DELLのビジネスモデル図解:直販と受注生産(BTO)の組み合わせで世界を席巻

だいぞう

1990年頃に頭角を表したパソコン製造のDELL社のビジネスモデルは、またたく間に世界を席巻し急成長を遂げました。

その事業戦略は、

  • DELL直販モデル(Dell’s Direct Model)

と呼ばれ、多くの経営学者を虜にして、今なお語り継がれています。

今回は、このDELL直販モデルを戦略ループを使ってわかりやすく解説します。

DELL直販モデルは、「デルモデル」「デル・ダイレクト・モデル」などと呼ばれ、それまでのパソコンメーカーの戦い方をくつがえす、

  • 中間業者を通さない直接販売
  • 受注生産(BTO:Built to Order)

によって急成長を遂げました。

このビジネス戦略を考案したのが、DELLの創業者マイケル・デル氏。

今回は戦略ループを使って、1990年代のDELL直販モデルの秘密を解き明かします。

受注直販モデルのDELL vs 当時の一般的なパソコンメーカー

DELLと一般的なパソコンメーカーの戦略ループ

今回は、DELLのビジネス戦略をより深く理解するため、1990年代当時の一般的なパソコンメーカーの戦略ループと比較しながら解説します。

その前に、戦略ループの読むために覚えて欲しいことが1つだけあります。それは2種類の矢印の意味です。

「もう知ってるよ!」って方は、読み飛ばして次のページに進んでください。戦略ループの2種類の矢印の意味

上の段の普通の矢印は、物事の因果関係の「正の相関」を表していて、「販売個数」と「売上」の関係性が、

  • 販売個数が増えると、売上も増える
  • 販売個数が減ると、売上も減る

ということを意味しています。

他方、下の段の点線の矢印は、物事の因果関係の「逆の相関(負の相関)」を表していて、「生産効率」と「原価」の関係性が、

  • 生産効率が上がると、原価が下がる
  • 生産効率が下がると、原価が上がる

ということを意味しています。つまり、先程の関係性とは逆の効果が働くということです。

ここまで理解できれば、もう大丈夫! …でも「もう少し詳しく知りたい」という方は、以下の記事も参照してください。

それでは次のページから事例を読み解いていきましょう。

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