ボスマート:ビジネスモデル図解のまとめ
…ということで、「社長のおごり自販機」に引き続き、「ボスマート」のビジネスモデルの美しさもご堪能いただけたかと思います。
最後にもう一度、ビジネスモデルの全体像を俯瞰してみましょう。
今回のビジネスモデルのポイントは、
- 食品販売で顧客の利便性を高める
- 飲料に対するクロスマーチャンダイジング
- 特許を取得して模倣困難性を高める
の3つでした。
自動販売機の利用者が減少する中、主戦場となっている屋内(in-location、インロケ)にて競争力を高めるための、食品も提供するという施策。そのビジネスモデルは、飲料販売に対するシナジー効果を見込めるだけでなく、現場のオペレーションも考慮した仕組みになっていました。
また競合の模倣を防ぐために特許を取得しているというのも、競争優位性を高める要素の一つとなっています。
「社長のおごり自販機」「ボスマート」からの学び
新規事業の企画・立ち上げとなると、既存事業と大きくかけ離れたビジネスモデルを描いてしまい、失敗することも少なくありません。「新規性」「奇抜さ」などを求めるあまり、現場のオペレーションから乖離した仕組みになってしまうと、運用におけるリスクになってしまいます。
しかし今回ご紹介した「社長のおごり自販機」や「ボスマート」では、現場での自動販売機のメンテナンスや商品補充、金銭管理については大きな変化はありません。
一方で、自動販売機自体にちょっとした工夫を施すことによって、通常の飲料自販機とは異なるニーズへの対応や、異なる付加価値の提供を実現しています。
このように、既存事業のリソースをそのまま活用する方向での新規事業の企画開発というのも、考えてみる価値は大いにありそうですね。