全社戦略(ぜんしゃ-せんりゃく)

要するに…

全社戦略とは、会社全体に影響する経営戦略のことです。企業戦略とも呼ばれ、財務戦略・M&A戦略・多角化戦略など、経営者の意思決定が必要な戦略を指します。

経営戦略の階層の最上位

全社戦略(Corporate strategy、コーポレート・ストラテジー)とは、会社全体に戦略の影響がおよぶ経営戦略のことです。会社全体に影響が及ぶので、経営者が最終的な意思決定を行います。同じ意味の言葉として「企業戦略」があります。

経営戦略の階層では、最上位の戦略として位置付けられています。

全社戦略の例

具体的な全社戦略の例としては、

  • 財務戦略
  • M&A戦略
  • 多角化戦略

などがあります。

「財務戦略」では、どこからお金を調達するのかを考えたり、どの事業にどれくらいの予算を割り振るかなどを考えます。「M&A戦略」では、どの会社を買収するか、あるいはどこと合併するか、業務提携を行うかなどを考えます。「多角化戦略」では、新たな事業分野として何に投資するか、あるいはどの事業から撤退するかなどを考えます。会社全体のリストラ計画も、全社戦略のうちの一つです。

いずれも会社全体に影響が及ぶことになります。大きな枠組みでの、経営資源の再配分を行います。時には経営資源そのものが、大きく変化します。そのため最終的な決定は、経営者が行います。また当然のことながら、全社戦略の責任は経営者がとります。

全社戦略の立案

全社戦略は会社の行く末を決定づけます。そのため全社戦略の立案には、経営者の戦略的意図、経営者の価値観、経営理念など、戦略のさらに上にある概念がベースになります。

それらの上位概念に基づいて、経営者は全社戦略の意思決定を行います。全社戦略は会社全体の経営資源のトレードオフを決定付けます。ある事業により大きな投資を行えば、別の事業の予算は削減されます。あることを成し遂げようとすれば、別の何かを諦めなければならないかもしれません。

トレードオフによって社内では既得権益によって特をする人もいれば、仕事がなくなったり会社を去る人も現れます。そのような状況で社員の心をつなぎとめるのは、経営理念であったりビジョンであったりします。大胆な全社戦略を実施する場合には、戦略の上位概念にあたる経営理念の浸透が必ず必要になります。

また経営理念などはあまり変化しない一方で、外部環境は刻一刻と変化していきます。全社戦略は外部環境の影響を無視することはできません。そのため外部環境の分析も必要になります。

経営資源の分析についてはVRIO分析がおすすめです。

VRIO分析のやり方:強みと弱みを見分けるフローチャート

外部環境の分析にはPEST分析がおすすめです。

PEST分析のやり方:より深く分析する手順とそのコツ

事業戦略や機能戦略との違い

事業戦略機能戦略(機能別戦略)との違いについては、こちらの記事をご覧ください。

全社戦略、事業戦略、機能戦略の違いとは?経営戦略の構造を解説します

おすすめの書籍

全社戦略については、バーニー教授の「企業戦略論 下 全社戦略編」に詳しく書かれています。こちらの書籍もオススメです。

企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続

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