パイプライン型とプラットフォーム型ビジネスモデルの違い:具体例と転換の4つのシナリオ

だいぞう

ビジネスモデルは、

  • パイプライン型:資源を調達し付加価値を加えて消費者に販売するビジネス
  • プラットフォーム型:生産者と消費者が出会う場の価値を高めるビジネス

の2つに分けることができます。

世の中には様々な業種業態のビジネスが存在しています。しかし実は、どのビジネスもパイプライン型ビジネスプラットフォーム型ビジネスの2つにざっくりと分類することができるのです。

日常ではあまりこの2つのタイプを意識することはありませんが、違いを知ってうまく組み合わせることができれば、ビジネスモデルを強化することも可能です。

ということで今回は、パイプライン型とプラットフォーム型のビジネスモデルの違いと、パイプライン型からプラットフォーム型への転換についてわかりやすく解説します。

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パイプライン型とプラットフォーム型ビジネスモデルの違い

まずは2つのビジネスモデルの違いを比較してみましょう。

パイプライン型 プラットフォーム型
経営資源が優位性を生む 外部の資源が優位性を生む
経営資源を最適化する 外部との関係を最適化する
参入障壁を築く戦略 依存関係を築く戦略
規模の経済性による事業拡大 ネットワーク効果による事業拡大
顧客への提供価値を最大化する 仕組み全体の価値を最大化する
業績指標は損益計算書 業績指標は価値交換機会

パイプライン型ビジネス

パイプライン型ビジネスモデルは、ヒト・モノ・カネ・情報に付加価値をつけて提供するビジネスのこと。

例としては、

  • ヒトを雇って作業をさせて対価をもらう(サービス業)
  • モノを仕入れて店先に並べて売る(小売業)
  • カネを預かって運用の手数料を受けとる(資産運用業)
  • 情報を集めて売る(サービス業)

などなど。

さらに複数を組み合わせると、

  • ヒトを雇って原材料をモノで加工して売る(製造業、飲食業)
  • ヒトを雇ってモノの価値を高めて貸す(宿泊業、レンタル業)

など、さまざまな業種が当てはまります。

パイプライン型では、経営資源を最適化によってケイパビリティを高め、模倣困難性の高い強みを作ることで、競争に打ち勝つことを目指します。事業拡大には規模の経済性を効かせることがカギになります。

提供する価値で顧客の満足度を高め、価値提供による利益を最大化することが重要です。

プラットフォーム型ビジネス

プラットフォーム型ビジネスモデルは、生産者と消費者をマッチングさせるビジネスのこと。

例としては、

  • 労働力を売り買いできるビジネス(求人媒体)
  • モノを売り買いできるビジネス(蚤の市、ショッピングモール、オークション)
  • カネを貸し借りできるビジネス(銀行)
  • 情報を公開・閲覧できるビジネス(SNS)

など。

プラットフォーム型ビジネスはパイプライン型と大きく異なり、外部の資源をいかに上手く活用するかがカギとなります。外部との関係性を最適化するためには、ホリスティック・マーケティングの考えが一層重要になります。また、ネットワーク効果を生み出すことが事業拡大には必要です。

次のページからは、それぞれのビジネスについてさらに掘り下げて説明します。

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