SmartHRのビジネスモデル図解:資金調達とユニコーン化までの変遷

リリースから2ヶ月でシード追加資金 4000万円を調達

SmartHRは、正式リリースから間もない2016年1月にEast Ventures、DGインキュベーション、BEENEXTから増資によって4000万円を調達 しています。

補足

スタートアップの資金調達には、事業の段階(ラウンド)ごとに名前がついています。今回の調達はサービスの正式リリース前後なので「シード・ラウンド(シード期の段階)」と呼ばれます。

実は正式リリース前にも3000万円を調達していて、これらを加えればシード期に合計7000万円を調達していたことになります。

SmartHRは、これらのシード追加資金を何に投入したのか。

それはプロジェクトメンバーを増やし、

  • UX/UI改善活動

を強化すること。そして、

  • 連携可能サービス数

を新たにループに加え「顧客のHR業務効率」のループを強化することでした。

当初は社長+エンジニア2名の計3名でスタートしたプロジェクトも、4000万円を調達した頃には、10名程度まで増やして います。

2016年4月までに、エンジニアは倍増して計4名、加えてデザイナーも1名。さらに、顧客対応が2名に、営業1名、マーケティング1名を配置しています。

人員配置としては、新規顧客の開拓よりも、既存顧客への提供価値の向上に重きを置いていますね。

この結果、

と、開発速度が加速し、顧客の利便性が向上します。

また時期を同じくして、開発者向けに「SmartHR for Developers 」を公開し、クラウド給与計算ソフト「MFクラウド給与」、クラウド型採用管理サービス「Talentio」、クラウド型勤怠管理システム「AKASHI」、クラウド型業務サービス「board」など、クラウドサービス4社との連携を発表 するなど、外部サービスとの連携も大きく動き出しました。

そしてリリースから半年が経過した2016年6月、導入企業数は1,000社を超え 、顧客数が5倍になりました。数百名規模の従業員を持つ企業も導入しはじめているとのことで、主要な顧客が徐々に変化していることも見受けられます。

その後、2016年8月30日、投資ラウンドのシリーズAとして5億円もの資金を調達 します。

この5億円を手に、SmartHRはどんな手を打ったのか?

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