サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデル図解:仕組みはサービスを商品で課金する収益モデル

顧客の変化によってニーズも変化している

自販機オペレーターの直接の顧客は、自販機の設置場所の持ち主になります。

この「ロケーションオーナー(設置場所の持ち主)」さんは、

  • 小売店の前に設置する場合:お店のオーナーや店長
  • 駐車場に設置する場合:駐車場の土地所有者や管理会社
  • オフィス内に設置する場合:企業のオーナーや経営者

など場所によって異なります。

さて、先ほどのやりとりでは「新規のほとんどが屋内(インロケ)の設置」とのお話でしたが、その中でもオフィス内設置も少なくありません。

つまり顧客の割合では、企業の経営者さんなども増えているということ。そうなると、自販機ビジネスも経営者さん達のニーズに応える必要があります。

だいぞう

自販機オペレーターは、ロケーションオーナーに対して自販機の売上に応じた設置報酬を支払うというビジネスモデルですよね?

ということは、企業の経営者さん達も設置報酬をたくさん出してくれる自販機オペレーターを選ぶんでしょうか?

そんなことないですよ。

実は「設置報酬はいらないから、その分飲料の価格を下げて欲しい。」って言ってくる経営者さんも多いんです。

従業員さん達の福利厚生を充実させるためのニーズですね。

サントリー 森さん

つまり、図で表すと以下のようになります。

顧客にニーズが変化

以前は「設置報酬」を受け取ることで「ロケーションオーナーの顧客体験」は向上していました。

しかし従業員の職場環境を良くしたいと思っている経営者は「設置報酬」を受け取る代わりに、その分だけ「飲料の価格」を下げてもらい、「利用者の利便性」つまりオフィス内では従業員の利便性を向上させることを希望します。

その結果、経営者などの「ロケーションオーナーの顧客体験」が向上します。加えて、「飲料の価格」が下がった分、従業員も飲料を買いやすくなり「飲料販売数」も増加するという流れにつながります。

自販機の運用オペレーションは成熟している

自販機ビジネスを支える、運用オペレーションも忘れてはいけません。

成熟している運用オペレーション

まず「ルートセールス」さんというのは、日々自販機をトラックで巡回し、飲料を補充したり、空き缶やペットボトルを回収している人たちのこと。ルートセールスさん達がいなければ自販機ビジネスは成り立たないため「採用育成活動」は非常に重要です。

そのほかにも、自動販売機そのものをメンテナンスする「自販機整備活動」、ルートセールスさん達が使うトラックを整備する「車両整備活動」、そして飲料の在庫を効率よく管理する「物流・在庫改善活動」も重要な活動になります。

新しいビジネスモデルを考える際にも、この成熟している運用オペレーションに手を加えるとなると、難易度は高くなりそうです。

ということで、ここまで自販機オペレーターのビジネスモデルについて解説しました。

そして次のページからは「社長のおごり自販機」のビジネスモデルを詳しく紐解きます!

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