ビズリーチのビジネスモデル図解:市場限定と利用者選別のプラットフォーム戦略

ビズリーチのビジネスモデルの基本メカニズム

ビズリーチの3つの強さを説明する前に、まずは転職プラットフォームの基本的なメカニズムについて説明したいと思います。

転職エージェントとビズリーチの違い

一般的にプラットフォーム型ビジネスは「所有者」「提供者」「生産者」「消費者」の4者で構成されいていると言われます。

プラットフォーム型ビジネスの4つの役割

これをビズリーチに当てはめてみると、

  • プラットフォーム:ビズリーチ
  • 所有者:株式会社ビズリーチ
  • 提供者:ウェブサイト、スマホアプリ
  • 生産者:転職希望者
  • 消費者:求人企業、ヘッドハンター(転職エージェント所属のキャリアアドバイザー、個人)

となります。

ちなみに、似たような業態として転職エージェント(人材紹介会社)もありますが、こちらは、

  • プラットフォーム:転職サイト
  • 所有者:転職エージェント企業
  • 提供者:キャリアアドバイザー
  • 生産者:転職希望者
  • 消費者:求人企業

となります。

いずれもプラットフォーム型ビジネスモデルですが、大きな違いは「提供者」です。転職エージェントはキャリアアドバイザーが仲介して転職希望者と求人企業をマッチングさせますが、ビズリーチはサイトやアプリなどのシステムが仲介します。

さらに、ビズリーチはヘッドハンター(転職エージェント所属のキャリアアドバイザーや個人)もプラットフォームの利用者として取り込んでいます。言い方を変えれば、ヘッドハンターはビズリーチを転職希望者の人材データベースとして利用できるということです。

ビズリーチが価値を生み出すビジネスモデルの構造

ビズリーチが提供する価値は「即戦力人材の採用」です。この価値を享受するのは、需要側であり労働力を消費する側の求人企業。つまり、まず第一に求人企業が価値に満足できないと成り立たないビジネスということです。

これを図で表してみましょう。

ビズリーチ:採用の実現が求人企業にとっての価値

まず基本構造として、

  • スカウト件数が増えるほど、採用件数が増える
  • 採用件数が増えるほど、求人企業の即戦力人材獲得数が増える
  • 即戦力人材が獲得できれば、求人企業の利用体験が改善する

という価値を提供するための構造が存在します。

求人企業が「ビズリーチを利用して良かった!」と価値を感じてくれれば、次の採用でもビズリーチを利用してくれるでしょう。そうすれば、長期的にサービスを利用してもらえるようになります。

ただ、これを実現するには消費者である求人企業(需要側)だけでなく、生産者である転職希望者(供給側)もプラットフォーム上に存在しなければならない。つまり、需要と供給のバランスが取れている必要があります。

このバランスを生み出し、事業拡大の鍵となるのが「ネットワーク効果」です。

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