だいぞう
ビジネスモデルは、
- パイプライン型:資源を調達し付加価値を加えて消費者に販売するビジネス
- プラットフォーム型:生産者と消費者が出会う場の価値を高めるビジネス
の2つに分けることができます。
世の中には様々な業種業態のビジネスが存在しています。しかし実は、どのビジネスもパイプライン型ビジネスとプラットフォーム型ビジネスの2つにざっくりと分類することができるのです。
日常ではあまりこの2つのタイプを意識することはありませんが、違いを知ってうまく組み合わせることができれば、ビジネスモデルを強化することも可能です。
ということで今回は、パイプライン型とプラットフォーム型のビジネスモデルの違いと、パイプライン型からプラットフォーム型への転換についてわかりやすく解説します。
短くまとめたダイジェスト版の記事をnoteで公開中です。気軽に読みたい方は以下のリンクからご覧ください。
パイプライン型とプラットフォーム型ビジネスモデルの違い
まずは2つのビジネスモデルの違いを比較してみましょう。
パイプライン型 | プラットフォーム型 |
経営資源が優位性を生む | 外部の資源が優位性を生む |
経営資源を最適化する | 外部との関係を最適化する |
参入障壁を築く戦略 | 依存関係を築く戦略 |
規模の経済性による事業拡大 | ネットワーク効果による事業拡大 |
顧客への提供価値を最大化する | 仕組み全体の価値を最大化する |
業績指標は損益計算書 | 業績指標は価値交換機会 |
パイプライン型ビジネス
パイプライン型ビジネスモデルは、ヒト・モノ・カネ・情報に付加価値をつけて提供するビジネスのこと。
例としては、
- ヒトを雇って作業をさせて対価をもらう(サービス業)
- モノを仕入れて店先に並べて売る(小売業)
- カネを預かって運用の手数料を受けとる(資産運用業)
- 情報を集めて売る(サービス業)
などなど。
さらに複数を組み合わせると、
- ヒトを雇って原材料をモノで加工して売る(製造業、飲食業)
- ヒトを雇ってモノの価値を高めて貸す(宿泊業、レンタル業)
など、さまざまな業種が当てはまります。
パイプライン型では、経営資源を最適化によってケイパビリティを高め、模倣困難性の高い強みを作ることで、競争に打ち勝つことを目指します。事業拡大には規模の経済性を効かせることがカギになります。
提供する価値で顧客の満足度を高め、価値提供による利益を最大化することが重要です。
プラットフォーム型ビジネス
プラットフォーム型ビジネスモデルは、生産者と消費者をマッチングさせるビジネスのこと。
例としては、
- 労働力を売り買いできるビジネス(求人媒体)
- モノを売り買いできるビジネス(蚤の市、ショッピングモール、オークション)
- カネを貸し借りできるビジネス(銀行)
- 情報を公開・閲覧できるビジネス(SNS)
など。
プラットフォーム型ビジネスはパイプライン型と大きく異なり、外部の資源をいかに上手く活用するかがカギとなります。外部との関係性を最適化するためには、ホリスティック・マーケティングの考えが一層重要になります。また、ネットワーク効果を生み出すことが事業拡大には必要です。
次のページからは、それぞれのビジネスについてさらに掘り下げて説明します。