サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデル図解:仕組みはサービスを商品で課金する収益モデル

戦略その4:運用オペレーションはそのまま

ここまで「社長のおごり自販機」のビジネスモデルの特徴を紹介してきましたが、もう一つ忘れてはいけないポイントがあります。

それは、

  • ルートセールスの日々の訪問オペレーション自体に全く影響がない

ということ。

言い換えれば、

  • 新しいサービスで新しい価値を提供するための追加コストが不要

なのです。必要なのは自販機のちょっとした改造のみ。

社長のおごり自販機の戦略その4:オペレーションはそのまま

ご覧の通り、図の上半分は従来のビジネスモデルと大きく異なるにも関わらず、図の下半分、つまり自販機オペレーターとしての通常のオペレーション部分は今までと変わらないのです。

だいぞう

図を描いていて気づいたのですが、「社長のおごり自販機」ってルートセールスさん達には大きな追加業務などが発生しない素晴らしい仕組みなんですよね。

もちろん売上が増えればその分作業も増えますが…、逆に言えばそれだけですものね。

そうなんです。

「社長のおごり自販機」用の自販機でも、ルートセールスはいつも通りに商品を補充すれば良いだけなんです。

だから通常の自販機から置き換えたとしても、日々の訪問オペレーション自体に変化はありません。

サントリー 森さん

新規事業の立ち上げでハードルになりがちなのが、現場オペレーションの追加や変更です。

日々、最前線でビジネスを回している現場では、ただでさえ忙しいという状況も少なくありません。

それに加えて「新しいやり方を覚えなきゃいけない」とか「作業手順がまったく変わってしまう」ということが起これば、現場スタッフが抵抗するのも必至。さらには取引先にまで手間をお願いすることになってしまえば大変です。

結果として、色々な人に負担がかかって既存のビジネスも疎かになってしまうと本末転倒。

会議室の中でどんなに素晴らしいビジネスモデルだったとしても、現場のオペレーションが回らなければ絵に描いた餅になってしまいます。

しかし「社長のおごり自販機」では、ルートセールスさん達のオペレーションは変わりません。

既存の完成されたビジネスモデルの上に構築する新規事業としては、かなり美しくまとまったビジネスモデルだと思います。

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