ポイント2:飲料に対するクロスマーチャンダイジング
自販機の飲料と、その横に置かれた軽食は互いに互いの販売を促進するという効果も生み出します。
この現象を図解したものがこちら。
上の図では、
- 食品販売数が増えるほど飲料販売数も増える
ということを表しています。そしてその逆も然り。
このような売り方をクロスマーチャンダイジング(またはクロスセル)と呼びます。クロスマーチャンダイジングは、関連性の高い商品を同じ売り場で提案するマーケティング手法(「クロスセル」はその販売部分を指す)のこと。
例えばスーパーやコンビニで、アルコール飲料の隣の棚でおつまみを販売するのもクロスマーチャンダイジングです。
だいぞう
自販機の飲料と一緒に販売されるということで、ボスマートの食品のラインナップで意識されていることはありますか?
まずは飲料と相性の良い商品。そして、飲料が必要になる商品を提案しています。
飲料と食品、どちらのニーズが先でも良いですが、一緒に買っていただけるものを意識してラインナップを考えていますよ。
サントリー 森さん
食品のラインナップを飲料と関連づけることで、販売のシナジー効果が期待できます。
例えば、小腹が空いてクッキーが食べたいと思っても、クチの中がパサパサになるので、飲み物がなければ躊躇う人も多い。でも、そこにクッキーに合うようなドリンクがあれば一緒に買ってしまいますよね。逆に、ドリンクだけで物足りない人は、菓子パンなどで小腹を満たしたくなります。
だいぞう
ちなみに、食品の盗難や万引きを心配する声などはあったりするんでしょうか?
もちろん、心配されることはあります。
でも実際に設置しても盗難や万引きは起こらないんです。
サントリー 森さん
オフィス内ということもあり、利用者同士が顔見知りであることと、相互監視効果が働くため盗難が起きにくいことが予想できます。
とはいえ、盗難や万引きの可能性が心理的なハードルとなっているお客様向けに、セキュリティ対策がされた什器(下図右端)もラインナップされています。
セキュリティ対策用什器では、
- 自販機のボタンを押すと扉がひらく
つまり、
- 支払いが完了したら商品を受け取れる
という仕組みです。
これなら支払い前に商品が盗まれる心配はありませんね。
…しかし、このようなビジネスモデルは競合する飲料メーカーにも真似されそうです。ボスマートではどのように対策しているのでしょうか?