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粗利率(売上高総利益率)の計算での出し方と目安となる産業別平均値

粗利率(売上高総利益率)

粗利率(売上高総利益率)は、

  • 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

で計算することができ(単位は%)、

  • 数値が高いほど儲けが大きい

と言えます。

売上総利益」は「損益計算書(P/L)」の勘定科目で、「売上高」から「売上原価」を差し引いた数字です。

粗利率(売上高総利益率)の計算での出し方

「売上総利益」は「粗利(あらり、そり)」とも呼ばれるため、「売上高総利益率」も「粗利率(あらりりつ)」と呼ばれます。

また英語では粗利(売上総利益)を「「Gross Margin(グロス・マージン)Gross Profit(グロス・プロフィット)」「Gross Income(グロス・インカム)」などと呼び、粗利率(売上高総利益率)のことを「Gross Margin Ratio(グロス・マージン・レシオ)」と呼びます。

もし粗利(売上総利益)がわからない場合は、

  • (売上高 ー 売上原価)÷ 売上高 × 100

という式でも計算することができます。

代表的な産業の平均的な粗利率(売上高総利益率)は、下記のようになります。(2018年中小企業実態基本調査の数値より筆者が計算。全11産業の完全版は後述。)

産業中分類粗利率
建設業21%
製造業22%
卸売業15%
小売業31%
宿泊業・飲食サービス業62%

粗利率(売上高総利益率)の財務分析結果としては、

  • 売上高がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン
  • 売上原価がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン
  • 粗利(売上総利益)がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン

の3つのパターンが考えられます。

そして粗利率が低い場合の対応策としては、

  • 値引やリベートをせずに売れる施策を行う
  • 原価を低減させる施策を行う

などが考えられます。

ここでは「売上高総利益率(粗利率)」とその財務分析の判断について、わかりやすく解説します。

粗利率の計算での出し方

冒頭でもご紹介したように粗利率(売上高総利益率)は、

  • 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

で計算することができます。

下図では、損益計算書の黄色い部分が「売上総利益(粗利)」で青色の部分が「売上高」になります。

粗利率(売上高総利益率)の計算での出し方

ちなみに「売上総利益」は売上高から売上原価を差し引いた数字でもあるため、

  • (売上高 ー 売上原価)÷ 売上高 × 100

という計算式でも求めることができます。

つまり、粗利率(売上高総利益率)は、

  • 売上高:その会社が本業とする事業から得た収益
  • 売上原価:本業で売上を得るために直接かかった費用

の2つがわかれば計算することができます。

「売上高」や「売上原価」についての詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。

また粗利率(売上高総利益率)と同様の、

  • 収益性の財務分析指標

として「営業利益率」や「経常利益率」などがあります。

計算例:売上と粗利がわかっている場合

売上と粗利(売上総利益)がわかっていれば、

  • 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

という式で粗利率を計算することができます。

  • 粗利:2000円
  • 売上:8000円

であれば、

  • 2000円 ÷ 8000円 × 100 = 25(%)

で、粗利率は 25 %ということがわかります。

計算例:原価と売上がわかっている場合

原価と売上がわかっていれば、

  • (売上高 ー 売上原価)÷ 売上高 × 100

という式で粗利率を計算することができます。

  • 仕入れ値:6000円
  • 売上:8000円

であれば、

  • (8000円 − 6000円)÷ 8000円 × 100 = 25(%)

で、粗利率は 25 %ということがわかります。

計算例:粗利率と原価から売値を決める場合

粗利率と売上原価がわかっていれば、

  • 売上原価 ÷(1 ー 粗利率)= 売上高

という式で売上高を計算することができます。

例えば、確保したい粗利率を元に、仕入れた商品をいくらで売るか値段を決めなければいけない場合に上記の計算式を使います。

  • 確保したい利益率:25%(0.25)
  • 商品の仕入れ値:6000円
  • 売るときの値段:?

という場合だと、

  • 6000円 ÷(1 − 0.25)= ? → 8000円

という計算になり、8000円で売ればいいことがわかります。

計算例:粗利率と売値から原価を逆算する場合

売上高と粗利率がわかっていれば、

  • 売上高 ×(1 ー 粗利率)= 売上原価

という式で売上原価を計算することができます。

例えば、ある商品の価格がすでに決まっていて、既定の粗利率を確保するために商品をいくらで仕入れなければならないか考える場合に上記の計算式を使います。

  • 売りたい値段:8000円
  • 確保したい利益率:25%(0.25)
  • 仕入れに使える金額:?

という場合だと、

  • 8000円 ×(1 − 0.25)= ? → 6000円

という計算になり、6000円以下で仕入れる必要があることがわかります。

粗利率(売上高総利益率)の目安となる産業別平均値

中小企業庁「中小企業実態基本調査」の数値で計算した、目安となる産業別の粗利率の平均値は以下の通りです。

産業中分類粗利率
建設業21%
製造業22%
情報通信業46%
運輸業・郵便業26%
卸売業15%
小売業31%
不動産業・物品賃貸業43%
学術研究・専門技術サービス業51%
宿泊業・飲食サービス業62%
生活関連サービス・娯楽業34%
サービス業(上記以外)40%
参考 中小企業実態基本調査 平成30年確報e-Stat 政府統計の総合窓口

粗利率が低くなってしまう要素としては、

  • モノ(原材料、在庫など)をたくさん取り扱う
  • 品質の違いを顧客が認識しにくい
  • 提供するものの希少性が低い

などが考えられます。

粗利率(売上高総利益率)の分析パターン

粗利率を分析した結果は、

  • 売上高がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン
  • 売上原価がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン
  • 粗利(売上総利益)がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン

という3つのパターンに分けることができます。

またそれぞれのパターンは、

  • 期間比較分析:今年度と前年度のように同じ長さの期間で比較する
  • 相互比較分析:自社と競合他社のように複数社間で比較する
  • 標準比較分析:自社と業界平均のように標準となる数値と比較する

などの分析方法から導かれます。

なお、ここでは「期間比較」と「相互比較」を中心に解説を行います。

補足

標準比較」の分析は、何を「標準」とするかを決めるのが非常に難しい分析方法です。

仮に「業界平均」を標準として比較をしようとしても、

  • 上位の企業が平均値を引き揚げてしまい参考にならないことがある
  • 業績が二極化するような業界では「平均的」な企業が存在しない場合がある
  • 同じ業界内でもビジネスモデルが異なると平均をとる意味がない
  • どこまでの範囲を「業界」に含めるかのさじ加減で平均値が変わってしまう

などといった理由で「平均値」が使い物にならないことがあります。

そのため「標準比較」を行う場合には、上記の点に気をつける必要があります。

売上高がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン

売上高が同じであれば、

  • 売上原価が大きい → 売上総利益(粗利)が小さくなる → 売上高総利益率が低い
  • 売上原価が小さい → 売上総利益(粗利)が大きくなる → 売上高総利益率が高い

ということになります。

粗利率:売上高がほぼ同じ場合

売上高が同じ場合には、売上原価の割合の差によって売上高総利益率(粗利率)に違いが生まれます。

売上原価がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン

売上原価が同じであれば、

  • 売上高が小さい → 売上総利益(粗利)も小さくなる → 売上高総利益率が低い
  • 売上高が大きい → 売上総利益(粗利)も大きくなる → 売上高総利益率が高い

ということになります。

粗利率:売上原価がほぼ同じ場合

かかるコスト(売上原価)が同じ場合には、売上規模の差によって売上高総利益率(粗利率)に違いが生まれます。

粗利(売上総利益)がほぼ同じなのに粗利率に差が出るパターン

粗利(売上総利益)が同じであれば、

  • 売上高が大きい → 売上原価も大きくなる → 売上高総利益率が低い
  • 売上高が小さい → 売上原価も小さくなる → 売上高総利益率が高い

ということになります。

粗利率:売上総利益がほぼ同じ場合

売上総利益(粗利)が同じであれば、売上規模の差によって売上高総利益率(粗利率)に違いが生まれます。

粗利率(売上高総利益率)の期間比較

期間比較による粗利率(売上高総利益率)の分析は、

  • 1年で比較:前年度 対 今年度 など
  • 半期で比較:前年度前半期 対 今年度後半期 など
  • 四半期で比較:前年度第一四半期 対 今年度第一四半期 など

というように時間軸を変えて数値を比較します。

ここでは例として、

  • 自社の財務諸表を前年度と今年度で比較した場合

で説明します。

売上高が横ばいなのに粗利率が改善(or 悪化)した場合

売上高が前年度とほとんど変わらないのに、売上高総利益率(粗利率)が高くなっていた場合は、

  • 原材料のコストが下がった
  • 生産効率が高まった
  • 粗利率の高い製品の販売を中心に行った

などの原因が考えられます。

売上高が同じで粗利率が高い場合

逆に、売上高総利益率(粗利率)が低くなっていた場合は、

  • 原材料のコストが上がった
  • 作り慣れていない製品を生産し始めた
  • 利益率の低い製品が増えてきた

などが考えられます。

売上高が同じで粗利率が低い場合

このような売上原価の変化による売上高総利益率(粗利率)の変化は、

  • 外部要因と内部要因に切り分ける

ことがポイントです。

原材料のコストが変化するケースとしては、

  • 仕入れ先を変えた
  • 内製するものと外注するものに変化があった
  • 税制や関税などが大きく変わった
  • 輸入原材料が為替の影響を受けた
  • 原材料の安価な生産手法が確立された
  • 原材料に安価な代替品が見つかった

などがあります。これらのケースは外部要因が大きく影響します。

生産効率が変化するケースとしては、

  • 経験曲線効果が生まれることで生産効率が高まった
  • 新しい生産方法を導入して現場で試行錯誤している
  • 生産設備の老朽化によって不良品が増えた
  • 新しい生産設備を導入して工程が短縮された
  • 新しい生産設備の導入で減価償却費が増えた
  • 製品設計の変更で生産プロセスが変わった

などがあります。これらのケースは内部要因による影響が大きいかもしれません。

製品やサービスの利益率が影響するケースとしては、

  • 売上原価の安い(or高い)製品がたくさん売れるようになった
  • 売上原価の安い(or高い)製品のラインナップが増えた

などがあります。これらのケースは内部と外部の両方の要因の影響が考えられます。

売上原価が変わらないのに粗利率が改善(or 悪化)した場合

売上原価が前年度とほとんど変わらないのに、売上高総利益率(粗利率)が高くなっていた場合は、

  • 値引やリベートをしなくても売れるようになった
  • 不良品や廃棄が少なくなった
  • ブランド力や機能の違いによって価格を上げることができた

などの原因が考えられます。

売上原価が同じで粗利率が高い場合

逆に、売上高総利益率(粗利率)が低くなっていた場合は、

  • 値引やリベートをしないと売れなくなった
  • 不良品や廃棄が増えている
  • 価格以外の競争力が無く価格競争に巻き込まれた

ことなどが考えられます。

売上原価が同じで粗利率が低い場合

ちなみに「値引(ねびき)」「割引(わりびき)」「割戻(わりもどし、リベート、ボリュームディスカウント)」といった似た言葉には、

  • 値引:質に対して値段を安くする 例)外箱に一部汚れがあるので安くする
  • 割引:支払いの早さで安くする 例)納品時に現金払いだと安くする
  • 割戻:量に対して値段を安くする 例)たくさん買ってくれるので安くする

といった違いがあります。

この中でも「値引(ねびき:質に対してのディスカウント)」と「割戻(わりもどし:量に対してのディスカウント)」の2つについては、

  • 売上高から差し引く

といった会計処理を行います。

そのため「値引」や「リベート(割戻)」をしなければ売れないという状況になると、売上原価が変わらないまま売上高だけが減ってしまうのです。その結果、粗利率(売上高総利益率)は低下してしまいます。

同様に、不良品や廃棄する製品が増えれば、原材料の使う量が同じでも実際に売れるものが減ってしまうので、売上高が少なくなります。そして粗利率(売上高総利益率)が低下します。

また価格競争も粗利率(売上高総利益率)を低下させる要因です。海外から安価な製品が輸入されたり、競合他社が値下げ攻勢をかけてきた場合には、ブランド力や機能などの価格以外の差別化要因がなければ価格を維持することが難しくなります。

粗利が変わらないのに粗利率が改善(or 悪化)した場合

売上総利益(粗利)が前年度とほとんど変わらないのに、売上高総利益率(粗利率)が高くなっていた場合は、

  • 粗利率の低い製品やサービスの販売をやめた
  • 市場縮小に対してコスト競争力で対応した
  • 値引やリベートが必要な製品の取り扱いをやめた

などの原因が考えられます。

粗利が同じで粗利率が高い場合

逆に、売上高総利益率(粗利率)が低くなっていた場合は、

  • 粗利率の低い製品やサービスの取り扱いが増えている
  • 売上が拡大しているが生産体制が追いついていない
  • 値引やリベートを駆使して売上を拡大させている

ことなどが考えられます。

粗利が同じで粗利率が低い場合

粗利率の低い製品やサービスの存在は、デメリットだけでなくメリットもあります。

例えば粗利率(売上高総利益率)の低い、いわゆる「薄利多売(はくりたばい)」な製品やサービスは、数多く売らなければ利益を確保することができません。そのため、販売量が落ち込んでしまうと経営が苦しくなります。

しかし、粗利率の低い製品をうまく利用することで、経営にプラスの効果をもたらすこともできます。

例えば回転寿司などの飲食店では、マグロなどの粗利率の低い(つまり、価格に占める原価の割合が高い)お得な商品も提供することで、来客を促す効果があります。また一般的な小売店でも、定期的に赤字覚悟の目玉商品を用意することで、来客数の増加による売上高の向上を図ります。そのため、粗利率が低くても一概に「悪い」とは言えないのです。

企業の成長期や市場の縮小局面では、コスト競争力の影響で売上が変化しているにもかかわらず、粗利のボリュームがあまり変化しないことも起こります。

例えば縮小市場に対してコスト競争力で対応できた場合は、粗利のボリュームがあまり変わらず売上高だけが縮小することがあります。逆に成長局面では、売上と市場シェアの拡大傾向を維持するために、売上原価を気にせずに製品やサービスを提供することがあります。このような場合には、売上高も売上原価も膨らんでしまい粗利率はほとんど成長しないかもしれません。

値引やリベートが必要な製品やサービスを積極的に取り扱うかどうかによっても、粗利率を維持したままの売上の拡大や縮小が起こります。

例えば値引やリベートが必要な製品の販売をやめてしまえば、売上とその原価がなくなる代わりに粗利率は改善するので、粗利のボリュームが維持できるかもしれません。逆に値引やリベートが必要な製品の取扱量を追加すれば、全体的な売上は伸びるかもしれませんが、粗利率が下がるので粗利のボリュームはあまり変化しないかもしれません。

粗利率(売上高総利益率)の相互比較

相互比較による粗利率(売上高総利益率)の分析は、

  • 競合他社との比較:同じ業界・規模・業態の競合他社との比較
  • ベンチマーキング:同じ業界の優良企業やトップ企業との比較
  • ビジネスモデル比較:同じ業界でビジネスモデルの異なる他社との比較

というように比較対象を変えて数値を比較します。

ここでは例として、

  • 同業界で同業態の競合他社との比較

で説明します。

競合他社の財務データの入手方法については、こちらの記事をご覧ください。

競合と売上規模が同じなのに粗利率が良い(or 悪い)場合

売上規模は競合他社と変わらないのに、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が高い場合は、

  • 競合他社よりも原材料の調達能力が高い
  • 競合他社よりも生産効率が高い
  • 競合他社よりも粗利率の高い製品を取り扱っている

などの原因が考えられます。

売上高が同じで粗利率が高い場合

逆に、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が低い場合は、

  • 競合他社よりも原材料の調達能力が低い
  • 競合他社よりも生産効率が低い
  • 競合他社よりも粗利率の低い製品を取り扱っている

ことなどが考えられます。

売上高が同じで粗利率が低い場合

このように競合他社と売上高が同じ規模でも、粗利率(売上高総利益率)が違うのは、ほとんどが内部的な要因が理由になります。

特に、

  • 安くて品質の良い原材料を手に入れる
  • 原材料を効率的に利用して製品を生産する
  • 粗利率の高い製品やサービスを取り扱う

といった内部的な経営努力で、競合他社に差をつけることができます。

競合と売上原価は同じなのに粗利率が良い(or 悪い)場合

売上原価のボリュームは競合他社とほとんど変わらないのに、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が高い場合は、

  • 競合他社よりも値引やリベートに頼っていない
  • ブランド力や機能の違いによって高い価格を維持できている

などの原因が考えられます。

売上原価が同じで粗利率が高い場合

逆に、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が低い場合は、

  • 競合他社よりも値引やリベートに頼っている
  • 価格以外の競争力が無く価格勝負になっている

ことなどが考えられます。

売上原価が同じで粗利率が低い場合

値引やリベートをすると会計上は売上から差し引かれてしまうので、同じ量(同じ売上原価)を売ったとしても売り上げに差が出てしまいます。

ブランド力や機能面での差別化ができていなければ、価格で差別化することしかできず、結果的に値引やリベートに依存する経営体質になってしまうかもしれません。

このような状況が顕著に現れる例としては、「ブランド品メーカー」と「下請けメーカー」です。

これらの会社が同じ品質の革のバッグを作って売ったとしたら、ブランド力を持っているブランド品メーカーの方が製品を高く売ることができます。

もちろんブランド品メーカーは、そのブランド力を維持するための販売促進活動に大きな投資を行っています。しかし、販促活動のコストは売上原価ではないため、粗利率(売上高総利益率)に大きな差として現れます。

競合と売上総利益が同じなのに粗利率が良い(or 悪い)場合

売上総利益(粗利)のボリュームは競合他社とほとんど変わらないのに、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が高い場合は、

  • 競合他社よりも粗利率の高い製品やサービスの販売に絞っている
  • 競合他社よりも値引やリベートの必要のない製品やサービスの販売に絞っている

などの原因が考えられます。

粗利が同じで粗利率が高い場合

逆に、競合他社よりも売上高総利益率(粗利率)が低い場合は、

  • 競合他社のラインナップに加えて粗利率の低い製品やサービスを販売している
  • 競合他社のラインナップに加えて値引やリベートが必要な製品やサービスを取り扱っている

ことなどが考えられます。

粗利が同じで粗利率が低い場合

競合他社と同じ粗利のボリュームでも売上高に差が出るのは、

  • 粗利率の低い製品やサービス
  • 値引やリベートの取り扱い

が異なる可能性があるので、競合他社の調査を行うことが重要になります。

粗利率の低い製品やサービスがあるということは、単に非効率な販売を行っていることもあります。しかし、売上原価の低減を後回しにしながら、新たな市場を開拓している可能性もあります。

また値引やリベートも、品質が十分に向上するまでの間や、製品やサービスの認知度が高まるまでの間、効果的に利用しながら市場シェアを伸ばしている可能性もあります。

そのため、粗利(売上高総利益率)に差がないのに、売上高の差が開いてきていれば、競合他社の動きに注意する必要があります。

粗利率(売上高総利益率)まとめ

以下は、ここまで説明した内容を簡単にまとめたものです。

売上と粗利から粗利率を計算する方法は?

売上高と、その売上から得られた粗利(売上総利益)がわかっている場合には、

  • 粗利 ÷ 売上高 × 100

という式で粗利率を計算することができます。単位は「%」になります。

例えば、損益計算書が手元にあって「売上高 8000万円」と「売上総利益 2000万円」ということがわかっている場合、

  • 2000万円 ÷ 8000万円 × 100 = 25(%)

という計算になり、粗利率が 25%ということがわかります。

粗利率と仕入れ値から売値を決める方法は?

確保したい粗利率を元に、仕入れた商品をいくらで売るか値段を決めなければいけない場合には、

  • 仕入れ値 ÷(1 ー 粗利率)= 売値

という式で売値を計算することができます。

例えば、6000円で仕入れた商品を 25%(0.25)の粗利率で売らなければいけない場合、

  • 6000円 ÷(1 − 0.25)= 8000円

という計算になり、8000円で売ればいいことがわかります。

粗利率と売値から仕入れ値を計算する方法は?

ある商品の価格がすでに決まっていて、既定の粗利率を確保するために商品をいくらで仕入れなければならないか考える場合には、

  • 売上高 ×(1 ー 粗利率)= 仕入れ値

という式で売上原価(仕入れ値)を計算することができます。

例えば、8000円で売ろうとしている商品を 25%(0.25)の粗利率を確保しながら仕入れる場合、

  • 8000円 ×(1 − 0.25)= 6000円

という計算になり、6000円以下で仕入れたらいいことがわかります。

粗利率の目安となる平均値はどれくらい?

粗利率(売上高総利益率)の計算式は、

  • 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

で、粗利率の数値が高いほど、「儲けが大きい」「原価率が低い」ことになります。

代表的な産業の粗利率は以下のとおりです。

  • 建設業:21%
  • 製造業:22%
  • 卸売業:15%
  • 小売業:31%
  • 宿泊業・飲食サービス業:62%

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