ピラミッドストラクチャーとは?作り方のコツを具体例でわかりやすく図解

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーの横の関係性を意識した作り方

ピラミッド構造の横の関係は、

  • 演繹法(えんえきほう):一般論を使って出来事の結果を推測する
  • 帰納法(きのうほう):複数の出来事とその結果から規則性を見つける

という2つのタイプに分けることができ、いずれも基本的にはボトムアップ型アプローチになります。

演繹法と帰納法はそれぞれ、

  • 演繹法:一般論、出来事、仮説
    • 演繹法の三段論法:大前提、小前提、結論
  • 帰納法:出来事、仮説

で情報が構成されています。

この中でピラミッドの横の部分(土台、理由)を構成するのは、

  • 一般論(大前提)
  • 出来事(小前提)

の2つになります。「仮説(結論)」は「伝えたいこと」であり、伝える側の主張であるためです。

ピラミッドの横の構造

このようにそれぞれのピラミッドの各グループの横並びが、演繹法または帰納法の「一般論」や「出来事」に該当します。

また「伝えたいこと」のすぐ下に位置する各ピラミッドの頂点の段を、

  • キーライン

と呼びます。

ピラミッド構造のキーライン

キーラインとは、「伝えたいこと」を直接的に支える情報であり、ピラミッド全体の中でも「伝えたいこと」の次に重要な情報です。

このキーラインを構成する各ピラミッド(上図では、理由、A、Bの塊)については、帰納法がわかりやすいとされています。

特にロジカルシンキングに慣れていないうちは、全てのピラミッドを帰納法で考えると綺麗にまとまりやすくなります。

ここからは、演繹法と帰納法のピラミッドについて、もう少し詳しく説明します。

注意

ピラミッドの横の並びを考えるときに注意しなければならないのは、

  • 一つの小さなピラミッドに演繹法と帰納法を混ぜない

ということです。

もしピラミッドの土台に演繹法と帰納法が混ざってしまうと、小さなピラミッドで伝えたいことがわかりにくくなってしまいます。

演繹法のピラミッドストラクチャー

演繹法(えんえきほう)のピラミッドは、

  • 伝えたいこと:結論
  • ピラミッドの土台:大前提、小前提

で構成されます。

厳密に言えば演繹法を発展させた「三段論法」であり、三段論法の結論以外の部分をピラミッドの土台として並べるようになります。

演繹法のピラミッドストラクチャー

上記の例では、

  • 結論:ABC工場を閉鎖するべきだ

という「伝えたいこと」に対して、

  • 大前提:貢献利益がマイナスの工場は閉鎖を検討する
  • 小前提:ABC工場の貢献利益がマイナスだ

という理由づけで結論づけた理由を伝えています。

これはその会社の一般論として、

  • 貢献利益がマイナスの工場は閉鎖を検討する

という方針がすでにあり、実際に起きた出来事として、

  • ABC工場の貢献利益がマイナス

という事実が結論の根拠となっています。

この「小前提(または出来事)」の部分は、大前提の内容に沿っていれば複数挙げることもできます。

帰納法のピラミッドストラクチャー

帰納法(きのうほう)のピラミッドは、

  • 伝えたいこと:仮説
  • ピラミッドの土台:複数の出来事

で構成されます。

複数の出来事から共通する考え方を抜き出し、仮説として組み立てる方法が帰納法のピラミッドです。

帰納法のピラミッドストラクチャー

上記の例では、

  • 仮説:同業他社の東南アジア進出が加速している

という「伝えたいこと」の根拠として、

  • 競合A社が東南アジアに進出した
  • 競合B社が東南アジアに進出した

などの複数の出来事をあげています。

この帰納法のピラミッドでは、先ほどの演繹法のピラミッドのように「大前提」や「一般論」を考える必要はありません。

目の前で起こっている事実や、観測することができた出来事をグループ化して、共通のパターンを発見することで仮説を立てることができます。

そのため、分析や調査結果をまとめて仮説を立てる時や、初めて挑戦する施策や一般論が確立されていない取り組みに対して、「気づき」を伝える場合に役立つ手法です。

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