ピラミッドストラクチャーとは?作り方のコツを具体例でわかりやすく図解

ピラミッドストラクチャー

ミントのピラミッド三原則

ここまで、ピラミッドをどのように組み立てるのかを説明しました。

ここからは、完成したピラミッドが上手くできているかをチェックする方法として、「ミントのピラミッド三原則」ご紹介します。

ミントのピラミッド三原則とは、

  1. メッセージはその下位グループ群を要約していること
  2. グループ内のメッセージは常に同じ種類のものであること
  3. グループ内のメッセージは常に論理的に順序づけられていること

の3つのルールのことです。

ピラミッド三原則では、各グループの縦と横のつながりを一つづずチェックします。ちなみにここでの「グループ」とは、ここまでの説明で「小さなピラミッド」と呼んでいた塊のことです。

ピラミッドストラクチャーのグループ

このグループ(ピラミッドを構成するそれぞれの三角形)に対して、三原則がひとつずつ当てはまるか確認しましょう。

メッセージはその下位グループ群を要約していること」というのは、ピラミッドの中の縦の構造のチェックになります。トップダウン型アプローチで作った「Why」や「How」のピラミッドであれば問題ないと思いますが、ボトムアップ型アプローチで作った「演繹法」や「帰納法」のピラミッド場合は「要約」になっていない可能性があります。上から下に分解しても下から上に要約しても不自然じゃないように、グループ内の要素を確認します。

各グループ内のメッセージは常に同じ種類のものであること」というのは、ピラミッドの中の横の構造のチェックになります。先ほどとは逆にボトムアップ型アプローチの「演繹法」や「帰納法」のピラミッドでは共通の「前提」や同じような出来事・物事でまとまっているはずなので、問題ないと思います。しかしトップダウン型アプローチで作った「Why」や「How」のピラミッドは、あまり重要ではない情報も紛れ込むことが多々あります。不要なものや重要ではないものを取り除くことで、本当に伝えたいことが簡潔にすっきりと伝わるようになります。

各グループ内のメッセージは常に論理的に順序づけられていること」というのは、こちらもピラミッドの中の横の構造のチェックです。「情報の順序:4タイプ」で説明した、

  • 演繹の順序:演繹法、三段論法(大前提 → 小前提 → 結論)など
  • 時間の順序:出来事が起きた順番など
  • 比較の順序:重要な順番、大きさなど
  • 構造の順序:北から南、東から西など

という順序に従っているか、確認をしてみてください。

ピラミッドストラクチャーとMECEの関係

MECE(ミーシー)とは、

  • 個々に見て「ダブリ」がなく(Mutually Exclusive)
  • 全体的に見て「モレ」がない(Collectively Exhaustive)

バーバラ・ミント著「新版 考える技術・書く技術 」第6章 p115 より引用

という意味の言葉です。

ピラミッドを構成する情報が「MECE(モレなくダブりなく)」になっていれば、情報に過不足がなくなり、伝えたい情報が相手により伝わりやすくなります。

例えば、会議の日程をトップダウン型のアプローチで伝えるとします。

もし「日時」と「場所」のどちらかの1つの情報が欠けていれば(モレていれば)、誰も会議に辿りつくことができなくなってしまいます。

また「開催日時」と「開催時間」というように、一部の情報が重複していれば(ダブりがあれば)、情報を受け取る側は読むのが面倒に感じるかもしれません。

このようにピラミッドの情報に「モレ」や「ダブり」があると、伝えたいことがスムーズに伝わらなくなる可能性があります。そのため「MECE(モレなくダブりなく)」を意識することが大切になります。

この「MECE(モレなくダブりなく)」でのグループ化については、

  • 因果関係によるグループ化
  • 類似性によるグループ化
  • 構造によるグループ化

の3つがあり、さらに「構造によるグループ化」については、

  • 二項対立
  • 分割
  • 尺度
  • プロセス
  • 因数分解

の5つのタイプに分けることができます。

ピラミッドストラクチャーとして情報をグループ化できたら、MECEの視点で最終チェックをすることで、情報をさらにわかりやすい状態に磨き上げることができます。

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