。
しかしこの2つの疑問については、いずれも「取引費用理論(Transaction Cost Economics)」で説明がつきます。
端的に言えば、
- ビズリーチがヘッドハンティング代行サービスを提供した場合、自社でヘッドハンターたちを継続的に雇用する必要があり、固定費が増加して収益性が落ちる
- 年間の利用回数が少なくなるような企業は、ダイレクトリクルーティングの社内体制を整えるコストよりも、外部のヘッドハンターに丸投げした方が安く上がる
ということで、
- ビズリーチは利益率を下げるような人的経営資源を保有する必要がない
- ヘッドハンターを間に噛ませる方が安く済む企業が存在している
ので、ヘッドハンターに登録してもらうのが最善の選択になります。
これは、
- Amazonがネットショップのシステムを外部事業者に開放して品揃えを充実させた
という戦略と全く同じ。
Amazonは、事業成長による低コスト構造を構築するため、あえて外部事業者にもAmazon上で商品を販売できるようにしました(出品者)。

その結果、品揃えが充実し、さらなる訪問者を呼び込むことにつながったのです。
ビズリーチも自社の固定費を増やさずに外部のヘッドハンターを増やすことで、採用件数が増加します。そのため、転職希望者にとってサービスの魅力も高まるのです。
転職希望者は成功者の評判を聞いてビズリーチに集まる
ここまで求人企業やヘッドハンターなどの「需要側(労働力の消費者)」の増加サイクルを考えましたが、「供給側(労働力の生産者)」である転職希望者についても考えてみましょう。

上図のように、転職希望者の採用が成立すれば、
- 採用件数が増えるほど、転職者の利用体験が高まり、クチコミ評価が改善する
といった流れが生まれます。
会社の同僚が、
なんて言ってたら「自分も登録してみようかな?」ってなりますよね。
ビズリーチの利用体験を高める2つの活動
利用者の体験を向上させるものは「採用件数」だけではありません。
その他の利用体験を改善する要因としては、
- 法人コンサルティング活動
- システム改善活動
などが挙げられます。

法人コンサルティング活動
法人コンサルティング活動では、求人企業に最適な即戦力人材をスムーズに採用してもらうためのサポートを行います。
これは「カスタマーサクセス」という顧客管理手法に言い換えることもできます。サービスを利用する顧客が、適切な形で価値を受け取るためにサポートを行う必要があります。
この活動が、結果的にはビズリーチの評判を高めることにもつながります。
システム改善活動
システム改善活動も、オンラインでサービスを提供する事業者にとっては不可欠な活動です。
せっかく利用者が登録してくれても、システムが使いにくければ使うのをやめてしまうかもしれません。そうなると採用にもつながらず、事業拡大のボトルネックになってしまいます。
こういったことを避けるためにも、それぞれの利用者のニーズを汲み取りながら、絶えずシステムのUI(ユーザ・インターフェース)を改善したり、新しい機能をつけたりすることが重要になります。
さて次のページからは、いよいよビズリーチの3つの強さの秘密に迫ります。
ビズリーチの強さ①:市場絞り込みによる売上単価向上
ここからは、ビズリーチ特有の要素について解説します。
まず挙げられるのは、
- 市場絞り込みによる売上単価向上
です。
ビズリーチは「ハイクラス」「即戦力」「転職」という労働市場に特化しています。つまり、単純労働や短時間労働、新卒採用などには対応していないということ。(なお、就活生向けに「ビズリーチ・キャンパス」というサービスがありますが、OB/OG訪問のマッチングサービスです。)
ハイクラス転職市場への絞り込みによる効果
この絞り込みがビジネスモデルにどう影響するでしょうか?

上図では、ハイクラス転職市場への絞り込みが、
- ブランドの信頼性の向上
- 採用ごとの仲介手数料の向上
につながっていることがわかります。
ブランドの信頼性という面では、ハイクラスな仕事と報酬を提供できるような企業と、即戦力になる優秀な人材が集まることで、「ビズリーチ」というブランドとプロフェッショナルなイメージが結びつきます。その結果、ブランドの信頼性を向上させることにつながります。
また仲介手数料については、一般的に転職者の年収の何%と決まっているため、年収が高くなればなるほど採用ごとの仲介手数料が増えます。そして、逆も然り。そのためハイクラス(高年収・高収入)に市場を絞れば、ビズリーチの儲けは増えます。
まったく逆の戦い方に特化したタイミー
ちなみにまったく逆の市場を狙ったのが、単発・短期バイトに特化した「Timee(タイミー)」です。
ビズリーチもタイミーも、ジャンルとしては同じ採用プラットフォームです。「即戦力」を「直接採用」できるという点は同じですが、それ以外の部分は大きく違います。
| ビズリーチ | タイミー |
| 高い年収 | 作業に応じた時給 |
| 長期的な雇用 | 単発・短期の雇用 |
| 丁寧な面接 | 面接なし |
ビジネスを比較すると、
- 高年収人材を必要な数だけ採用してもらうビズリーチ
- 単発短期アルバイトを大量に繰り返し採用してもらうタイミー
という感じ。タイミーは回転率をいかに高めるかが勝負になります。

そのために、
- 相互評価データでバイト面接を不要にする
- QRコードで雇用契約が締結できる特許の取得
- 雇用主に代わってバイト代を即日入金する仕組み
など、求人企業側の手間を極限にまで減らし、採用の回転率を高める戦略をとっています。
ビズリーチと比較すれば、タイミーは薄利多売の傾向があるとも言えます。(悪い意味ではなく、純粋に収益構造に違いがあるということです。)
ビズリーチの強さ②:利用者選別によるプレミアムの獲得
ビズリーチには、
- 利用者は全員、審査を通過しないと登録できない
という特徴があります。
つまり「求人企業」「ヘッドハンター」「転職希望者」全てをコストをかけて審査しているということです。
ではなぜ、手間暇をかけて利用者全員を審査するのか?
その理由は、
- ターゲット層以外が利用することを防ぐため
- サービス品質の向上による追加の利益を得るため
の2つ。
特に注目したいのが2つ目の品質向上による追加利益(プレミアム)です。
これを図で見てみましょう。

広告宣伝活動によって、たくさんの人に登録を促すわけですが、そこにはターゲット層ではない利用者も紛れ込む可能性があります。
もしターゲット層ではない利用者が紛れ込んでしまうと、マッチングの品質が落ちてしまいます。その結果、本来のターゲット層の利用体験の悪化につながります。そうなると、継続利用者が減ってしまい、利益も減ってしまいます。
利用者選別とネットワーク効果の強化
そこでビズリーチは、事前の審査で利用者を選別し、サービスのコンセプトに合致する利用者だけを内側に入れるという方法をとっています。
その結果、
- 即戦力人材の候補がたくさん登録されていて求人企業やヘッドハンターは喜ぶ
- ハイクラスな採用情報がたくさん登録されていて転職希望者は喜ぶ
という状況を作ることができます。
これは前述した「ネットワーク効果」を強化する活動になります。先ほどもご紹介した図で説明すると、利用者の数ではなく直接的に質を高めることで「価値や効用」向上させるということです。

さらに、この仕組みで生み出された「品質の高い転職データベース」は、利用者にとってビズリーチ以外のサービスからは得られない情報となります。
そのため利用者全員に「システム利用手数料」を徴収して、仲介手数料以外の利益を得ることが可能になります。(一部利用者に対しては、大幅に機能が制限された無料プランが用意されています。)
スコア評価によるモラルハザードの抑制
実は、ヘッドハンターに対しては登録時の審査だけでなく、「スコア評価」によって継続的に選別される仕組みも備わっています。
その理由は、
- ヘッドハンターに採用を依頼している未登録企業を選別できない
という問題があるからです。
もし、
という求人企業がいたらどうでしょうか? せっかく登録を希望する求人企業を審査で選んでいるのに、意味がなくなってしまいますよね。
しかし、登録していない企業をチェックすることは無理なので、ヘッドハンターが基準を満たさない求人企業を連れてこないように制限をかける必要があります。

そこで導入しているのが、ヘッドハンターに対する「スコア評価」です。
ビズリーチのサイトには、以下のように説明されています。
「ヘッドハンタースコア」とは、ビズリーチでの転職支援実績から算出されたもので、面談したビズリーチ会員の満足度や採用決定数など、複数の指標を5点満点で評価しています。また、評価をもとにSからDのランクもつけられます。
この機能によって、
- 転職希望者と求人企業の顧客体験の向上
を、ヘッドハンターが意識することになり、
- 転職希望者の満足度よりも短期的な成功報酬を求める
ようなモラルハザード問題を抑制することができます。
プラチナスカウトによるアップセル
最初にお伝えした「システム利用手数料」について、もう一つの仕組みが存在しています。
それは、
- プラチナスカウト
です。
プラチナスカウトは「求人企業」や「ヘッドハンター」が追加料金を払うと使える機能で、転職希望者に対して開封率の高いメッセージを送ることができるようになります。

人気のある転職希望者には、たくさんの求人企業からスカウトメッセージが届きます。そのため、普通にメッセージを送るだけでは埋もれてしまい、スカウトに興味を持ってもらえない可能性があります。
しかし追加で料金を払えば、他のメッセージに埋もれにくい「プラチナスカウト」を送ることができるのです。つまりよりニーズの強い利用者に対応することで、ビズリーチは追加で利益を得ることができるのです。
これをマーケティング用語では「クロスセル」と言います。
クロスセルとは、関連性のある商品をすすめること。ハンバーガー屋がポテトとドリンクを勧めるのがクロルセルです。
つまり、通常のサービスにプラチナスカウトを追加トッピングしてもらって利益を増やしているということです。
これは、独自審査によって本気度の高い利用者を選別しているからこそ効果があります。質の高い転職希望者が集まっているので、求人企業やヘッドハンターの間での取り合いが生まれ、その競争に優位に立つためにプラチナスカウトの存在が成り立つのです。
ビズリーチの強さ③:潜在層への訴求による供給量の増加
3つ目の強さは、
- まだ転職を考えていない層にも会員登録させて供給量を増やす
という施策です。
通常は、転職を考えているターゲット層、つまりニーズが顕在化しているターゲット層に広告を打ちます。しかしビズリーチは、転職を考えていないハイクラス人材、つまりニーズが潜在的な状態である層にも積極的にサービスの訴求を行なっています。
図で表すと以下のとおり。

この「転職潜在層への訴求」は、即戦力人材の登録希望者を増加させ、登録数(労働力の供給量)を増加させます。その結果、求人企業やヘッドハンターに対するビズリーチの価値が向上するのです。
ビズリーチのビジネスモデルまとめ
ここまで、ビズリーチの強さの秘密を、
- 市場絞り込みによる売上単価向上
- 利用者選別によるプレミアムの獲得
- 潜在層への訴求による供給量の増加
の3つに分けて解説しました。
プラットフォーム型ビジネスの中でも、複数の異なる利用者を取り扱うマルチサイドプラットフォームは特に難易度の高い事業形態です。
ビズリーチでは、
- 求人企業
- ヘッドハンター
- 転職希望者
という3タイプの利用者が存在していますが、それぞれが異なるニーズを持っており、個別にサービス特性を訴求しなければなりません。
それだけでなく、常に需要と供給のバランスを保ち続ける必要もあります。
しかしビズリーチは、プラットフォーム型のビジネスモデルを軌道に乗せ、ネットワーク効果を活かして事業拡大から上場に至りました。
最後にもう一度ビジネスモデルの全体像を見てみましょう。

ビジネスモデルとしては、
- 独自審査で利用者の質を上げることでプラットフォームの価値を底上げした
- 複数の手数料徴収方法を組み合わせて利益率を高めている
- 転職潜在層への訴求で供給量を補っている
というような部分が、競争優位の源泉になっているように感じます。
他のプラットフォーム型ビジネスでも応用できるかもしれませんね。
ビズリーチ創業者 南壮一郎氏の著書
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