AIDMA(アイドマ)の法則はもう古い?最新AISASまでの進化と違いを解説

AIDMA AISAS AIDA

だいぞう

AIDMA(アイドマ)の法則とは、

  1. Attention(注意)
  2. Interest(関心)
  3. Desire(欲求)
  4. Memory(記憶)
  5. Action(行動)

の5つの段階で表現される、100年ほど前に生まれた広告の影響階層モデル(広告反応モデル)であり、

  • 広告という刺激に対して消費者がどう反応するか

を表したものになります。

AIDMAの法則は、購買意思決定プロセス(購買決定プロセス)として紹介されることもありますが、まったくの別物なのでご注意ください。2つの違いについては以下のページにまとめていますのでご覧ください。

AIDMAに似たような用語としてAIDA(アイーダ)やAISAS(アイサス)などがありますが、

  • AIDA:1880年代後半から広告分野で発展した影響階層モデルの基本
  • AIDMA:1924年に生まれたMemoryを加えたAIDAモデルの派生
  • AISAS:2005年に電通が商標登録したインターネット時代AIDAモデルの派生

といった違いがあり、AIDMAもAISASもAIDAモデルの考え方がベースになっています。

ここではAIDMAの法則をはじめとして、AIDAモデルや電通のAISASについても、わかりやすく解説します。

AIDMAの法則とは?

AIDMA(アイドマ)の法則とは、

  1. Attention(注意):消費者が製品やサービスの存在に気づく
  2. Interest(関心):消費者が製品やサービスを気になりはじめる
  3. Desire(欲求):消費者が製品やサービスを欲しくなる
  4. Memory(記憶):消費者が製品やサービスのことを思い出す
  5. Action(行動):消費者が製品やサービスに対して行動する

という5つのフェーズで表現される、広告に対する消費者の反応を表した階層モデルのことです。

AIDMAの法則

このAIDMAの法則は、1924年にサミュエル・ローランド・ホール(Samuel Roland Hall)氏によって書かれた「Retail advertising and selling(小売の広告と販売)」で紹介された消費者の広告反応モデルです。

100年ほど前の書籍なので書店などで見つけることは困難ですが、学術情報ナビゲータ「CiNee(サイニィ)」によると複数の大学図書館に所蔵されているようです。


参考
CiNii 図書 – Retail advertising and sellingCiNii

ちなみにAIDMAの法則は、1880年代後半に発展したAIDA(アイーダ)モデルから派生したもので、AIDAに「Memory(記憶)」が加えられたものです。(AIDAモデルについては後述します。)

Attention(注意):消費者が製品やサービスの存在に気づく

Attention(アテンション、注意)のフェーズでは、

  • 状態の変化:知らない → 知っている
  • 広告の役割:製品やサービスを認知させる
  • アプローチ:消費者への露出回数を高める

ということが必要で、

  • 何も知らない消費者に製品やサービスの存在を知らせること

が広告の目的です。

Attention(注意):消費者が製品やサービスの存在に気づく

まず消費者は、どんな製品やサービスであっても「まったく何も知らない」という状態からスタートします。その状態から、売り手は広告を通して製品やサービスを認知させ「知っている」という状態に変化させる必要があります。

ここでの広告の役割は「製品やサービスを認知させるための手段」であり、消費者に対して製品やサービスの情報を数多く露出させることで実現します。

例えば、

  • 何度もテレビコマーシャルを流す
  • インターネット広告を何度も表示させる
  • イベントを開催して人目を引く
  • 商圏一帯にチラシを巻く
  • ダイレクトメールを送付する
  • プレスリリースを流す
  • メディアに取材を依頼する

などなど、様々な方法を使って消費者に製品やサービスの認知を促します。

ここで気をつけなければならないのは、消費者の「選択的注意」です。

選択的注意とは、

  • 人はすべての情報を処理できないため特定の刺激にだけ選択的に注意を向ける

という知覚プロセスのことで、消費者は晒された情報のほんの一部にしか注意を向けないという事実があります。

例えば、消費者の目に四六時中入ってくるように闇雲に広告を打ったとしても、その広告を見る気がない消費者にはまったく気にも留めないかもしれません。

しかし、

  • 人は現在のニーズに関係のある刺激に反応する
  • 人は予想していた刺激に反応する
  • 人は通常よりも刺激の強いものに反応する

という研究結果が存在しています。

そのため、売り手が効率的に消費者の注意を惹くためには、

  • ターゲットを明確にする
  • 消費者のニーズに沿った形で広告を企画する
  • 他社の広告に埋もれないように工夫をする

といった必要があります。(ただし、ニーズに関しては次の「Interest(関心)」のフェーズが中心になります。)

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