システム思考とは?ループ図を使った事例でわかりやすく解説【初心者向け】

システム思考

だいぞう

システム思考とは、

  • すべての出来事は互いに影響を与え合っている

と認識して、さまざまな技法を使いながら事象を体系的にとらえる考え方のことです。

ここではシステム思考をビジネスに活用する方法についてご紹介しますが、まずは初めて「システム思考」という言葉を知った方向けに基礎知識から。

システム思考とは?

システム思考(System Thinking:システム・シンキング)の歴史は古く、1940年代ごろに生物や自然の仕組みを理解するために生まれたのがルーツだと言われています。

人々は自分たちの世界を理解する上で、

  • 「生き物はお互いに影響し合っているのでは?」
  • 「気候の変化にはどんなことが影響してるのだろうか?」

などと考えるようになり、個別の研究を進めるだけでなく、複数の物事の相互作用も解き明かそうとするようになりました。

つまり「物事はそのもの自体だけでは完結しない」という考えが発展していったわけです。

そして世界大戦の際にも、「敵」と「味方」の相互作用ということで、敵機の動きを反映させた弾道計算をして命中率を高めるなど、軍事的な場面でも発展します。

これらの内容は「一般システム理論」「サイバネティックス」「フィードバック制御」「サーボ機構」「システムダイナミクス」「氷山モデル(出来事→パターン→構造→メンタルモデル)」などのキーワードを使って説明されますが、これ以上の歴史とか定義とか小難しい話はウィキペディア先生にお任せしましょう。


参考
システム思考ウィキペディア

このシステム思考という考え方は、近年ではビジネスの場面でも活用されるようになってきました。

ビジネス向けのシステム思考の代表的な書籍としては、ピーター・センゲ教授の「The Fifth Discipline(ザ・フィフス・ディシプリン、邦題:学習する組織)」などがあります。

学習する組織 ― システム思考で未来を創造する

学習する組織 ― システム思考で未来を創造する

ピーター・M・センゲ
3,465円(04/27 11:52時点)
発売日: 2011/06/22
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こちらの本で紹介されているのが「ループ図」と呼ばれる手法。物事を因果関係でつなぐことで、相互関係を理解することができるようになります。

このループ図が一躍有名になったのが、Amazon(アマゾン)創業者のジェフ・ベゾス氏が同社の戦略を解き明かした「善の循環(The Virtuous Cycle:ヴァーチュアス・サイクル)」です。

Amazon善の循環

詳しくは別の記事にまとめているので、興味のある方はぜひご覧ください。

次のページからはシステム思考の入門編ということで、ループ図をベースに具体的な事例を説明します。

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