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ネットワーク効果(外部性)とは?具体例で直接的・間接的をわかりやすく図解

だいぞう

ネットワーク効果とは、

  • 商品やサービスの価値や効用が、その利用者の数に依存する現象

のことで、ミクロ経済学の用語です。

急成長するスタートアップや、グローバル展開するビジネスで必ずと言っていいほど活用されているのがネットワーク効果です。

簡単に言えば、

  • 利用者が多いほど、利用する価値が上がる
  • 利用者が少ないほど、利用する価値が下がる

という現象のことで、大きく「直接的(Direct)」と「間接的(Indirect)」の2タイプに分けることができます。

ネットワーク効果に関連する概念として「両面市場(two-sided markets、two-sided marketplace)」「ツーサイド・プラットフォーム(two-sided platform)」「マルチホーミング(multihoming)」「クリティカルマス(critical mass、臨界質量)」「ティッピングポイント(tipping point、転換点)」「メトカーフの法則(Metcalfe’s law)」「バンドワゴン効果(bandwagon effect)」「スノッブ効果(snob effect)」「負のネットワーク効果(negative network externalities)」などもあります(この記事ですべて解説します)。

ここでは上記の関連する概念と併せて、ネットワーク効果(ネットワーク外部性)のメリットやデメリットについてわかりやすく図解します。

ネットワーク効果とは?

ネットワーク効果(network effect、ネットワーク・エフェクト)とは、商品やサービスの価値が利用者の数に依存してしまう状態のことで、「ネットワーク外部性(network externality、ネットワーク・エクスターナリティ)」や「需要側の規模の経済(demand-side economies of scale)」などとも呼ばれます。

初めてこの概念が提唱されたのは1908年で、セオドア・ヴェイル氏(1900年代のAT&T社の社長) によって記された電話事業の年次報告書と言われています。そして1980年代にロバート・メトカーフ氏(アメリカの電気工学者で、イーサネットの共同開発者、3COM社の創業者) の「メトカーフの法則」によって普及しました。

この現象をシステム思考のループ図で表すと、以下のとおり。

ネットワーク効果のメカニズム

利用者の数」が増えれば増えるほど、商品やサービスの「価値や効用」が増えます。

しかし裏を返せば、利用者が少なければ価値も少ないということでもあります。

利用者の数」が減れば減るほど「価値や効用」も減少していき、加速度的に需要が消滅することも起こります。

直接的・間接的なネットワーク効果

ネットワーク効果は、

  • 直接的ネットワーク効果(direct network effect)
  • 間接的ネットワーク効果(indirect network effect)

の2つに分けることができます。

直接的ネットワーク効果は、前述したような利用者の増加が直接的に商品やサービスの価値を高める現象のことです。

具体例としては、電話などの通信網や、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などが該当します。詳しくは次のページで解説します。

他方、間接的ネットワーク効果は、別名「グループ間ネットワーク効果(cross-group network effect)」とも呼ばれ、

  • 互いに依存する2つ以上の異なる利用者グループが存在し、1つ以上の利用者グループが受け取る価値や効用が、他の利用者グループの成長によってもたらされる現象

と定義されます。言い換えれば、

  • ある利用者グループの増加が、別の利用者グループにとっての価値を高める

ということです。

ループ図で表すと以下のとおり(2グループが相互に影響し合うパターン)。

間接的ネットワーク効果

先ほどのループ図とは異なり、特定のグループの利用者の数が、別のグループの価値や効用に影響を与えていることがわかります。

上図では、グループAの利用者の増加がグループBの価値や効用を高めることで、グループBの利用者の増加を引き起こし、間接的にグループAの価値や効用の向上を引き起こしています。これが「間接的」と呼ばれる理由です。

タイプとしては両面市場(two-sided marketplace)ツーサイド・プラットフォーム(two-sided platform)などが存在しています(後述します)。

ネットワーク効果と規模の経済

ネットワーク効果は、別名「需要側の規模の経済(demand-side economies of scale)」と呼ばれます。

一般的な「規模の経済」とは、

  • 生産の規模が大きくなればなるほど製品1つあたりの平均コストが下がる状況

という意味の経済用語です。

スケールメリット」などとも呼ばれ、生産者、つまり供給側が大規模生産によってコストを引き下げる場合によく使われる言葉です。

これが「(供給側の)規模の経済」ということになります。

そして今回ご紹介している「ネットワーク効果」は、

  • 利用者の規模が大きくなればなるほど利用者1人あたりの得られる価値が高まる状況

と考えることができるので「需要側の規模の経済」と呼ばれるのです。

次のページからは具体例を挙げて図解します。

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