経営戦略の責任者と決定内容
それぞれの階層で戦略を決めるのは、
- 全社戦略 → 経営責任者(社長、経営陣、取締役など)
- 事業戦略 → 事業統括責任者(事業部長、エリア長など)
- 機能戦略 → 機能責任者(課長、現場リーダーなど)
です。最終決定をした人が、その戦略の責任を負います。
「事業統括責任者」とは、その事業分野において生産・販売・営業など全ての機能を統括する立場にある人のことです。会社の事業内容にもよりますが、事業には複数の機能(例えば、生産と販売など)が含まれています。
「機能責任者」とは、生産機能の責任者や営業機能の責任者など、単一機能を取りまとめている人物です。「生産」「販売」「営業」などそれぞれを「機能」と呼びます。それらの機能ごとの責任者を、ここでは機能責任者と呼びます。
肩書きについては会社ごとに異なるため、あまり参考になりません。どの範囲までの責任と権限があるかによって、実態で判断してください。
それぞれの階層で最低限決めなければならないことは、
- 全社戦略
- 会社の経営理念
- 全社戦略の目的と目標
- 事業ごとの経営資源配分
- 事業戦略の目標
- 事業戦略
- 機能ごとの経営資源の配分
- 機能戦略の目標
- 機能戦略
- 現場の経営資源の配分
です。
階層が上に行くほど、決めなければならないことが多く、責任も重くなります。逆に言えば決められるからこそ、その責任を取ります。
各階層の責任者とその取るべき責任については、
- 経営責任者:全社戦略の結果、事業戦略の資源配分と人選
- 事業統括責任者:事業戦略の結果、機能戦略の資源配分と人選
- 機能責任者:機能戦略の結果、現場の資源配分と人選
となります。
またこの責任は、
- 経営資源が適切に配分された
- 責任者が適切に人選された
ことが前提になっています。ただし何を持って「適切」なのかは、意見が分かれるところ。最終的な意思決定者が、適切と考えるものを信じるしかありません。