だいぞう
B2B市場とは、
- 製品やサービスを生産するために事業者の間で行われる売買取引の市場
のことで、B2B(ビー・トゥ・ビー)は「Business to Business」を略したものです。
B2B市場には、
- 少数の大規模な購買者
- 供給業者と顧客の密接な関係
- 専門的購買
- 複数の購買影響者
- 複数回に及ぶ営業訪問
- 派生需要
- 非弾力的需要
- 変動需要
- 購買者の地理的な集中
- 直接購買
という10の特徴が存在しています。(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p60 参照)
ここではB2B市場の特徴について、わかりやすく説明します。
B2B市場とは?
B2B市場とは、「Business to Business(ビジネス・トゥ・ビジネス)市場」の略であり、製品やサービスを提供するために、様々なものを事業者同士が売買し合うビジネス向けの消費市場のことです。「BtoB市場」や「ビジネス市場」などとも呼ばれます。
これに対して、企業ではない一般の消費者が店舗やネットで製品やサービスの提供をうける市場を、「消費者市場」または「B2C(ビー・トゥ・シー)市場」と呼びます。これは「Business to Consumer(ビジネス・トゥ・コンシューマー)市場」の略であり、文字通り「Business(事業者)」から「Consumer(消費者)」に製品やサービスが提供される市場のことです。
事業者同士が直接的に商取引を行うB2B市場は、一般消費者を相手とするB2C市場とは大きく違います。
そしてその違いは、
- サプライチェーン
- ファイブフォース分析
の2つのビジネス用語を知っておくと理解しやすくなります。
B2B市場とサプライチェーン
サプライチェーンとは、
- 原材料が加工を経て顧客の手に渡るまでの供給の一連の流れ
のことです。供給連鎖とも呼ばれ、文字通りサプライヤー(供給業者)がチェーン(連鎖、数珠つなぎ)になっている状態です。
B2B市場は、このサプライチェーンで事業者と事業者をつなぐ矢印の間に存在しています。そして最終顧客が事業者ではなく一般消費者だった場合に、その部分だけは「B2C市場」ということになります。
上の図では、加工業者が1次原料を複数の供給業者が仕入れています。この複数の1次原料の供給業者はB2B市場に自分たちの製品を提供し、お互いに競い合い、加工業者という顧客を奪い合います。これが1次原料の供給業者にとっての「B2B市場」になります。
そのほかも同様に、2次原料の供給業者にとってのB2B市場では1次原料の供給事業者を顧客として製品の提供を行います。そして卸売業者は複数の加工業者が製品を提供するB2B市場から商品を調達します。
このようにB2B市場が連鎖しているのがサプライチェーンであり、
- B2B市場は別のB2B市場の状況が大きく影響する
ことが分かります。
B2B市場とファイブフォース分析
ファイブフォース分析とは、
- 新規参入業者
- 代替品
- 顧客(買い手)
- 供給業者(売り手)
- 既存企業
の、5つの競争要因から生まれる競争圧力を分析することで、その業界がどれくらい魅力的なのか(儲けやすいか)を知るための分析手法です。
上の図でB2B市場を表しているのは、
- 供給業者から出る矢印
- 顧客から出る矢印
の2つです。
供給業者から出る矢印は「自社が買い手となるB2B市場」であり、顧客から出る矢印は「自社が売り手となるB2B市場」または「B2C市場」を表します。
これらは先ほど説明した「サプライチェーンのB2B市場」と同じものですが、
- 製品の価格(顧客に対する値段)
- 製品のコスト(原料調達の費用)
に対して競争圧力が働きます。
例えばB2B市場に供給業者がたくさん存在していたら、供給される原料の品質や種類の幅が広がるので、買い手側の製品の価値が高まる原料を選ぶことができ、最終的に製品の価格を引き上げることができるかもしれません。また、多くの供給業者が競争することによって、原料の価格が引き下げられ、買い手の製品のコストが下がるかもしれません。
逆にB2B市場の供給業者が少なければ、原料の種類が限られることで製品の価値を高めることができなくなったり、価格交渉が難しくなって原料の調達コストが上がってしまうかもしれません。
そしてこれらのことは、自分たちが売り手としても買い手としても起きることです。
このように、B2B市場の存在を競争圧力が発生する要因として考えれば、その市場がどれだけ魅力的なのか考えることもできます。