SWOT分析の外部環境(機会・脅威)のとらえ方

SWOT分析の機会・脅威と目標設定

SWOT分析は、作戦の開始前や途中に素早く状況を把握するのが目的です。そのためには、まず自分たちはどんな目標を持って、どこに向かっているかを知っていることが重要になります。

このことは外部要因(外部環境)を「追い風」「向かい風」に例えることができます。

会社やチームが向かっている方向、つまり目標の認識がバラバラだと、同じ方向に吹いている風でも「機会」なのか「脅威」なのかで意見が分かれてしまいます。

目標達成の助けになること

目標達成の助けになるのは、

  • 自分たちの活動がやりやすくなる
  • 競合他社の活動がやりにくくなる

ような外部環境の変化になります。

言い換えると、自分たちに追い風の状況か、競合にとって向かい風の状況がSWOT分析の「機会」になるということです。

この機会のパターンは、

  • 自分たちに追い風
  • 自分たちにも競合他社にも追い風
  • 競合他社に向かい風(自分たちに向かい風なし)

の3つがあります。

例えば、

  • 自社製品Aの売り上げを前年比で1.5倍にする

という目標があったとします。

もし下記のようなことが起こると、

  • 芸能人が自社製品Aを紹介してくれた = 自分たちに追い風
  • 製品群がテレビ番組で取り上げられた = 自分たちにも競合他社にも追い風
  • 同様の他社製品Bに不良が見つかりリコールになった = 競合他社に向かい風

いずれも自社にとってのSWOT分析の「機会」となります。

目標達成の妨げになること

逆に目標達成の妨げになるのは、

  • 自分たちの活動がやりにくくなる
  • 競合他社の活動がやりやすくなる

ような外部環境の変化になります。

言い換えると、自分たちに向かい風の状況か、競合にとって追い風の状況がSWOT分析の「脅威」になるということです。

この脅威のパターンは、

  • 自分たちに向かい風
  • 自分たちにも競合他社にも向かい風
  • 競合他社に追い風(自分たちに追い風なし)

の3つがあります。

例えば、

  • 自社製品Aの売り上げを前年比で1.5倍にする

という目標があったとします。

もし下記のようなことが起こると、

  • 自社製品Aに不良が見つかりリコールになった = 自分たちに向かい風
  • 円高になって安価な輸入品が増加した = 自分たちにも競合他社にも向かい風
  • 芸能人が同様の他社製品Bを紹介した = 競合他社に追い風

いずれも自社にとってのSWOT分析の「脅威」となります。

有利・不利になるとは限らないケース

ここで注意しなければならないのは必ずしも、

  • 機会 = 競合に対して自社が有利な状況、ではない
  • 脅威 = 競合に対して自社が不利な状況、ではない

ということです。

あくまで「自社」にとって「目標」の「助けになる」「妨げになる」かどうかであって、他社に対する有利不利は関係ありません。(ただし、結果的に有利不利になることはあります。)

先ほどの例だと、

  • 製品群がテレビ番組で取り上げられた = 自分たちにも競合他社にも追い風
  • 円高になって安価な輸入品が増加した = 自分たちにも競合他社にも向かい風

が該当します。

製品群がテレビに取り上げられれば、自社も他社も売り上げが伸びます。売り上げが伸びることは目標達成の助けになるので、SWOT分析の「機会」です。しかし自社と他社との差はつかないので、自社だけが有利になるわけではありません。

安価な輸入品が増えてしまえば、自社も他社も売り上げが下がってしまいます。売り上げが下がることは目標達成の妨げになるので、SWOT分析の「脅威」です。しかし自社だけが不利になるわけではありません。

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