コア・コンピタンスとケイパビリティの違いとは?図解で比較して理解しよう

ビジネス書を読んでいると、たまに出てくる「コア・コンピタンス」と「ケイパビリティ」という謎の横文字。この2つの似たような言葉は、似たような文脈で登場します。「どっちも『能力』とか『強み』みたいな意味なんでしょ?」って思ってる、そこのあなた。…惜しい! 「そんな言葉聞いたことないよ。」という、そこのあなた。先に予習しておくチャンスです。今回は「コア・コンピタンス」と「ケイパビリティ」についてお伝えします。

一言で表現するなら

コア・コンピタンスとケイパビリティを一言で表現すると、

  • コア・コンピタンスは中核になる「技術」
  • ケイパビリティは連携による「実行力」

です。

どちらも企業にとっては、競争に優位に働く経営資源です。

図解で比較する

コア・コンピタンスとケイパビリティを図で表すと下記のようになります。

まずはコア・コンピタンス。コンピタンスを根っことして、製品や事業がニョキニョキと伸びます。

戦略論 1957-1993 (HARVARD BUSINESS PRESS) 第8章より 編集

コア・コンピタンスはコンピタンスの中でも、最も重要なものと言えます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

コア・コンピタンス(こあ-こんぴたんす)

次はケイパビリティです。一連のビジネスプロセスとして表現されます。

一連のビジネスプロセスとそれを事項する力、すなわち「実行力」がケイパビリティと言えます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

ケイパビリティ(けいぱびりてぃ)

コンピタンスとケイパビリティの対比

今度は言葉で対比してみましょう。

  • コンピタンスは社内にある技術そのもの
  • ケイパビリティは社外も含めた実行するプロセス

コンピタンスは「設計する技術」や「加工する技術」など、技術そのものを指しています。一方でケイパビリティは、様々な役割を持つ人が連携して一連のプロセスを実行します。例えば「品質の高い全国どこでも受けられるアフターメンテナンス」というケイパビリティは、社内では製造部と営業部、そして社外では取扱代理店が全て連携しなければ実現できません。

  • コンピタンスは流動性がある
  • ケイパビリティは固定的

コンピタンスは「技術」を指しているので、そのもの自体はいたってシンプルに表現されます。技術そのものなので、ケイパビリティよりも簡単に「外から買ってくる」ことができるかもしれません。実際にテクノロジー企業は技術を持ったベンチャー企業をM&Aすることで、様々なコンピタンスを手に入れます。そしてその技術を様々な商品やサービスに活用します。

一方でケイパビリティはプロセスであり、機能がお互いにかみ合っている状態なので、外から取ってきてすぐに組み入れることは難しくなります。技術や機能を導入できたとしても、それがプロセスとして定着するまでには時間が必要です。

  • コンピタンスは目に見えない
  • ケイパビリティは目に見えやすい

コンピタンスは技術なので、顧客が手にする頃には商品やサービスに形を変えてしまっています。一方でケイパビリティは、顧客との接点まで届くことがあるので目に見えやすいと言えます。

このように比較してみると、色々と違う点がありますね。日常では違いを意識することはないかもしれませんが、ビジネス書を読むときなどには役にたつかもしれません。

おすすめの書籍

さらに詳しく勉強したくなった方には、こちらの書籍をオススメします。

戦略論 1957-1993 (HARVARD BUSINESS PRESS)

戦略論 1957-1993 (HARVARD BUSINESS PRESS)

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
発売日: 2010/05/14
Amazonの情報を掲載しています

こちらの第8章には、1990年に発表されたプラハラード教授とゲイリー・ハメル教授による記事「The Core Competence of the Corporation 」の日本語訳が掲載されています。ソニーや本田技研の例を交えて「コアコンピタンス」について詳しく書かれています。

また第9章には、1992年にBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のストーク氏による記事「Competing on Capabilities: The New Rules of Corporate Strategy 」の日本語訳が掲載されています。アメリカ小売大手のウォルマートを例に、「ケイパビリティ」について詳しく書かれています。