だいぞう
ミントのピラミッドストラクチャー(ピラミッド構造)とは、1970年代に、経営コンサルタントのバーバラ・ミント氏が考案した、
- わかりやすい報告書を書くためのフレームワーク
のことです。
ピラミッドストラクチャーを使うことで、誰でも効率的かつ論理的に情報の整理を行うことができるようになります。
図で表すと下記のようになり、複数のピラミッドが大きなピラミッドを構成しています。
それぞれのピラミッドは、下層の情報を上層の情報が要約する関係にあります。
小さなピラミッドごとに情報がグループ化されており、これらのピラミッドを順に説明するだけで、相手にわかりやすく情報を伝えることができます。
この手法はロジカルシンキング(論理的思考)の基本でもあり、社会人が身につけるべきフレームワークでもあります。
ここではピラミッドストラクチャーを使って、論理的に情報を整理する方法を説明します。
ピラミッドストラクチャーの作り方
ピラミッドストラクチャー(ピラミッド構造)の役割は、
- 情報を論理的に整理する
ことです。
情報を論理的に整理できれば、
- 自分自身の頭の中が整理される
- 情報を他人に伝えやすくなる
というメリットがあります。
このピラミッドストラクチャーを体系化して、世に広めたのはバーバラ・ミント氏というアメリカの経営コンサルタントです。
1960〜1970年代、コンサルタントの仕事をしていたミント氏は、誰もが毎日大量の報告書を書くにもかかわらす、報告書を書く手法が体系化されていないことに気づきました。
そこでミント氏は、報告書を書き方を体系化して「The Minto Pyramid Principle(ミントのピラミッド原則)」という一冊の本にまとめました。
その本が、こちらになります。
「The Minto Pyramid Principle」を日本語に翻訳した「考える技術・書く技術」という本は、多くの学生や社会人に長年愛され、ビジネスの基礎力を養うための必読書と言われています。
しかしなぜピラミッドストラクチャーは、情報を整理することができるのでしょうか?
冒頭で紹介したピラミッドを、もう一度見てみましょう。
ピラミッドストラクチャーの構造は、小さなピラミッドの集まりです。そしてもっとも典型的なパターンが上記の図です。
あなたが一番「伝えたいこと」を頂点として、なぜそれを伝える必要があるのかという「理由」がそれを支えます。またそれぞれの「理由」には、より具体的な情報に支えられています。
このピラミッドを順番に文章に落とし込むと、下図のようになります。報告書やビジネスメールを思い浮かべながら見てみてください。
まず、報告書のタイトルやメールの件名など、全体を総括した「タイトル」が最初に来ます。
その後から本文が始まりますが、「伝えたいこと」「理由」「具体的な内容(AとB)」そして最後にもう一度「伝えたいこと」という順番で文章を作れば簡潔にまとまります。
またプレゼンテーションに落とし込んでも、ピラミッドストラクチャーが役に立ちます。
ピラミッドを上から順番に「1スライド1トピック」で説明して、最後にもう一度「伝えたいこと」に戻れば、誰にでも伝わりやすいプレゼンテーションを作ることができます。
このように論理的に整理された情報は、
- 情報の受け手のストレスを減らす
- 間違った情報が伝わる可能性を減らす
という効果もあります。
ピラミッドストラクチャーで情報を整理すれば、「伝えたいこと」が伝わるだけでなく、情報伝達のミスなども防ぐことができます。