錯誤相関
錯誤相関(さくごそうかん)とは、
- 相関関係が無いのに相関しているように感じる
現象のことです。
図で表すと、下記のような関係になります。
この「錯誤相関」は、ここまでご紹介した相関関係とは違い、直接的な関係性が無いにも関わらず、あたかも相関関係があるように感じてしまう現象です。
つまり上の図のように、
- 複数の出来事に相関関係がある(ように感じる)
だけであって、実際は相関関係が無い状態のことです。
これは験担ぎ(げんかつぎ)などでよく見られる現象です。
例えば、上司があなたに、
- 「重要な社内プレゼンがある朝に、シャワーを浴びるとプレゼンが成功する。」
- 「俺は今朝シャワーを浴びてきたから、今日の社内プレゼンは成功間違いない!」
と言ったとします。
もちろん、
- 朝にシャワーを浴びること
- 社内プレゼンが成功すること
には相関関係もなければ因果関係もありません。
しかしあなたの上司は、
- 社内プレゼンが成功した日の朝に、シャワーを浴びていた記憶
が何度かあれば、
- 朝にシャワーを浴びること
- 社内プレゼンが成功すること
ことに相関関係があるように感じ始めます。
これは「帰納的推論」を使った考え方で、出来事にパターンを見つけるような思考です。
そして実際に、また別の日に上司がシャワーを浴びてプレゼンが成功してしまったら、
- 朝のシャワー(原因) → 社内プレゼンの成功(結果)
という因果関係を信じてしまうことになります。これが「錯誤相関」の状態です。
もちろん根拠がないことも信じることで、現実に影響を与えることもあります。
先ほどの上司も、大事な社内プレゼンの朝にシャワーを浴びることで、自信を持って社内プレゼンテーションに望むことができるかもしれません。そして「験を担いだ」という事実自体が、「社内プレゼンの成功」という結果をもたらすこともあります。
このように「錯誤相関」だったとしても、別の因果関係が生まれることもあります。
- そんなのただの思い込みだ
- 験担ぎなんてバカらしい
と思っている出来事も、注意深く観察してみると別の相関関係や因果関係が見えてくるかもしれません。