社会福祉法人会計簿記の付加価値額
番外編ですが、参考までに社会福祉法人会計簿記の付加価値額も解説します。ほとんどの人には関係のない話題だと思いますが、一般的な会計と比較することで気づきがあるかもしません。
まず「社会福祉法人」というのは、
- 児童
- 障がい
- 高齢者
の分野で、福祉施設を運営しているような特殊な法人です。保育園、障害者施設、老人ホームの運営主体と言えばわかりやすいかもしれません。
税制や会計ルールなどが株式会社と違う部分が多いのですが、この社会福祉法人の財務会計にも「付加価値額」が登場します。
社会福祉法人の付加価値額の計算式は、
- 付加価値額 = サービス活動収益 ー (事業費 + 事務費 + 減価償却費 ー 国庫補助金等特別積立金取崩額 + 徴収不能額)
とされています。(第14回 社会福祉会計簿記認定試験 上級 財務管理 第1問より引用)
通常の簿記に置き換えると、
- サービス活動収益:営業利益
- 事業費:売上原価(人件費を除く)
- 事務費:販売費及び一般管理費
- 国庫補助金等特別積立金取崩額:減価償却費を相殺する補助金
- 徴収不能額:貸倒損失
に相当すると考えてください。
これを一般的な会計で表すと、
- 付加価値額 = 営業利益 ー (売上原価 + 販管費 + 正味の減価償却費 + 貸倒損失)
のような感じでしょうか。
営業利益から差し引く「売上原価 + 販管費 + 正味の減価償却費 + 貸倒損失」は、付加価値を生んでいないという認識です。
「事業費(人件費を除く売上原価)」の代表的なものとしては、
- 介護用品費
- 医療品費
- 医療費(診療報酬)
- 水道光熱費
- 賃借料
などがあります。
「事務費(販管費)」「減価償却費」「貸倒損失」あたりは、一般的なものを想像してもらえれば大丈夫です。
ということで感覚としては、営業利益から人件費以外のものが差し引かれているイメージになります。
つまり社会福祉法人の付加価値額というのは、
- 福祉のプロ(保育士、介護福祉士、看護師、各種資格職種など)が生み出した価値
であると言えます。