SBUが成立する条件とその管理
ここまでSBUの分け方について説明しましたが、好き勝手に分けても大丈夫なのか…といえばそうでもありません。
SBUとしてまとめるためには、
- 独自の事業使命があること
- 独自の競争相手がいること
- 市場で競争者として戦えること
- 独自に戦略的な計画を立てることができること
- 計画の範囲内で経営資源を自己完結的に管理できること
が条件になります。(「国民経済雑誌」第143巻第2号 加護野忠男 著「SBU管理」、「組織科学」第15巻第2号 多久安英 著「戦略事業組織」より編集・加筆)
要するに、
- 共通の問題を解決しようとしていて
- ちゃんと市場が存在していて
- SBUだけで独立して戦える
のであれば、SBUとしてグループ化できます。
さらにそのSBUで戦略を立案して実行しなければならないので、
- SBUとして独自の戦略を立てて実行できる
- 戦略を実行するために経営資源を管理する権限がある
ことも条件になります。
これらの全てを満たしていれば、事業や製品のグループを「SBU(ストラテジック・ビジネス・ユニット、戦略的事業単位)」と呼ぶことができます。
SBUマネージャ(戦略事業単位統括責任者)
SBUがまとまったら、それを管理するための責任者が必要です。それが「SBUマネージャ」です。
SBUの戦略の計画と意思決定に責任を持つSBUマネージャは、SBUをまとめた同じレベルの責任者が任命されることが多いようです。
例えば、製品カテゴリを集めたSBUのSBUマネージャは、いずれかの製品カテゴリの責任者から選ばれます。事業部をまとめたSBUであれば、いずれかの事業部長がSBUマネージャを担当します。
SBUマネージャは、SBUに割り振られた経営資源を駆使して、戦略を実行することに責任を持ちます。