間接原因
間接原因とは、
- 複数の出来事に間接的に因果関係がある
という相関関係です。
図で表すと、下記のような関係になります。
上の図では、
- 出来事Aと出来事Bには相関関係がある
- 出来事A(原因)と出来事X(結果)は因果関係がある(相関関係もある)
- 出来事X(原因)と出来事B(結果)は因果関係がある(相関関係もある)
ということを表しています。
つまり、
- 出来事Aと出来事Bに「因果関係」は無い
ということになります。
これはいわゆる、
- 風が吹けば桶屋が儲かる
と同じパターンです。
この場合は、
- 風が吹く
- 桶屋が儲かる
という2つの出来事に「相関関係」があるものの、「因果関係」はありません。
しかし、
- 大風で土ぼこりが立つ
- 土ぼこりが目に入って、盲人(めくら)が増える
- 盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
- 三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される
- ネコが減ればネズミが増える
- ネズミは桶をかじる
- 桶の需要が増え桶屋が儲かる
ウィキペディア「風が吹けば桶屋が儲かる」より引用
というように、複数の因果関係が繋がって相関関係を生み出しています。
これをもう少し現実的なビジネスの状況を例に、考えてみましょう。
もしコンビニに製品を卸しているお菓子メーカーが、
- 月間の競合他社の新製品の発売数
- 月間の自社の売上高
に「逆の相関関係(一方が増えると他方が減る)」があることがわかったとします。
言い換えると「競合他社が新製品を多く出した月の売上は下がる」ような相関関係です。
これは一見すると「因果関係」があるように思えます。しかし、もしかしたら「間接的」に因果関係が成立しているだけかもしれません。
もし、
- 競合他社が新製品を発売すると、コンビニの自社製品の陳列棚の面積が減る
という事実があったらどうでしょうか?
この事実を含めて考えた場合、
- 月間の競合他社の新製品の発売数
- 自社製品の陳列棚の面積
- 月間の自社の売上高
という3つの出来事で考えることになります。
そうすれば、
- 競合他社が新製品を出すと、自社製品の陳列棚の面積が減る
- 自社製品の陳列棚の面積が減ると、自社製品の売上が減る
という2つの「因果関係」で構成されていることがわかります。
もし単純に当初のように、
- 競合他社が新製品を多く出した月の売上は下がる
と考えていたら、売上を下げないために、
- 競合他社に新製品を出させない
という現実的ではない対応策しか思いつかないかもしれません。
しかし2つの相関関係の間に、別の要素を挟むことで因果関係が成立することがわかれば、
- 自社も新製品を発売して陳列棚の面積を維持する
- お店に販売奨励金を支払って自社の陳列棚の面積を維持する
という、より現実的な対応策を考えることができます。
このように、
- 因果関係があると思っている出来事
も、視点を変えてみることで
- 複数の因果関係で間接的に繋がっている相関関係
になることもあります。
あなたのビジネスも誰もが当たり前と思っていることを疑うことで、新たな戦略が生まれるかもしれません。