貸借対照表とは?見方をわかりやすく図解:Excelテンプレートあり

貸借対照表

貸借対照表とは、

  • 資産の部、負債の部、純資産の部で構成された企業の総資産を表す財務諸表

のことで、「バランスシート(Balance Sheet)」や「B/S(ビーエス)」とも呼ばれます。

貸借対照表は、ビジネスの結果を視覚化する損益計算書(P/L)に対して、

  • 企業のお金のやりくりを視覚化

する役目があります。

貸借対照表(バランスシート)

具体的には、

  • 表の右側(貸方)は企業の「お金の出所(自分たちのお金or他人のお金)
  • 表の左側(借方)は企業の「お金の状態

を表しています。

ここでは会計の初心者向けに、貸借対照表の見方や覚え方をわかりやすく説明します。またエクセル用テンプレートも無料でダウンロードいただけます。

貸借対照表とは?

貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、財務諸表の一種で、

  • お金の出所:どこからどうやってお金を集めたか?
  • お金の状態:集めたお金がどんな状態にあるのか?

の2つから企業の「お金のやりくり」の状態を知るための会計書類のことです。

一般的には、下記のような形式の書類で見かけることが多いかもしれません。

勘定式の貸借対照表

この左右に分割されているタイプの貸借対照表は「勘定式」の貸借対照表と呼ばれます。(後ほど詳しく説明します。)

この貸借対照表の左上を見ていただくと、

  • xxxx年xx月xx日 現在

と書かれているのに気づくと思いますが、

  • 貸借対照表は「特定の日にち」の状態を表している

ということがわかります。

つまり、貸借対照表が作られた日にち「時点」の金額を書類に書き出したスナップショットであり、日にちが前後すれば、また違った金額が表示されることになります。

ここまでをまとめると、貸借対照表とは、

  • お金のやりくり」の状態がわかる会計書類
  • 数字は書類が作られた日付のスナップショット

であると説明できます。

補足

英語では「Balance Sheet(バランスシート)」と呼ばれ、借方(表の左側)の残高と貸方(表の右側)の残高が「釣り合っている(バランスが取れている)」ことに由来しています。

参考 貸借対照表ウィキペディア

また「残高」そのものも「Balance(バランス)」と呼ぶため、「バランス(残高)がバランスして(釣り合って)いる」という二重の意味でもあります。

貸借対照表の見方:初心者向け

ここからは会計の初心者向けに、貸借対照表の見方や覚え方をわかりやすく説明します。

まずどんなビジネスも、

  1. 資金調達:商売の元手になるお金を集める
  2. 事業投資:集めたお金で商売道具などをそろえる
  3. 事業活動:商売道具を使って儲ける

という大まかな流れがありますよね。

貸借対照表は、この流れの「① 資金調達(お金を集めること)」と「② 事業投資(商売道具などをそろえること)」の2つを金額で把握するために作る資料です。

ちなみに「③ 事業活動(商売道具を使って儲ける)」については損益計算書とうい会計書類で確認できるので、こちらの記事もご覧ください。

話は戻って、貸借対照表でそれぞれに対応するのが、

  • 資金調達の結果(他人・自分達のお金)= 表の右側(負債・純資産の部)
  • 事業投資の結果(お金の状態)= 表の左側(資産の部)

ということになります。

貸借対照表(バランスシート)

上記の図で確認してみると、

  • 他人のお金 = 負債の部
  • 自分達のお金 = 純資産の部
  • お金の状態 = 資産の部

ということがわかると思います。

まずは資金調達として、

  • 他人からどれくらいのお金を集めたか? → 負債の部
  • 自分達のお金はどれくらいあるのか? → 純資産の部

ということで「お金の出所」を知ることができます。これらの2つを合わせて「総資本(そうしほん)」と呼びます。

また事業投資として、

  • 集めたお金がどんな状態にあるのか? → 資産の部

ということで「お金の状態」を知ることができます。こちらは先ほどの「総資本」に対して「総資産(そうしさん)」と呼ばれることがあります。

これらの金額を定期的に記録することで、企業の「お金のやりくり」を把握することができます。

ちなみに貸借対照表は、

  • 勘定式
  • 報告式

という2種類の形式で記録されます。

勘定式の貸借対照表

まず「勘定式(かんじょうしき)」の貸借対照表ですが、先ほどもご紹介した下図のように左右に分かれた形式になります。

勘定式の貸借対照表

勘定式の貸借対照表では、

  • 表の左側(←)を「借方(かりかた)」
  • 表の右側(→)を「貸方(かしかた)」

と呼びます。

でも実務で経理をやる人以外は、覚える必要なんてないのでご安心を。借方貸方を知らなくても、財務諸表を読むことができます。(ちなみに「かり」の「」は左に払うので左側、「かし」の「」は右に払うので右側、という覚え方があります。)

この勘定式の貸借対照表は「バランスシート」という名の通り、左右の合計のバランスが取れている(釣り合っている)のがわかりやすいのが特徴です。

一般的にもよく目にする形式ですし、貸借対照表といえばこちらの勘定式を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

一方で、勘定式の貸借対照表よりも見かける機会が少ないのが、次に紹介する「報告式の貸借対照表」です。

報告式の貸借対照表

報告式(ほうこくしき)」の貸借対照表は、項目を縦にずらっと並べたものになります。

報告式の貸借対照表

報告式では、資産の部、負債の部、純資産の部といったそれぞれのグループが縦に並んでいて、それぞれの残高を確認することができます。

しかしこの形式だと、「お金の出所」と「お金の状態」が釣り合っているかどうかを比較することが難しく、イメージ的にも貸借対照表っぽくないですよね。

数字を見比べるのも面倒ですし、財務分析をするにはあまり向いてない形式かもしれません。

貸借対照表:負債の部の勘定科目

ここからは貸借対照表の代表的な項目を説明していきたいと思います。特に財務分析に頻繁に登場する項目を中心に説明したいと思います。

まずは貸借対照表の右上にある「負債(ふさい)の部」です。英語では「Debt(デット)」と呼ばれます。

負債の部は、

  • 他人のお金

の金額が表示されている部分であり、

  • 他人からどれくらいお金を集めたか?

を知ることができます。

貸借対照表の負債の部

別名「他人資本(たにんしほん)」とも呼ばれる負債の部は、

  • 他人から借りているお金なので返す必要がある

のが特徴で、

  • 流動負債
  • 固定負債

に大きく分けることができます。

流動負債

流動負債は、

  • 1年以内に返す必要がある他人のお金

のことです。

1年以内と言っても、翌月支払ってしまうものもあれば、お金を返すのが1年先のものもあって色々です。

貸借対照表の流動負債

この流動負債で初心者の方に覚えてもらいたい科目は、

  • 買掛金:取引したけどまだお金を払っていない部分の金額
  • 短期借入金1年以内に返済が必要な借金の金額

の2つです。これらの他にも「支払手形」「未払利息」「未払法人税等」「預かり金」「その他の流動負債」といった項目も存在しています。

買掛金

買掛金(かいかけきん)は、

  • 取引されているにもかかわらず支払いがまだされてない状態のもの金額

のことです。

例えば、取引先から商品の仕入れてお店に納品してもらったけど、請求書の支払い期日がまだ先なのでお金を払っていないような場合が買掛金に分類されます。

このような商品は支払いが済んでいないので、

  • 取引先から商品の金額分のお金を一時的に借りているのと同じ状態

ということになります。

そのため取引先からの信用がなければ、「掛けで買う(あとでお金を払う)」ことはできません。

この買掛金が大きければ、お金が出ていくタイミングが遅くなるので、お金のやりくりに余裕が生まれます。ただし比較的早い段階で支払う必要があるので、手元にそれなりの現金がなければ危険にもなります。

短期借入金

短期借入金(たんきかりいれきん)とは、

  • 1年以内に返済する借入金(借金)の元金(元本)の金額

のことです。

お金を借りる先はほとんどの場合が銀行などの「金融機関」ですが、中小企業では資金繰りが苦しい場合に経営者などの「個人」から借りることもあります。

例えば、

  • 銀行から借りた1000万円を10年で返済する場合

には、

  • 毎年100万円の元金の返済

になります。

そのため、短期借入金には1年以内に返済する「100万円」が表示されます。そして残りの元金900万円は、次に説明する固定負債の「長期借入金」に表示されます。

補足

ちなみに、元金と一緒に支払う利子である「支払利息」は、貸借対照表(B/S)の「短期借入金」でも「長期借入金」でもなく、損益計算書(P/L)の「費用」の「営業外費用」として処理されます。

なぜ費用になるかというと、利子は他人から借りていたお金ではなく「お金を貸すというサービス」に対して支払うサービス料金のようなものだからです。

そしてこのような、利子の支払いが必要な負債のことを「有利子負債(ゆうりしふさい)」と呼んだりします。

固定負債

固定負債とは、

  • 1年以上先に返せばいい他人のお金

のことです。

固定負債はいずれは返す必要があるものの、翌年度以降に返せばいいので時間的な余裕があります。

貸借対照表の固定負債

この固定負債で初心者の方に覚えてもらいたい科目は、

  • 長期借入金:返済が1年以上先になる借金の金額
  • 社債「債権」を発行して不特定多数から借りたお金の金額

の2つです。これらの他にも「退職給付引当金」などといった項目も存在しています。

長期借入金

長期借入金(ちょうきかりいれきん)とは、

  • 1年以上先に返済すればいい残りの借入金(借金)の元金(元本)

ことです。

先ほど説明した「短期借入金」の残りの金額、と考えればわかりやすいかもしれません。つまり、短期借入金と長期借入金の金額を足し合わせれれば、借入金の合計金額になるということです。

例えば、

  • 銀行から借りた1000万円を10年で返済する場合

には、

  • 初年度に返済する100万円を除いた残り900万円の元金

が長期借入金になります。

もちろん返済が進めば、元金が減るので長期借入金もどんどん減っていきます。

  • 最初の年:短期借入金100万円、長期借入金900万円
  • 次の年:短期借入金100万円、長期借入金800万円
  • その次の年:短期借入金100万円、長期借入金700万円

といったイメージです。

事業が順調に成長していれば、借入をすることによってより大きな規模でビジネスを回せるようになります。そのため、借入をすること自体は悪いことではありません。

しかし注意しなければならないのは、

  • 貸借対照表に現れない利子(支払利息)の増加

です。

この「貸借対照表に現れない」というのは、利子は「損益計算書(P/L)」の方にしか出てこないという意味です。

費用として毎年支払う利子(支払利息)は、借入金の元金の大きさによって計算されるので、たくさんお金を借りると、毎年の利子の支払い金額も大きくなります。

利子の支払いは事業の儲けから差し引かれてしまうので、事業で利益が出ていたとしても、借金が多ければその利益が利子の支払いで消えてしまうかもしれません。

社債

社債(しゃさい)とは、会社が「債券(さいけん)」を発行して不特定多数の人や会社から借りているお金のことです。

会社は、他人のお金を借りる場合には一般的に「銀行から借りる」か「社債を発行する」ことになります。

銀行から借りる場合は、銀行に審査をしてもらって問題なければお金が振り込まれます。そのあとは返済の計画に沿って、利子と元金を毎月返済するようなイメージです。

一方で、社債を発行する場合は、会社が「債券」と呼ばれる有価証券を発行して、その債券を買ってくれる投資家を探します。

債券には、

  • 満期日
  • 利回り

などが設定されるので、債券を買ってもらうと、会社は満期日まで利子を支払います。これは銀行からお金を借りた場合と同じイメージです。

ただ銀行などからの借入と違うのは、

  • 満期日に借りたお金をまとめて返す

ということです。

この満期日は社債の発行から数年先に設定される(1年以内ではない)ため、「固定負債」に記載されます。

貸借対照表:純資産の部の勘定科目

次に貸借対照表の右下にある「純資産(じゅんしさん)の部」です。英語では「Equity(エクイティ)」と呼ばれます。

純資産の部は、

  • 自分たちのお金

の金額が表示されている部分であり、

  • 自分たちのお金はどれくらいあるのか?

を知ることができます。

ちなみにここでの「自分たちのお金」とは、

  • 株主が出資してくれたお金
  • その企業が商売で稼いだお金

のことを指します。

貸借対照表の純資産の部

別名「自己資本(じこしほん)」とも呼ばれる純資産の部は、

  • 自分たちのお金なので誰にも返す必要がない

のが特徴で、

  • 資本金
  • 資本剰余金
  • 利益剰余金

が代表的な項目になります。

補足

ちなみに昔は「純資産」ではなく「資本(しほん)」と呼ばれていました。

しかし2005年の会計基準で「純資産」が正式名称と定義されたため、以降は「純資産」や「純資産の部」という呼び方が定着しました。

資本金

資本金(しほんきん)とは、

  • 株主から払い込まれた商売を始めるための元手となるお金

のことです。

貸借対照表の資本金

株式会社であれば、会社を立ち上げるときに「株」を発行して、その代わりとしてお金を振り込みます。

お金を振り込んだ人には「株式」という権利が与えられて、「株主」と呼ばれるようになります。この株主こそが「会社のオーナー(所有者)」です。

この株主が入れてくれたお金の金額が表示されるのが、この「資本金」の項目になります。

多くの中小企業では会社を立ち上げる際に、

  • 創業者が貯めていたお金
  • 創業者の親戚や友人から集めたお金

などが資本金の元になります。

そういった場合には、

  • 資本金 = 社長のお金

ということになります。

このようなお金は、「借金(借り入れ)」ではなく「出資」であるため、持ち主に返す必要はありません

しかし、それだけではお金を出してくれた出資者にとってメリットがありませんよね。そのため、会社が儲かれば「配当金」としてお金を受け取ることができたり、会社が大きくなって上場して株を売ることができれば、株主は大きな利益を手に入れたりすることができます。

補足

株主は、必ずしも「」とは限りません。大きな会社が出資して小さな会社を作れば、「会社」が株主になります。

資本剰余金

資本剰余金(しほんじょうよきん)とは、

  • 資本金以外の商売の元手になるお金

のことで、

  • 株主から入れてもらったお金のうち「資本金」に入れなかったお金
  • 株主に配当をするために積み立てているお金

などが含まれていいます。

貸借対照表の資本剰余金

資本剰余金は、

  • 資本準備金
  • その他資本剰余金

などに分かれますが、財務分析に登場することはないので詳しい説明はまた別の機会に。

とりあえず、

  • 資本剰余金は資本金じゃないけど資本金みたいなもの

くらいのイメージで大丈夫です。

利益剰余金

利益剰余金(りえきじょうよきん)とは、

  • その会社が自分たちで稼いだお金

のことです。

貸借対照表の利益剰余金

上の図を見ていただくと、損益計算書の「当期純利益」から「利益剰余金」に矢印が伸びているのがわかると思います。

これはビジネスで得た利益が、利益剰余金の中の「繰越利益剰余金」という項目に累計されるからです。

つまり「繰越利益剰余金」は、

  • 設立日からその貸借対照表が作成された日までの利益累計額

を表していることになります。

黒字だった年は利益剰余金が増え、赤字だった年は利益剰余金が減ります。

ちなみに、利益剰余金が大きいと「会社が利益を溜め込んでいる!」「内部留保だ!」「給与で還元しろ!」などと言われることがありますが、同じ金額が現金で存在しているとは限りません

なぜなら、貸借対照表の右側は「お金をどう集めたか?」を表しているだけだからです。

今までの儲けは利益剰余金で確認できますが、その「お金がどんな状態なのか?」を知るためには、次に説明する貸借対照表の左側「資産の部」を読む必要があります。

貸借対照表:資産の部の勘定科目

ということで、ここからは「お金の状態」を表す「資産の部」の説明をします。

貸借対照表では右側全てが「資産の部」であり、英語では「Asset(アセット)」と呼びます。

貸借対照表の資産の部

先ほどの「負債の部」や「純資産の部」では、お金がどのようにして集められたかを知ることができました。

しかし商売をするためには、集めたお金で商売道具を買う必要もありますし、仕入れなどのために現金も用意しておく必要もあります。

このように、

  • 集めたお金は形を変えてしまう

ので、それぞれがどのようなものに変化して、どれくらいの金額に相当するか把握しておかなければなりません。

そのために「資産の部」が存在しています。

資産の部は、

  • 流動資産
  • 固定資産

の2つに大きく分けることができます。

流動資産

流動資産(りゅうどうしさん)とは、

  • お金、またはお金じゃなくてもすぐに換金できるもの

のことです。

貸借対照表の流動資産

この流動資産で初心者の方に覚えてもらいたい科目は、

  • 現金預金(現金及び預金):手元にある現金と銀行に預けているお金
  • 受取手形:期日にお金を支払うことが記載されている有価証券
  • 売掛金:取引したけどまだお金を受け取っていない部分の金額
  • 有価証券:売買目的で所有している株式や1年以内に満期になる債券
  • 棚卸資産:仕入れた商品の在庫や製造するための原材料など

です。この他にも「短期貸付金」「その他流動資産」といった項目も存在しています。

補足

流動資産には「貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)」というマイナスの項目が表示されているものもあります。

これは一定の割合で「お客さんがお金を支払ってくれない場合」や「取引先が支払いの前に倒産してしまう場合」などが起きることを想定して、初めからマイナスになりそうな金額を割り当てているものです。

そのため、例えば「売掛金」と売掛金の「貸倒引当金」の両方が表示されている場合は、売掛金から貸倒引当金を引いた金額を、正味の「売掛金」として計算します。

現金預金(現金及び預金)

現金預金(げんきんよきん)とは、

  • 現金:硬貨、貨幣、小切手、郵便為替など
  • 預金:普通預金、当座預金、定期預金など

を合わせた金額です。「現預金」や「現金及び預金」とも呼ばれます。

補足

定期預金でも、満期が1年以上先のもの(つまり、1年以内に換金できないもの)については、「固定資産」の「投資その他の資産」に分類されます。

商売をするためには必ず「現金」や「預金」が必要です。

仕入れをするためには現金預金で支払わなければいけませんし、消耗品なども現金預金を使って購入します。事務所や店舗の毎月の賃料も銀行口座から振り込んだりしますし、従業員の給与も銀行口座や現金で支払ったりすると思います。

そのため「負債の部」や「純資産の部」で調達したお金を全て設備などの商売道具に変えてしまわず、十分な量の現金預金を確保しておくことも必要です。

しかし現金預金は減るばかりではありません。商売が回ると、顧客から現金を受け取ったり代金を銀行口座に振り込んでもらったりするはずです。そうすると現金預金はどんどん増えます。

ちなみに現金を持ちすぎていても良いことばかりではないようです。

株主から見れば「現金を遊ばせずに投資して事業を拡大させろ!」と思うでしょうし、現金が少ない会社から見れば、その会社を買収することで現金が手に入るので「買収のターゲットとして良さそうだ」と思われるかもしれません。

受取手形

受取手形(うけとりてがた)とは、

  • 期日にお金を支払うことが記載されている有価証券

のことなんですが、もっとわかりやすく言えば、

  • 納品先がお金を払う期日とその金額を約束する証明書

のようなものだと思ってください。

例えばあなたの会社が取引先に商品を納めたとします。しかし取引先がすぐに支払えない場合は「手形(てがた)」と呼ばれる証券を発行します。

この手形には、

  • 誰が受け取るのか?
  • 金額はいくらか?
  • 期日はいつなのか?
  • 場所はどこで支払われるのか?
  • 誰が提出した手形なのか?

といった情報が記載されています。

あなたの取引先は、これらの情報にしたがって期日に支払いを行います。そして流動資産の「受取手形」には、まだ期日が来ていない手形の金額が表示されます。

もし手形をすぐに換金したい場合は、銀行などに買い取ってもらうこともできます。その場合は、買取のための手数料として、金額が割引かれて銀行から振り込まれます。

売掛金

売掛金(うりかけきん)とは、

  • 取引したけどまだお金を受け取っていない部分の金額

のことです。

日常的なほとんどの取引は、請求書に書かれている支払い期日までに取引先がお金を振り込んでくれます。そのため先ほどご紹介したような「手形」を取引先が発行することはありません。

例えばあなたの会社が取引先に商品を納品したら、その後に請求書を送ると思います。その請求書には「翌月末」や「◯月◯日」などといった支払期日が書かれていて、取引先はその期日までに支払いをしてくれるはずです。

しかし支払いがされるまでの間は、

  • 取引先に商品を納めたけどお金は払ってもらっていない

という状態です。

そういった場合にこの「売掛金」として記録します。

有価証券

有価証券(ゆうかしょうけん)とは、

  • 売買目的で所有している株式
  • 1年以内に満期になる社債などの債券

などの有価証券の金額を記載します。

棚卸資産

棚卸資産(たなおろししさん)とは、

  • 仕入れた商品の在庫や製造するための原材料など

のことです。

この棚卸資産は、

  • 商品及び製品:在庫している商品や製品
  • 仕掛品:まだ完成していない加工途中の製品
  • 原材料及び貯蔵品:加工されていない製品の原料

などと、さらに細かく分類されることもあります。また棚卸資産ではなく「商品」とだけ書かれる場合もあります。

これらの棚卸資産も、比較的早い段階で加工され、販売されて現金に変わります。そのため流動資産として分類されます。

固定資産

固定資産(こていしさん)とは、

  • 事業活動のために長期間使い続けることが前提の資産

のことです。

貸借対照表の固定資産

この固定資産で初心者の方に覚えてもらいたい科目は、

  • 有形固定資産:土地や設備など形がある資産
  • 無形固定資産:ソフトウェアや特許権などの形のない資産
  • 投資その他の資産:投資目的の有価証券や他社への長期的な貸付金

です。

ちなみに、有形固定資産や無形固定資産には、毎年目減りする価値を金額換算した「減価償却」という考え方があります。そのため固定資産の金額は毎年どんどん減っていきます

また減っていく価値は、損益計算書の費用である「減価償却費」として計算されるため、固定資産が多ければ多いほど利益が減っていくことになります。

有形固定資産

有形固定資産(ゆうけいこていしさん)とは、

  • 土地や設備など形がある資産

のことです。

この有形固定資産は、

  • 建物:事務所として会社が所有しているビルや工場などの建屋
  • 建設仮勘定:建設中の建物の手付金などすでに支払っているお金
  • 機械及び装置:工場や店舗の中に設置している設備や機械
  • 車両運搬具(しゃりょううんぱんぐ):トラックや営業車など
  • 工具、器具及び備品:工場や店舗などで使っている工具や器具など
  • 土地:駐車場や建物が立つ会社が所有している土地

などいろいろなものがありますが、ほとんどイメージ通りだと思います。

補足

上記の項目とセットで「減価償却費累計額」という項目が併記されていることがあります。

この「減価償却費累計額」というのは、

  • その資産を購入した日から現在までで目減りした価値

のことです。

そのため、例えば「建物」と一緒に建物の「減価償却費累計額」が表記されていれば、建物から減価償却費累計額を引いた金額が、正味の「建物」の価値になります。

無形固定資産

無形固定資産(むけいこていしさん)とは、

  • ソフトウェアや特許権などの形のない資産

のことです。

無形固定資産は、

  • ソフトウェア:購入した市販のソフトウェアや自社開発したシステムなど
  • 特許権:特許を登録するための費用や他社から買い取った特許の金額
  • のれん:他社を買収したときの買収額と総資産の差額

などに分けることができます。この他にも「電話加入権」や「借地権」などもあります。

これらの無形固定資産も、有形固定資産と同じように「減価償却費累計額」が表示されるものがあります。そのため、財務分析に使う数字を計算する場合には注意してください。

投資その他の資産

投資その他の資産(とうしそのたのしさん)とは、

  • 売買を目的としない有価証券や回収が1年以上先になる貸付金

などのことです。

さらに「投資その他の資産」は、

  • 投資有価証券:売買を目的としない投資のための株式など
  • 長期貸付金:他社に貸し付けたお金で回収が1年以上先のもの

に分けられます。

「売買目的じゃない有価証券なんてあるの?」と思う方がいるかもしれませんが、会社は付き合いで取引先の株式を買っていたり、グループ会社や関連会社の株を持っていたりします。

そういった株式は売買目的ではないので、すぐに売ってお金に変えたりすることは難しいのです。そのため流動資産の「有価証券」ではなく、固定資産の「投資その他の資産」の「投資有価証券」に分類されます。

また他社に貸し付けた資金で、回収が1年以上先になりそうなものは「長期貸付金」に分類します。負債の部にあった「長期借入金」の逆バージョンと考えてください。

貸借対照表のExcelテンプレート

貸借対照表作成用テンプレートは、こちらからダウンロードできます。登録不要でご利用いただけます(メールアドレスなど不要)。

貸借対照表作成用テンプレート(無料:エクセル形式)

    • 勘定式の貸借対照表(バランスチェック機能付き)
    • 貸借対照表の積み上げグラフ

が収録されています。

Excelで作った貸借対照表

勘定式の貸借対照表(バランスチェック機能付き)

Excelで作った勘定式の貸借対照表

こちらの貸借対照表の科目に金額を入力すれば、それぞれのグループごとに合計金額が自動で計算されます。

また、バランスチェック機能も付けているので、資産合計と負債純資産合計の数値が一致しなければ「NG」と赤字で表示されます。

貸借対照表のバランスチェック機能

借方貸方の残高が一致しない場合は「NG」と表示されます。

貸借対照表の積み上げグラフ

またこのエクセルテンプレートは貸借対照表の合計金額を表示するだけでなく、下記のような積み上げ式のグラフも生成されます。

Excelで作った貸借対照表の縮尺図

先ほどの勘定式の貸借対照表だけ眺めても、金額のボリューム感を掴むことができません。

しかし積み上げグラフで表現すれば、どの科目が大きいのか小さいのか一目瞭然になります。

ぜひ皆さんも、自分の会社や気になる会社の貸借対照表をこのスプレッドシートに入力して、資産のボリューム感を視覚的に確認してみてください。

「うちの会社は意外に現金持ってるな。」とか「競合のあの会社は固定資産がすごかった。」とか、新しい発見があるはずです。

関連書籍

【増補改訂】 財務3表一体理解法 (朝日新書)

【増補改訂】 財務3表一体理解法 (朝日新書)

國貞克則
902円(12/11 07:04時点)
発売日: 2016/10/13
Amazonの情報を掲載しています
ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる

ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる

國貞 克則
1,650円(12/11 07:04時点)
発売日: 2011/02/18
Amazonの情報を掲載しています
図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本

図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本

國貞 克則
1,430円(12/11 15:07時点)
発売日: 2014/08/29
Amazonの情報を掲載しています