二項対立によるMECEの切り口
二項対立の切り口では、
- 互いに反する概念で2つに分ける
ことで、MECEを実現することができます。
この二項対立を使ったMECEの切り口では、項目が2つしか登場しないため比較的簡単に使うことができます。
例えば、
- A vs A以外
- A vs 反A
などが該当します。
この二項対立のMECEは、
- 「それ」と「それ以外」を足し合わせるとモレがない
- 全体から特定のものを抜き出しているのでダブらない
ことになります。
コンビニを例として「来店客」を二項対立の切り口でMECEすると、
- 過去に来店したことがある客 vs それ以外の客
- 目的があって来店した客 vs 何も目的がなく来店した客
などが考えられます。
このMECEの切り口をうまく使うコツとしては、
- かならず反対の定義を挙げる
ということです。
例えば、
- 目的があって来店した客 vs たまたま立ち寄った客
としてしまうと、一見問題がないように見えてもMECEに失敗しています。
なぜかというと、
- 目的があってたまたま立ち寄った客
というダブりが存在するからです。
このように完全に反対の事柄を設定しなければ、モレやダブりが生じてしまうかもしれません。
分割によるMECEの切り口
分割の切り口では、
- 全体を境界線で3つ以上に分割する
ことで、MECEを実現することができます。
この分割によるMECEの切り口は、先ほどの二項対立の発展系とも言えます。また類似性によるMECEとも似ていますが、こちらは初めから共通した特徴を持っていることが違います。
例えば、
- 地域の分割
- 空間の分割
- 部品の分割
などがイメージしやすいかもしれません。
この分割の切り口は、
- 全体を分割するだけなのでモレがない
- 境界によって分割されるのでダブりがない
ことになります。
コンビニを例として「出店エリア」を分割の切り口でMECEすると、
- 北海道
- 東北
- 関東
- 中部
- 近畿
- 中国
- 四国
- 九州沖縄
という八地方区分などが考えられます。他にも都道府県で分けてもMECEになります。
またコンビニの店内の売り場も、
- レジ横
- 雑誌・書籍棚
- ベーカリー棚…
などなど、空間をエリアごとに個別の名前をつけて分割することもできます。
さらに、一体となっているものを部品や部分で分けることも考えられます。
コンビニのレジにあるレジスターなら、
- 客側モニター
- 店員側モニター
- ハンディスキャナー
- ICカードリーダー
- 自動釣銭機
- レシートプリンター…
などなど、パーツに分けた切り口で、故障率や設備コストの分析ができるかもしれません。
このように全体を切り分けるタイプのMECEでは、モレることが少なく、分割できればダブることも起きにくくなります。