ロジカルシンキングのフレームワーク
ロジカルシンキングでは、フレームワークを使うことで様々な出来事を上手に効率よく整理することができるようになります。
その中でも特に身に付けておきたいのが、
- ピラミッドストラクチャー:情報を整理するためのピラミッド構造
- ロジックツリー:問題解決に特化したピラミッドストラクチャー
- MECE(ミーシー):モレなくダブりなく情報を分類する手法
の3つのフレームワークです。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、アメリカの経営コンサルタントであるバーバラ・ミント氏の1973年の著書「The Minto Pyramid Principle(ミントのピラミッド原則)」で広まった考え方で、誰にでも伝わりやすい報告書の書き方を体系化したものです。
ピラミッドストラクチャーを使えば、下図のように相手に伝えたい情報を視覚的に構造化することができます。
この「情報の構造化」がロジカルシンキングにとっても非常に重要であり、美しく構造化された情報は「筋の通った結論」を導くことになります。
また、情報でピラミッドを作り上げる過程そのものが「ロジカルシンキング(論理的思考)」であるとも言えます。
ロジックツリー
ロジックツリーは、先ほど紹介したピラミッドストラクチャーを問題解決に特化させたものです。
ロジカルシンキングでは「結論」が「解決案」になることも少なくありません。そんな時に役立つのがロジックツリーであり、解決案の具体性を深め、選択肢の幅を広げることができます。
ロジックツリーでは上記のように、左側に大まかな解決案が設定され、右に枝分かれするほど選択肢の幅が広がっていく構造になります。
MECE(ミーシー、モレなくダブりなく)
MECEとは、情報が「モレなくダブりなく」という状態を満たしていることを指す言葉です。
このMECE(ミーシー)も「The Minto Pyramid Principle(ミントのピラミッド原則)」に登場する考え方であり、ピラミッドストラクチャーやロジックツリーの構造をグループ化するために使うフレームワークになります。
このMECEの切り口には、
- 因果関係:同じ結果をもたらす複数の原因を探す
- 類似性:共通の特徴を見つけてグループ化する
- 二項対立:互いに反する概念で2つに分ける
- 分割:全体を境界線で3つ以上に分割する
- 尺度:直線上に並んでいるものを任意の点で区切る
- プロセス:物事が起きる一連の流れを見つける
- 因数分解:出来事を掛け算の数式に変換する
の7つのタイプが存在しているので、情報の特性に合わせて使い分けてみてください。
より詳しい情報については、下記の記事もご覧ください。
ロジカルシンキングの本:おすすめ7選
いちばんのオススメが、ミント氏の著書「考える技術・書く技術」のシリーズです。
ロジカルシンキングの解説本は星の数ほど存在していますが、ほぼ全ての本がこの1978年に出版されたミント氏の著書を意識した内容になっているほど影響力があるシリーズです。
発売されてからかなりの年月が過ぎていますが、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの分野では、今でも売れ続けるロングセラーとなっています。
このシリーズは入門書やワークブックなどもあって充実しているので、手元において一通りやってみるのがロジカルシンキングを習得する近道だと思います。
またグロービス経営大学院が出している「クリティカル・シンキング」のシリーズも人気があります。
グロービス経営大学院のクリティカルシンキングの授業は看板授業の一つで、力を入れているカリキュラムです。そのためクリティカルシンキングの書籍も、内容が比較的実践的であり、ビジネスの場面で役に立つ内容が多い印象です。
とりあえず上記に挙げた本が手元にあれば、ロジカルシンキングの知識については十分かと思います。あとは日常のビジネスシーンで、どんどん使って実践あるのみです。