だいぞう
機能戦略とは、
- 事業戦略に基づいた機能別の戦略
の総称のことです。
機能別戦略とも呼ばれ、
- 生産戦略
- マーケティング戦略
- 物流戦略
- 営業戦略
- 人事戦略
などの戦略が機能戦略として分類されます。
機能戦略とは?
機能戦略(Functional strategy、ファンクショナル・ストラテジー)とは、事業分野に必要な機能ごとの戦略のことです。内容や規模によっては「戦術」「政策」「施策」など呼ばれることも多く、戦略として扱われないこともあります。
まずは全社戦略に基づいて、経営資源を事業ごとに配分します。その次に事業に割り振られた経営資源を、事業に基づいて各機能に割り振ります。
機能戦略は、事業戦略の戦略目的や目標を達成するために必要な、機能ごとの戦略目標を達成するためにあります。各機能戦略の戦略目標の達成が、事業戦略の成功に繋がらなければ存在する意味はありません。
全社戦略や事業戦略も含めた経営戦略の全体像については、こちらの記事もご覧ください。
経営戦略とは?企業戦略・事業戦略・機能戦略の違いと意味:階層構造を図解
機能戦略の例と戦略パッケージ
機能戦略は事業によって様々ですが、次のようなものがあります。ここでの戦略例はサプライ・チェーン(供給連鎖)の川上(顧客から遠いところ)から川下(顧客に近いところ)に向かって記述しています。
- 調達戦略
- R&D戦略
- 生産戦略
- マーケティング戦略
- 製品開発戦略
- 価格戦略
- 物流戦略
- 店舗戦略
- ブランド戦略
- プロモーション戦略(広告・広報)
- コミュニケーション戦略
- クロスメディア戦略
- 販売戦略
- 営業戦略
などなど。この他にも多数存在しています。
またこれらの機能戦略を分析フレームワークでテンプレート化して、複数をパッケージにして名前をつけた「〇〇戦略」のようなもの(戦略パッケージ)も巷にあふれています。
- ブルー・オーシャン戦略(製品開発戦略、価格戦略、その他複数のフレームワークの組み合わせ)
- ランチェスター戦略(営業戦略、流通・店舗戦略、その他複数のフレームワークの組み合わせ)
- 様々なマーケティング戦略の手法
などなど。パッケージ化された戦略は気軽に取り組むことができる一方で、適用できる場面が限定されます。残念ながら個別の企業全てに対応できるような、万能な戦略パッケージは存在していません。
そのため、どの機能が事業戦略の肝になるか見極めることは、事業戦略を統括する責任者の手腕にかかっています。
言い換えると、戦略パッケージやフレームワークの内容に頼りきって、自分の頭で事業戦略を考えないリーダーは力不足なのかもしれません。
機能戦略の立案
機能戦略は、事業戦略の目的や目標を達成するために存在しています。さらに事業戦略は全社戦略を達成するために存在しています。実施しようとしている機能戦略が、最終的にどのように経営理念まで繋がるのか戦略策定・立案メンバーで共有しておく必要があります。
機能戦略の目標は、一般的に事業戦略から降りてきます。その目標を元に、状況の分析を行い、現場の経営資源で達成できる方法を考えましょう。
また事業戦略から与えられた機能戦略のための経営資源は、絶対的なものではありません。経営資源が絶対的に足りない場合は、事業戦略のミスであることもあります。
経営資源が不十分な場合は、事業を統括する責任者と十分なコミュニケーションを取りましょう。本当に経営資源が不十分であれば、機能戦略の目標を考え直すか、経営資源の配分を変えるかのいずれかが必要です。