ミッション(Mission):社会的使命
ミッション(Mission)とは、組織が持つ社会的な存在目的のことです。「社会的使命」と呼ばれたりします。
またミッションだけを指して経営理念と呼ぶこともあります。MVVBマトリクスでは「社会的」な「目的」に位置します。
社会にどんな影響を与えたいのか、社会の中でどんな存在としてありたいのか、社会にどのような形で貢献したいかなど、社会に対する利他的な目的であることがほとんどです。
事業活動を通して、創業者や経営者がミッションを認識することも多く、組織に初めから存在しているとは限りません。顧客の何気ない一言や、商品やサービスが社会に与えた影響から、その組織の社会的な使命を気づかされることがあります。
またミッションは、次の「ビジョン」に影響を与えます。社会的な使命を達成するためには、組織そのものがどのような状態にあるべきか考えなければなりません。
ビジョン(Vision):組織の将来像
ビジョン(Vision)とは、その組織の理想の姿を表現しているものです。「志」「将来像」などとも呼びます。MVVBマトリクスでは「組織的」な「目的」に位置します。
業界の中でどのような位置付けでありたいか、将来的に組織としてどのような状態が理想なのかなど、組織の内側に向けた利己的な目的(売上高、拠点数、働き方など)であることがほとんどです。
ビジョンは、前述のミッションの影響を強く受けますが、ミッションが存在していなくてもビジョンが明確な場合があります。例えば創業者の意志が、社会への影響や貢献などに向いていない状態で創業した場合などです。尊敬する経営者やモデルとなる組織があれば、それを自社の将来像としてとらえる組織もあります。
ミッションの影響を受けたビジョンは、社会的使命を果たすために必要な「事業規模」「技術力」などを想像しやすくなります。例えば「世界中の〜」というミッションであれば、ビジョンでグローバル企業になることを示したりします。また次に紹介する「バリュー」にも影響を与えます。
バリュー(Value):組織の価値観
バリュー(Value)とは、その組織に属する人がどのような考えを持ち、どのように行動するかなどを定めたものです。
「価値観」「行動指針」「行動規範」などと呼ばれます。MVVBマトリクスでは「組織的」な「行動」に位置します。ここでは行動指針を「価値観を体現したもの」ととらえ、バリューの中に含めて説明します。
その組織に属するものは、何を一番大切にするべきか、物事をどのように考えるべきか、物事に対してどのような行動を取るべきかなど、組織内部の考え方や行動を統制する内容がほとんどです。
バリューは、ミッションと整合性が取れるものが理想的ですが、ミッションがなくても存在することがあります。例えばその組織の成り立ちが、創業者の価値観の影響を強く受けている場合などです。「〇〇業界はこうあるべき!」などの創業者の価値観から、事業や事業の形態が定められる場合があります。