直接原因
直接原因とは、
- 一方がもう一方の出来事の直接的な原因になる
ような相関関係です。
このパターンの相関関係は「因果関係」です。
先ほどから例に挙げている、
- 雨が降ったらお店の来客数が減る
という因果関係は「時間の順序」がわかりやすく、どちらが原因なのか誰でも判断できます。
しかしデータを見ただけでは原因と結果がわかりくいものも存在しています。
例えば「スポーツジム」で、
- ダイエットに対する専門性の高さ
- 利用者の肥満率
の2つの要素に「相関関係」が見つかったとします。
簡単に表現すれば「ダイエット専門のスポーツジムほど利用者の肥満率が高い」ということです。
この相関関係の因果性の理解を間違ってしまうと、
- ダイエット専門のスポーツジムを利用すると逆に肥満になる
と結論づけてしまうかもしれません。
もしかしたらライバルのスポーツジムがデータを悪用して、
- あのダイエット専門のスポーツジムは、うちよりも肥満率が高い
- だからあそこに通ってもダイエット効果がない
なんてウワサを流すかもしれません。
しかしこれは明らかに間違いですよね。
実際は、
- 肥満で悩んでいる人がダイエット専門のスポーツジムに通う
のであって、ダイエット成功の実績があるほど、肥満の利用者が殺到します。
その結果、そのスポーツジムの利用者の肥満率は高くなってしまいます。
ではもう一つ別の例を挙げてみましょう。
ある飲食店が来店客に対して、顧客満足度のアンケートを採ったとします。
その結果、
- 来店頻度の高さ
- 顧客満足度の高さ
の2つの要素に「相関関係」が見つかったとします。
この結果を見て、あなたはどう解釈するでしょうか?
もし、
- 何度も来店してもらうことができれば顧客満足度が上がる
と考えて、
- 再来店させるためにクーポン券を配布する
- 10回来店すると割引されるポイントカードを作る
ことで顧客満足度を上げようとすると、施策が間違っているかもしれません。
もしかしたら実際は、
- 最初の来店で顧客満足度が高かった人だけが何度も来店している
だけという可能性だってあります。
もし正しい因果関係がそうであれば、
- 初めて来店した顧客の満足度を高める施策
が重要になるはずです。
そうなれば、
- 店内やトイレの清潔感
- 店員の細かな気遣い
などの方が、クーポン券などよりも重要になるかもしれません。
このように相関関係に因果関係があることが確実でも、因果の向きをどう考えるかによって経営に大きな影響を与える可能性があります。