ビズリーチのビジネスモデル図解:市場限定と利用者選別のプラットフォーム戦略

ビズリーチの集客構造とネットワーク効果

ビズリーチの利用者である「求人企業」「ヘッドハンター」「転職希望者」は、需要と供給のいずれが欠けてもプラットフォームが成り立たなくなってしまいます。

そのため、すべての利用者をバランスよく呼び込まなければなりません。

これを表したのが以下の図。

ビズリーチ:3者間のマルチサイドプラットフォーム

仲介手数料として集めた利益・資金は、サービスの広告宣伝活動として使われます。

転職希望者に対しては、テレビCMや電車の中吊り広告、ネット広告などでサービスの認知を高めます。また、求人企業や転職エージェント(ヘッドハンター)に対しては、法人営業や商談といった形でサービスの利用を促します。

このサイクルが回り始めれば「ネットワーク効果」が生じるようになります。

プラットフォーム型ビジネスにおけるネットワーク効果

プラットフォーム型ビジネスが急速な事業拡大(グロース)を目指すための絶対条件は、サービスに「ネットワーク効果」を生じさせること。

ネットワーク効果とは、

  • 商品やサービスの価値や効用が、その利用者の数に依存する現象

のこと。

簡単に言えば、

  • 利用者が増えるほど、利用する価値が高まる

ということです。

ビズリーチでは、

  • 求人企業の登録が増えれば、転職希望者にとって魅力的になる
  • 転職希望者の登録が増えれば、求人企業にとって魅力的になる

という相互に作用する「間接的」なネットワーク効果が生じます。

間接的ネットワーク効果

これが、すべての利用者をバランスよく増やさなければならない理由です。

法人相手の集客に必要なサービスの信頼性

ただし、利用者を増やすには広告宣伝だけでは不十分です。

広告でサービスの存在を認知してもらったとしても、登録して利用してもらうためには一定の「社会的信用」が必要となります。これは法人営業では特に重要となります。

その「社会的信用」を醸成するための要素は、

  • クチコミ評判
  • 導入実績

などが挙げられます。

これらを図に加えると以下のとおり。

ビズリーチ:導入実績と評判による需要の増加サイクル

上の図では、

  • 採用件数が増えれば、導入実績事例掲載数が増え、登録希望法人数が増える
  • 求人企業の利用体験が改善すれば、クチコミ評価も良くなり、登録希望法人数が増える

ということを表しています。

その結果、最終的にはブランドの信頼性が高まり、それが更なる利用者を呼び込みます。これがネットワーク効果の一部でもあります。

もちろん「ヘッドハンター」や「転職希望者」にも同じようにネットワーク効果が生じています。

1 2 3 4 5 6 7 8