サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデル図解:仕組みはサービスを商品で課金する収益モデル

だいぞうだいぞうサントリーの「社長のおごり自販機」は、

  • 2人分の社員証を使って会社の経費で飲料を購入できる
  • 社内コミュニケーションを活性化するという価値を提供する

というサービスのことで、

  • 法人をターゲット顧客として絞り込んでいる
  • 自販機の運用オペレーションに全く手を加えない

というビジネスモデル上の特徴があります。

通常の飲料用自動販売機は、お店に行かなくても温度管理された飲料がすぐに買えることが提供価値です。この提供価値を、ちょっとした工夫で別のものに変えてしまったのがサントリーの「社長のおごり自販機」のサービス。

「社長のおごり自販機」では、社内コミュニケーションを活性化させるごとに、飲料2本分の費用を受け取る仕組みになっています。

ということで、今回はサントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデルを図解しながら、わかりやすく解説したいと思います。

noteのダイジェスト版記事短くまとめたダイジェスト版の記事をnoteで公開中です。気軽に読みたい方は以下のリンクからご覧ください。

サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデルとは?

まずはこちらの動画をご覧ください。

「社長のおごり自販機」は、

  • 社員が2名で一緒に飲料を飲む

という行為を通じて、

  • 社内コミュニケーションを活性化させるサービス

であり、

  • 飲料代として企業側がサービス料金を支払う

というビジネスモデル。

コミュニケーションの発生回数に応じた従量課金制サービスとも言えます。

このビジネスモデルを図解したものがこちら。

サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデル図解

2021年10月より首都圏でサービスを開始し、2022年5月より全国展開するサービス となっています。そして、このサービスを企画開発したのが、自他共に認める自販機マニアのサントリーの森 新(もり あらた)氏Twitter@mori_arata )です。

だいぞうだいぞう…ということで、今回はサントリーの森さんに直接お話を伺いながら解説したいと思います。

森さん、よろしくお願いします!

サントリー 森さんサントリー 森さんよろしくお願いします。

まずは前提となる知識として、通常の「自販機オペレーター(自販機を運用管理をする事業者)」のビジネスモデルから見ていきましょう。

自販機オペレーターのビジネスモデル

自動販売機オペレーターとは、自動販売機の運用管理を行う事業者のことで、自動販売機の設置場所の開拓、設置、商品の補充、メンテナンス、売上金の回収、空のペットボトルや空き缶の回収を行います。

サントリーは、飲料の製造も行なっているため「兼業オペレーター」に分類されます(製造と販売の兼業という意味)。

詳しくはこちらの記事、

で解説していますが、今回重要なポイントは、

  1. 自販機の利用者は減少傾向にある
  2. 顧客の変化によってニーズも変化している
  3. 自販機の運用オペレーションは成熟している

の3つです。

自販機の利用者は減少傾向にある

まずはビジネス環境について。

…と、その前に少しだけ! 図の読み方は以下の通り。

ループ図の読み方

上記の内容を踏まえて、以降の図をご覧ください。

自販機の利用者は減少傾向にある

自動販売機の設置場所については、長年の間、飲料メーカー各社や専業の自販機オペレーターが競って設置してきたことですでに飽和状態になっています。

だいぞうだいぞう市場が飽和しているということで、新規の設置場所の開拓は大変そうですね…。

時代とともに自販機の設置場所は変化しているのでしょうか?

サントリー 森さんサントリー 森さん設置場所は、ざっくり屋外と屋内が半々といったところです。

最近は屋外に設置することは多くはなくて、新規設置の多くを屋内(in-location、インロケ)の設置に注力しています。

だいぞうだいぞう屋外の設置は、なぜ増えていないんでしょうか?
サントリー 森さんサントリー 森さんやはりコンビニなどの小売店の出店増の影響が大きいですね。路上で自動販売機を見つけても、その先にコンビニがあればコンビニを利用する人は多いです。

小売店の店舗数が増加するほど、自動販売機の利用者は減少する傾向にあります。

つまり設置場所が飽和状態になっているため、上図の「設置済みロケーション」はなかなか増えません。さらに、コンビニやミニスーパー、ドラッグストアなどの小売店の増加から「自販機利用者」も減ってきています。

その結果、「飲料販売数」も伸びにくいという状態なんですね。

顧客の変化によってニーズも変化している

自販機オペレーターの直接の顧客は、自販機の設置場所の持ち主になります。

この「ロケーションオーナー(設置場所の持ち主)」さんは、

  • 小売店の前に設置する場合:お店のオーナーや店長
  • 駐車場に設置する場合:駐車場の土地所有者や管理会社
  • オフィス内に設置する場合:企業のオーナーや経営者

など場所によって異なります。

さて、先ほどのやりとりでは「新規のほとんどが屋内(インロケ)の設置」とのお話でしたが、その中でもオフィス内設置も少なくありません。

つまり顧客の割合では、企業の経営者さんなども増えているということ。そうなると、自販機ビジネスも経営者さん達のニーズに応える必要があります。

だいぞうだいぞう自販機オペレーターは、ロケーションオーナーに対して自販機の売上に応じた設置報酬を支払うというビジネスモデルですよね?

ということは、企業の経営者さん達も設置報酬をたくさん出してくれる自販機オペレーターを選ぶんでしょうか?

サントリー 森さんサントリー 森さんそんなことないですよ。

実は「設置報酬はいらないから、その分飲料の価格を下げて欲しい。」って言ってくる経営者さんも多いんです。

従業員さん達の福利厚生を充実させるためのニーズですね。

つまり、図で表すと以下のようになります。

顧客にニーズが変化

以前は「設置報酬」を受け取ることで「ロケーションオーナーの顧客体験」は向上していました。

しかし従業員の職場環境を良くしたいと思っている経営者は「設置報酬」を受け取る代わりに、その分だけ「飲料の価格」を下げてもらい、「利用者の利便性」つまりオフィス内では従業員の利便性を向上させることを希望します。

その結果、経営者などの「ロケーションオーナーの顧客体験」が向上します。加えて、「飲料の価格」が下がった分、従業員も飲料を買いやすくなり「飲料販売数」も増加するという流れにつながります。

自販機の運用オペレーションは成熟している

自販機ビジネスを支える、運用オペレーションも忘れてはいけません。

成熟している運用オペレーション

まず「ルートセールス」さんというのは、日々自販機をトラックで巡回し、飲料を補充したり、空き缶やペットボトルを回収している人たちのこと。ルートセールスさん達がいなければ自販機ビジネスは成り立たないため「採用育成活動」は非常に重要です。

そのほかにも、自動販売機そのものをメンテナンスする「自販機整備活動」、ルートセールスさん達が使うトラックを整備する「車両整備活動」、そして飲料の在庫を効率よく管理する「物流・在庫改善活動」も重要な活動になります。

新しいビジネスモデルを考える際にも、この成熟している運用オペレーションに手を加えるとなると、難易度は高くなりそうです。

ということで、ここまで自販機オペレーターのビジネスモデルについて解説しました。

そして次のページからは「社長のおごり自販機」のビジネスモデルを詳しく紐解きます!

戦略その1:ターゲットを法人に絞りこむ

社長のおごり自販機」という名前の通り、社長が従業員にドリンクをおごるというコンセプトのこのサービス。

オフィス内に自販機を設置する「法人」がメインターゲットとなります。

だいぞうだいぞう新しいビジネスモデルでは、近年増加傾向にあるオフィス内設置に的を絞ったということですね!

しかし市場は飽和状態ですし、新規の取引先に提案している感じでしょうか?

サントリー 森さんサントリー 森さん新規の取引先だけではないですよ。

自販機の役割が違うので、既存の取引先の追加設置や置き換えなども提案しています。

だいぞうだいぞうなるほど!

社内コミュニケーションを活性化する」という新しい機能を持っているので、追加の設置を提案できますね。もし増設できなくても、既に設置されている自販機と置き換えることで、売上の向上を図れる…。

もっと言えば、他社には無いサービスなので、他社の自販機のシェアを奪うことも可能ですね!

先ほどの一般的な自販機オペレーターの例では「設置ロケーション」ということで、市場をセグメンテーション(細分化)せずにざっくりと解説しました。

しかし「社長のおごり自販機」はオフィス内に設置するため、「法人」という形でセグメンテーションを行なっています。

こちらを図で表すと以下の通り。

社長のおごり自販機の戦略その1:ターゲットを法人に絞りこむ

すでに通常の自販機を設置しているかどうかは重要ではないため、「営業可能法人数」と「(社長のおごり自販機の)設置済み法人数」という形でループの要素が変化しています。

社内コミュニケーションを活性化する機能を持つ「社長のおごり自販機」という新たなサービスなので、「競合のシェア」も気にする必要はありません(※図の右上から削除しています)。

このように顧客のセグメントを絞り込んだことによって、飽和している「設置可能ロケーション」から、競合が存在しない「営業可能法人数」へと営業活動の対象が変わりました。

もっと厳密に表現すれば「社内コミュニケーションの活性化が経営課題となっている法人」が営業の対象となったということ。

通常の「オフィス内に空きスペースがある法人」や「オフィスの近くにコンビニなどが無い法人」に対する営業とは、訴求点が全く異なることがわかります。

戦略その2:提供価値は社内交流の活性化

すでに何度も触れていますが、「社長のおごり自販機」の提供価値は「社内コミュニケーションの活性化」です。

「社長のおごり自販機」は1人で使うことはできません。必ず2名の社員証が必要です。だから誰かに声をかけなければならない。そこでコミュニケーションが発生します。

社長のおごり自販機の使い方3ステップ
「社長のおごり自販機」公式ページ より画像を引用(2023年3月時点)

しかもあえて、10秒以内に」ボタンを押さないと無効になるというルール(上の画像のステップ3)を設定しているため、さらにコミュニケーションが活性化されます。

時間の制約があることで「どの飲み物にするか決めた?」というような会話を、仕組みとして生み出せると考えました。ちなみに2本の商品を払い出すのに6秒かかるので、どちらかの人が4秒迷った時点でアウトです。

失敗するとその日の「おごりモード」の権利は消失するんですが、失敗経験もコミュニケーションにつながるのならそれが正解だと思っています。事前にルールを説明するのも、失敗した経験を自己開示して話すのも、どちらも大切なコミュニケーション。一定の確率で失敗する人が出てしまうのも含めてのサービスです。

サントリー公式コンテンツ「【開発秘話|社長のおごり自販機】社内の会話が爆増する秘密とは? 」より引用

しかしこのような機能を実現するには、自動販売機そのものの改造が不可欠です。

社長のおごり自販機の戦略その2:提供価値は社内交流の活性化

上の図では「自販機改善活動」を行うことで、「社内交流(社内コミュニケーション)」が促され、結果として「経営者の顧客体験」が向上したことを表しています。

だいぞうだいぞう「社長のおごり自販機」には、一番目立つ場所にICカードリーダーが埋め込まれてますよね?

これは森さんが、外部の自販機メーカーさん等と共同で開発されたんでしょうか?

社長のおごり自販機のICカード読み取り部分

サントリー 森さんサントリー 森さんいえいえ。我々チーム数名で勝手に改造しちゃいました。
だいぞうだいぞうえっ⁈ 社内リソースだけで改造されたんですか!

なんというスピード感と行動力…。

それもそのはず。工学部卒の森さんは自販機を自分で改造できてしまうのです。自販機マニアとしては鬼に金棒のスキル。サントリー創業者の鳥井氏の「やってみなはれ」精神 を体現するような開発力ですね。

別のインタビュー記事では、

作りたい自販機ができたら、企画書を作って上司の了承を得る――というプロセスは経ず、試作して実際に使った社員の反応を見て採用するかどうか決めるという。リアクションが良ければ実現化。イマイチなら即、ボツになる。

ヒット連発!アイディア自販機の革命児「もっとヒトに近づけたい」|FRIDAY DIGITAL 」より引用

と語られているように、すぐにトライアンドエラーできる環境イノベーションを後押ししていることは間違いないでしょう。

戦略その3:収益モデルがB2B2EからB2Bに変化

実はこの「社長のおごり自販機」、お金や流れ方も通常の自販機とは違います。

通常のオフィス内設置の自販機は、

  • サントリーが企業に自販機を設置する(Business to Business)
  • 企業が設置した自販機に従業員がお金を払う(Business to Employee)

ということで「B2B2E」の収益モデルとなります。

つまり、旧来の自販機の設置報酬として売上の一部を企業が受け取る場合には、企業が自販機オペレーターから自販機と商品を提供してもらい、従業員に対して飲料小売のビジネスを行うのと同義です。

他方、「社長のおごり自販機」の収益モデルはどのようになっているのでしょうか?

だいぞうだいぞう「社長のおごり自販機」では、従業員の皆さんはお金を払わずに飲料が飲めるわけですが、名前の通り「社長のおごり」となるわけですよね?
サントリー 森さんサントリー 森さんそのとおりです。

正確にいえば、ご利用いただいた分の費用が法人に対して請求されます。

だいぞうだいぞうつまり従来の「B2B2E」の収益モデルから、法人が法人にサービスを提供する「B2B」に変わったということですね。
サントリー 森さんサントリー 森さんオフィスにある複合機(コピー機)と同じビジネスモデルと言えば、イメージしやすいかもしれません。

複合コピー機は、印刷した量に応じて費用を請求するという従量課金制の収益モデルを採用しています。

そして「社長のおごり自販機」も同じ。コミュニケーションが発生した量に応じて費用を請求する、従量課金制の収益モデルなのです。

社長のおごり自販機の戦略その3:B2B2EからB2Bへの収益モデルの変化

上の図では、「社内交流」が生まれると同時に「飲料販売数」が増加し、それがそのまま「利用コスト」となることを表しています。

これは、

  • 飲料は商品ではなくコミュニケーション媒体

であり、

  • 自販機は飲料小売機ではなく従量課金システム

ということ。

この利益モデルの発想には感動すら覚えます。私自身、自販機が従量課金システムになるなんて考えもしませんでした。

サントリー 森さんサントリー 森さんちなみに、社内コミュニケーションを活性化させるには、フリークエンシー(利用頻度)が高い消費財媒体とする必要があります。

飲み物を飲むという行為は、職場で交流を図る頻度としてはちょうど良いんですよ。

だいぞうだいぞうたしかに!

1日に何度か「ちょっと息抜きに」というタイミングで飲み物が欲しくなりますよね。

しかも飲料2本分の金額も、1回のコミュニケーション発生コストとしても高くなくて絶妙です。

300円前後で、

  • 飲料2本
  • 社内コミュニケーション

の両方が得られるわけですから、社内交流の活性化に悩む経営者としては嬉しいですよね。

しかも「社長のおごり」ですから、経営者は従業員から感謝されるという状況にもなります。一石二鳥どころか三鳥です!(サントリーだけに、さんとり…?)

ちなみに看板部分は様々なバリエーションが存在しています。

サントリー社長のおごり自販機の看板バリエーション
サントリー「社長のおごり自販機」ページ より引用

これだけバリエーションがあると、経営者だけでなく管理職層全般に訴求できますね。

戦略その4:運用オペレーションはそのまま

ここまで「社長のおごり自販機」のビジネスモデルの特徴を紹介してきましたが、もう一つ忘れてはいけないポイントがあります。

それは、

  • ルートセールスの日々の訪問オペレーション自体に全く影響がない

ということ。

言い換えれば、

  • 新しいサービスで新しい価値を提供するための追加コストが不要

なのです。必要なのは自販機のちょっとした改造のみ。

社長のおごり自販機の戦略その4:オペレーションはそのまま

ご覧の通り、図の上半分は従来のビジネスモデルと大きく異なるにも関わらず、図の下半分、つまり自販機オペレーターとしての通常のオペレーション部分は今までと変わらないのです。

だいぞうだいぞう図を描いていて気づいたのですが、「社長のおごり自販機」ってルートセールスさん達には大きな追加業務などが発生しない素晴らしい仕組みなんですよね。

もちろん売上が増えればその分作業も増えますが…、逆に言えばそれだけですものね。

サントリー 森さんサントリー 森さんそうなんです。

「社長のおごり自販機」用の自販機でも、ルートセールスはいつも通りに商品を補充すれば良いだけなんです。

だから通常の自販機から置き換えたとしても、日々の訪問オペレーション自体に変化はありません。

新規事業の立ち上げでハードルになりがちなのが、現場オペレーションの追加や変更です。

日々、最前線でビジネスを回している現場では、ただでさえ忙しいという状況も少なくありません。

それに加えて「新しいやり方を覚えなきゃいけない」とか「作業手順がまったく変わってしまう」ということが起これば、現場スタッフが抵抗するのも必至。さらには取引先にまで手間をお願いすることになってしまえば大変です。

結果として、色々な人に負担がかかって既存のビジネスも疎かになってしまうと本末転倒。

会議室の中でどんなに素晴らしいビジネスモデルだったとしても、現場のオペレーションが回らなければ絵に描いた餅になってしまいます。

しかし「社長のおごり自販機」では、ルートセールスさん達のオペレーションは変わりません。

既存の完成されたビジネスモデルの上に構築する新規事業としては、かなり美しくまとまったビジネスモデルだと思います。

社長のおごり自販機:ビジネスモデルのまとめ

…ということで、「社長のおごり自販機」のビジネスモデルの美しさをご堪能いただけたでしょうか?

最後にもう一度、ビジネスモデルの全体像を俯瞰してみましょう。

サントリー「社長のおごり自販機」のビジネスモデル図解

今回のビジネスモデルのポイントは、

  1. ターゲットを法人に絞りこむ
  2. 提供価値は社内交流の活性化
  3. 収益モデルがB2B2EからB2Bに変化
  4. 運用オペレーションはそのまま

の4つでした。

通常の自販機の「飲料を適温で提供する」という価値を、「社内コミュニケーションを活性化する」という価値に変化させたことで、飽和していたオフィス内設置自販機の市場を開拓可能な別の市場へと変化させました。

そして、通常の自販機運用オペレーションにはまったく手を加えないにも関わらず、

  • 飲料をコミュニケーション媒体として使用する
  • 自販機を従量課金システムとして使用する

という素晴らしいアイデアによって、提供価値だけでなく収益モデルまで変えてしまいました。

これは既存事業をベースにして新規事業を立ち上げる場合のお手本になるようなケースだと言えます。

ぜひ皆さんも、自分のビジネスの主要オペレーションを全く変えずに、顧客に提供する価値を変化させる方法を考えてみてください。

続編

次回も、引き続きサントリーの森さんにお話を伺いながら「ボスマート」のビジネスモデルを解説しています。以下の記事もご覧ください。