だいぞう
Amazon(アマゾン)は、
- 消費者向けネット小売事業者
であり、ビジネスモデルとしては、
- 大規模な物流投資による低コスト構造
- 購買を促進するユーザーインターフェース
- プラットフォーム化による圧倒的な品揃え
という3つの特徴があります。
いまや誰もが知っている世界的なネット小売業者「Amazon(アマゾン)」。
Amazonはインターネットの黎明期である1994年の創業から現在に至るまで、驚異的な成長を続けてきました。北米を中心として稼ぐAmazonですが、日本でも買い物はAmazonに頼りっぱなし、という人も少なくないんではないでしょうか。
今回は、そんな生活にはなくてはならないネット小売事業者のAmazonについて、ビジネスモデルを図解しながら解説しようと思います。
なお、下記のnoteには3分で読めるダイジェスト版も公開しています。重要なポイントだけサクッと知りたい方はこちらから。
Amazonのビジネスモデルとは?
Amazonは、ジェフ・ベゾス氏が1994年にアメリカのシアトルで創業(創業時の社名はCadabra, Inc.、その後すぐにAmazonに商号変更)したインターネット小売業者です。
こちらの写真は、本拠地シアトルにあるAmazonの本社ビル。
Amazonサービスの全世界の延べ利用者数推計は、執筆時点でなんと月間27億人⁈(statista.comによる推計 ) 年間ではなく月間ですから驚きです。
創業から30年以上経った現在では、小売だけでなく映像・音楽・デジタル書籍などのサブスクリプションサービス、広告事業、AWS(Amazon Web Service)と呼ばれるクラウドコンピューティングサービスなども事業の柱になっています。
しかし、近年でもネット小売事業(直販+マーケットプレイス)が売上高の半分近くを占めており、長期にわたって強固なビジネスモデルを維持し続けています。
このビジネスモデルの基礎として創業者ベゾス氏が重視していたのが、
- 価格
- 品揃え
の2つの要素。
これは2001年ごろにベゾス氏が紙ナプキンに残したメモ書き「善の循環(The Virtuous Cycle:ヴァーチュアス・サイクル)」ですでに完成されたビジネスモデルとして示されていました。
詳細は以下の別記事にまとめています。
このネット小売業のコアとなっているビジネスモデルを、筆者が独自に図解したものがこちら。
ここでの図解はシステム思考におけるループ図を独自にアレンジしたものを使用しています。ループ図については以下のページで詳しく解説していますが、このまま読み進めていただいて問題ありません。
色付けしている部分がビジネスモデル上で重要なポイントです。
なお市場への導入期〜成長期の序盤をイメージした図になりますが、現在でも基本となっている部分は変わりません。
このAmazonのビジネスモデルの特徴をまとめると、
- 大規模な物流投資による低コスト構造
- 購買を促進するユーザーインターフェース
- プラットフォーム化による圧倒的な品揃え
の3つです。
このビジネスモデルによって、爆発的な事業成長の原動力となる、
- スケールメリット(供給側の規模の経済性)
- ネットワーク効果(需要側の規模の経済性)
の両方を獲得しています。(それぞれの用語については後ほど説明します。)
次のページから、ネットショップのビジネスモデルの基礎的な構造から順を追って解説していきます。