目的・目標の数値化のしやすさ
目的や目標が達成されたかどうかは、評価してみないとわかりません。
その評価においては、「数値」がいちばん分かりやすい評価指標になります。しかし「目的」と「目標」では数値化のしやすさが違います。
- 目的:数値化しにくい
- 目標:数値化しやすい
数値化しにくい目的
まず「目的」ですが、必ずしも測りやすいものばかりとは限りません。
最初の「登山の目的」の例えでも、「山頂に到達した状態になる」という数値的に測りやすそうなものもあれば、「長めのいい景色を楽しんだ状態になる」という数値化が難しそうなものもあります。
ビジネスでも同様に、
- 特定カテゴリでシェアで1位になる
- ターゲット層の認知度を5割以上に高める
など数値化しやすい目的もあれば、
- 競合が商圏に進出するのを防ぐ
- ブランドに良い印象を持ってもらう
などの数値化しにくい目的もあります。
数値化しやすい目標
一方で「目標」は、数値化できることがほとんどです。先ほどの例では、「目標」は「経由地」だという話をしました。
「目的」に向かう途中に経由する「目標」は、それを経由できたかどうか判断する必要があります。つまり、何か基準になるものを設定しておかなければいけません。
その基準となるのが「数値」です。
登山で例えると、予定ルートの経由地は「合目」「緯度」「経度」「標高」などで明確に表すことができます。マラソンの折り返し地点や中継ポイントも距離で測れます。
ビジネスでも「売上高」「客数」「客単価」「来店頻度」「定着率」など、成果を数値化して測れるものがたくさんあります。
逆を言えば、数値化できないものは「目標」として役に立ちません。なぜなら経由したかどうかを評価することができないからです。経由したかどうかがわからなければ、目的に近づいているかどうかも判断できません。
悪い目標の例としては、
- 一丸となって接客を頑張る(「頑張る」は数値化が難しい)
- 業務の効率化をすすめる(「効率」を数値で表す必要あり)
- ネット経由の受注を増やす(どれくらい増やすのか不明)
などです。これらを良い目標に書き換えるとすれば、
- 顧客アンケートで接客に「満足」と答える顧客の比率を前月比で5ポイント以上改善する
- 受発注プロセスを見直すことで手続きに必要な書類数を30%以上削減する
- ホームページからの商談申し込みを月間30件以上獲得する
というようになります。
良い目標を作れば、
- その目標は目的の実現につながるのか?
- その目標は方針に従っているのか?
ということも明確になり、誰が見ても目標を達成できたかどうか判断できるようになります。