だいぞう
「善の循環(ヴァーチュアス・サイクル)」とは、Amazon(アマゾン)の成長戦略が表現されたシステム思考の図のことです。
- 何に注力すればアマゾンのビジネスが拡大するのか?
- 事業が拡大することでどんな競争力が得られるのか?
ということが、誰でも理解できる戦略の俯瞰図(ふかんず)としてまとめられていることが特徴です。
善の循環(ヴァーチュアス・サイクル)は戦略の俯瞰図
2001年、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏は、同社の特徴的な事業戦略を紙ナプキンに描きました。それがこちら。
この図は、「善の循環(The Virtuous Cycle:ヴァーチュアス・サイクル)」と呼ばれており、オリジナルの図は以下のAmazonの採用サイトでも見ることができます。
ただ、これだけではわかりにくいので、筆者が日本語に置き換えたものがこちら。
少し分かりやすくなったでしょうか?
ビジネスでの出来事が、ぐるぐると循環するループのように表現されています。
このような図のことを「ループ図」と呼びます。システム思考やループ図についての詳しい解説は以下の記事も参考にしてください。
この図が描かれた2001年といえば、アマゾンが創立してまだ7年程度で、ドットコムバブルが弾けて間もない時期。前年の2000年には、アジア圏では初となる日本進出を果たしたばかりで、まだ日本では書籍しか取り扱っていませんでした。
そのような時代に、アマゾンの創業者ベゾス氏が描いていた戦略が「善の循環(ヴァーチュアス・サイクル)」なのです。
…でも、初めてこの図を見る人にとっては、なかなか理解するのが難しいはず。
そこで次ページからは、この図をいくつかのステップに分けて、丁寧に解説していきます。