自動販売機オペレーターのビジネスモデル図解:専業・兼業・オーナーの違い

自販機の運用コストは設置報酬に転嫁される

ここまで説明した4つの活動は、自動販売機の運用コストに直結します。

ルートセールス、自動販売機、車両などの維持はコストを増加させます。一方で、「自販機の管理効率」の改善は「自販機運用コスト」を減少させます。

自販機運用コストは設置報酬に転嫁される

そしてコストは設置報酬に影響します。

上図では、

  • 自販機運用コスト」が増えるほど「設置報酬」が減る
  • 設置報酬」が減れば「ロケーションオーナーの顧客体験」が損なわれる

ということを表しています。

ロケーションオーナーとしては、自動販売機を設置することで得られる報酬が多いに越したことはありません。「自販機運用コスト」を抑えることができれば、その分「設置報酬」を増やす事ができ、競合する自販機オペレーターと優位に立つ事ができます。

しかし、近年では意外にも、設置報酬を求めないロケーションオーナーも増加しています。

自販機のわずかな設置報酬よりも利用者の利便性

先述のとおり、近年では自販機の新規の設置はほとんどが屋内になっています。屋内の設置は、商業施設内の設置に加え、オフィスや工場内への設置などがあります。

オフィスや工場に設置する場合には、ロケーションオーナーが法人になるので、法人の経営者や総務担当者などに営業することになります。

その際に、法人側から「月に数千円の設置報酬をもらうよりも、飲料の価格を下げて従業員に還元したい」と相談されることが少なくないとのこと。

これを図で表すと、以下のとおり。

飲料の価格を下げれば顧客体験が改善する

つまり「設置報酬」を受け取らない場合、

  • 飲料の価格」が下がれば「利用者の利便性」が向上する
  • 利用者の利便性」が向上すれば「ロケーションオーナーの顧客体験」が良くなる

ということです。

さらに、

  • 飲料の価格」が下がれば買いやすくなって「飲料販売数」が伸びる

ということにもなります。

オフィス内の自販機がコンビニよりも安ければ、当然自販機の利用者も増加します。これはロケーションオーナーにとっても、自販機オペレーターにとっても嬉しいことですよね。

ロケーションオーナーからの評判が新規開拓につながる

このようにロケーションオーナーのニーズをとらえて、良い顧客体験を提供する事ができれば、「自販機オペレーターの評判」も良くなります。

営業活動で自販機の新規開拓を行う

この「オペレーターの評判」に「営業活動」が加われば、新規開拓も有利に運ぶことが可能になります。

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