エーベルの三次元事業定義モデル
エーベルの三次元事業定義モデル(Three Dimensional Business Definition Model)とは、1980年に経済学者のデレク・エーベル教授が提唱した、事業ドメインを定義するためのフレームワークです。
エーベル教授は著書「Design The Business(事業をデザインする、邦題:事業の定義) 」の中で、この三次元事業定義モデルを発表しました。
事業を定義する3つの軸
エーベルモデルが発表される以前は、1957年のイゴール・アンゾフの「製品市場マトリクス」など、「製品・技術の軸」と「市場(顧客)の軸」の2軸で、事業ドメインが定義されていたようです。
その後エーベル教授は、以下の3つの軸を事業を定義するための軸として提唱しました。
- 提供された顧客グループ(Served Customer Groups)
- 提供された顧客機能(Served Customer Functions)
- 利用した技術(Technologies Utilized)
これらは互いに干渉しないので、独立した「三次元」の軸と言えます。
この3つの軸を、もう少しわかりやすく言い換えてみると、
となります。
事業ドメインを定義する3つの問い
事業ドメインに関して、先ほどの3つの軸から3つの問いを立てることができます。
- WHO:その事業の恩恵を受ける顧客は誰なのか?
- WHAT:その事業で満たすべき顧客ニーズは何なのか?
- HOW:その事業はどんな技術によって実現できるのか?
これらの3つの問いの答えが明確になれば、事業ドメインを定義したと言えます。
例えば「業務用精密機器の輸送が主力事業の運輸業者」で考えると、
- 業務用精密機器メーカー
- 製品を購買者に早く・安全に・確実に届ける
- 物流システム、物流ネットワーク、梱包ノウハウ
が事業ドメインとなります。
おすすめの書籍
エーベル教授の三次元事業定義モデルをはじめとして、より詳しく事業ドメインの定義を学びたい方には、こちらの本がおすすめです。
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