ロジックツリーの下準備
ここまではピラミッドストラクチャーとの違いと、事前の原因の絞り込みが大切だ、ということをお伝えしました。
ということでここからは、ロジックツリーを使うまでの下準備として、
- 問題を見つける
- 原因を見つける
方法について、簡単に説明したいと思います。
問題を見つける
問題解決で最も大切なことは、問題が何であるか理解することです。
「そんなこと当たり前…」と思われるかもしれませんが、意外と深く考えずに問題じゃないことを問題と決めつけてしまうこともよくあります。
「問題」とは、
- 起こるはずだった望ましい結果
- いま起こっている望ましくない結果
の埋めなければならない「ギャップ(差)」のことです。
まずこのギャップを把握するためには、
- 現在の状況:結果までに起こった出来事や前提条件
- 望ましい結果:起こることが望まれていた出来事
- 望ましくない結果:いま起こっている出来事
- 懸念事項:望ましくない結果の影響
の4つを挙げてみてください。
もし「望ましい結果」と「望ましくない結果」に差がほとんどなかったり、「懸念事項」が特に存在していないようであれば、それはもしかしたら「問題」ではないかもしれません。
ちょっと面倒かもしれませんが、ロジックツリーを作る前に、上記の4つの項目を簡単に書き出してみてください。
原因を見つける
次に原因を特定して、ある程度絞り込みましょう。
絞り込むことの重要性については、前半で説明した通りです。この絞り込みができるか出来ないかで、ロジックツリーで挙げる解決策の選択肢の質が変わることになります。
この原因の特定の方法として最も基礎的なのは、
- 因果関係を掘り下げる
ことです。
因果関係とは、
- ある出来事が別の出来事を直接的に引き起こす関係
です。
先ほど確認した「問題」から、出来事の因果関係を辿っていくと、根本的な原因にたどり着くことができます。
この原因と結果をたどる作業は、ロジックツリーの元になったピラミッドストラクチャーを使うと簡単かもしれません。
ピラミッドストラクチャーには、
- Whyのピラミッド
という形式があります。
このWhyのピラミッドは因果関係のピラミッドでもあり、原因を掘り下げるのに最適です。
起こっている問題をピラミッドの頂点に置いて、「なぜ?」という質問を数回繰り返すことで、本当の原因にたどり着きやすくなります。
この「なぜ?」の繰り返しで原因を探る方法を、「なぜなぜ分析」と呼んだりもします。
この他にも「連関図法」や「特定要因図」など、出来事の原因を探るための手法は様々存在しています。
ちなみに、原因を特定するための、
- 原因追求ツリー(Whyツリー)
というものが存在しているようです。
しかし、因果関係の掘り下げはピラミッドストラクチャーで出来るので、無理やりロジックツリーを使う必要はありません。他にも先ほど紹介した「連関図法」や「特定要因図」などもありますし、原因の特定にはやりやすいものを選んでください。
これに関連して「問題解決ツリー(Howツリー)」や「要素分解ツリー(Whatツリー)」なども存在しているようですが、これらもピラミッドストラクチャーで出来るので、覚える必要はありません。