ポイント1:食品販売で顧客の利便性を高める
「ボスマート」は前回の記事でご紹介した「社長のおごり自販機」と同様に、法人顧客をターゲットとしたサービスになります。
サントリーは法人向けに「法人専用サービス自販機」というラインナップを展開していて、「ボスマート」や「社長のおごり自販機」の他にも様々なタイプの自販機関連サービスが提供されています。
さて、なぜ法人向けのサービスを充実させているかというと、現在の自販機市場の主戦場が屋内(in-location、インロケ)になっているからであり、競合他社に対して競争優位に立つために付加価値を高めることが必要だからです。
そこで「ボスマート」では、飲料だけでなく食品も自販機で売ってしまおう、ということに挑戦されています。
それをビジネスモデル図解したものがこちら。
通常の自販機のビジネスモデルに、
- 食品を販売する
という流れを加えることによって、オフィス内のユーザーの利便性を高めるという価値を提供します。
だいぞう
自販機の横に食べ物が置いてあると、小腹が空いている時にすぐに買えて便利そうですね。
そうなんです。
競合するコンビニに対して、自販機が有利な点はその近さです。コンビニに移動する時間を面倒と感じている方に対して、「徒歩0分マーケット」というコピーで訴求しています。
サントリー 森さん
自社ビルや工場で働く方は、最寄りのコンビニまでの移動でもそれなりに時間が必要だったりします。また都心のオフィスビルであっても、高層階に入居する会社などはエレベーター待ちなどに時間が取られます。
そのため、移動時間を節約できる点において、ボスマートはコンビニには無い利便性を提供しています。
だいぞう
2022年3月のサービスリリース時には、すでに8,000台が先行導入されているということでした。
新サービスをスムーズに受け入れてくれる法人さんが多いんでしょうか?
お客様の抵抗が少なくなるような営業トークを心がけていますよ。
「新しい自販機は、パンも買えるようになったんですけど、機械の中に入らないので横に置いときますね!」みたいな感じです。
サントリー 森さん
だいぞう
それは面白い。事実ですもんね。
お客様も「そりゃパンは中に入らないよな」と納得して、スムーズに導入を検討いただけてます。
新しいものを提案されている感じがしない、ということが重要なんです。
サントリー 森さん
ちなみにこの記事の執筆時点では、全国で11,000台以上も導入されています。
このように全国で導入が進み、飲料だけでなく食品の販売も売り上げに貢献するようになりました。
しかし、ボスマートの効果は食品分の売り上げ増加だけにとどまりません。