ロジックツリーとMECEで広げる選択肢
ここからは解決策の選択肢を、より効率的に広げる方法を説明します。
ここでのキーワードは「MECE(ミーシー)」です。
MECEとは、
- モレなく
- ダブりなく
という、情報の状態を表す言葉です。
ロジックツリーの元になっているピラミッドストラクチャーでは、ピラミッド構造を作るためのコツとして「MECE(ミーシー)」が推奨されています。
同様にロジックツリーでも、MECEは重要な考え方になります。
MECEの切り口としては、
- 因果関係:同じ結果をもたらす複数の原因を探す
- 類似性:共通の特徴を見つけてグループ化する
- 二項対立:互いに反する概念で2つに分ける
- 分割:全体を境界線で3つ以上に分割する
- 尺度:直線上に並んでいるものを任意の点で区切る
- プロセス:物事が起きる一連の流れを見つける
- 因数分解:出来事を掛け算の数式に変換する
の7つが存在しています。
この中でも特に最初の「因果関係」を除く6つを使えば、解決策の選択肢を効率的に広げることができます。(因果関係の切り口は、Whyのピラミッドと合わせて原因特定に使います。)
ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い
ロジックツリーと混同されやすい「ピラミッドストラクチャー(ピラミッド構造)」は、情報を整理するための汎用的なフレームワークです。
一方でロジックツリーは、ピラミッドストラクチャーの用途を「問題解決の選択肢を見つける」ことに限定したもので、ピラミッドストラクチャーを横倒しにしたような見た目が特徴です。
違いをまとめると、下記のようになります。
ピラミッド構造 | ロジックツリー |
汎用的な情報整理に使う | 解決策の選択肢を列挙する |
上から下に伸びる | 左から右に伸びる |
これらの違いについては、自分だけしか見ない図であれば、あまり区別する必要はないと思います。
しかしプレゼンテーションなどの発表の場では、
- ロジックツリー = 左側が選択肢
というイメージの人もいるので、情報をスムーズに伝えたいのであれば区別することをお勧めします。
おすすめの書籍
ここまでご紹介した内容は、ミント氏の著書「考える技術・書く技術」の内容をベースに、筆者がアレンジを加えています。
ロジックツリーについては、第9章「問題分析を構造化する」に登場します。
ロジカルシンキングの基礎についてより詳しく学びたい方には、こちらの書籍をおすすめします。
また、この「新版 考える技術・書く技術」と併せて、入門書や練習問題をまとめた書籍も販売されています。
社会人として「情報を整理して伝える」という基本的な技術を身につけるために最適な本なので、ぜひ書店で見つけたら手にとってみてください。