パイプライン型とプラットフォーム型ビジネスモデルの違い:具体例と転換の4つのシナリオ

プラットフォーム転換シナリオ4:プラットフォーマーに製品・サービスを供給する

最後のシナリオは、

  • 自社製品をプラットフォーマーの仕組みに組み込んでもらう

という方法。

論文「Finding the Platform in Your Product(2017) 」では転換の4つ目のシナリオとされていますが、私自身は「転換ではない」と考えます。

このシナリオでは、

  • 自社の顧客がプラットフォーマーである

というだけで、自社がプラットフォーム型ビジネスに転換するわけではありません。プラットフォームの「所有者」になることはありません。

わかりやすく言えば、他者のプラットフォームに寄生するコバンザメ的ビジネスです。

具体例としては、

  • プラットフォームの決済システムを提供する
  • プラットフォームの「提供者」を供給する

などが挙げられます。

プラットフォーム上では取引が発生することがありますが、その取引の決済システムを担うことでプラットフォームの拡大と共に事業を成長させることができます。

例えば、クレジットカード会社、電子マネー運営会社、後払い決済システム運営会社などが該当します。1社で独占することは難しいですが、複数の選択肢の1つとして採用される可能性はあります。

他にも、スマートフォンを製造販売することで、スマートフォンを「提供者」とする様々なプラットフォームの恩恵を受けることができます。

4つ目のシナリオは「転換」ではありませんが、既存のパイプライン型ビジネスを続けながら、他者のプラットフォーム型ビジネスに関わることができるため、保守的な企業文化をつも会社にとっては、良い選択肢の1つかもしれません。

パイプライン型とプラットフォーム型ビジネスのまとめ

ここまでパイプライン型ビジネスとプラットフォーム型ビジネスについて解説しました。

改めて要点を整理すると、

  • パイプライン型:内部資源とサプライチェーンの制御が重要であり、他社を出し抜くための戦いになる
  • プラットフォーム型:外部資源の活用と関係性構築が重要であり、価値交換の設計が鍵になる

ということです。

さらに、パイプライン型ビジネスとプラットフォーム型ビジネスを組み合わせることは可能であり、ここまでご紹介した4つのシナリオを参考にしながら新しいビジネスの可能性を探ることができます。

  • パイプライン型ビジネスの経営資源の一部をプラットフォームに転換する
  • プラットフォーム型ビジネスの生産者としてパイプライン型ビジネスも始める

など、自社のビジネスに当てはめて考えると可能性が広がります。

ぜひ皆さんも、勉強会などで自社のビジネスの転換シナリオを考えてみてください。

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