アブダクション
アブダクションとは、
- 結果と一般論から起こった出来事を推測する
思考法です。
「仮説推論」とも呼ばれる推論方法で、英語では「Abductive Reasoning(アブダクティブ・リーズニング)」などとも呼ばれます。
図で表すと、下記のようになります。
アブダクションは一見すると演繹法とそっくりですが、
- 演繹法:結果を推測する
- アブダクション:起こった出来事を推測する
という点が違います。
- A ならば B
ということがわかっている時に、「B」という結果が得られた場合には「A」が起こったことを推測することができます。
これは、
- 推理小説に出てくる探偵
をイメージするとわかりやすいかもしれません。
探偵は殺人現場に残された証拠や様子を観察し、過去の経験や知識と照らし合わせることで、その場所で起こったことを推測します。
ビジネスでの具体例を挙げると、
- 一般論:自社店舗の近くに競合が出店すると売上が減る
- 結果:自社店舗の売上が減った
- 仮説:自社店舗の近くに競合が出店したのかもしれない
という推測です。
最初にご紹介した演繹法の、
- 一般論:自社店舗の近くに競合が出店すると売上が減る
- 出来事:自社店舗の近くに競合が出店した
- 仮説:自社店舗の売上が減るかもしれない
という推測と比べてみると、違いがわかりやすいと思います。
この「アブダクション」という考え方は、ビジネスの場では原因究明や課題発見によく使われます。
- 機械設備の故障原因の究明
- ヒヤリハットの事例報告
- 受注・失注案件の分析
- 離職率上昇の原因分析
などなど、すでに起こった出来事に対する分析に役立ちます。