社会的複雑性
社会的複雑性とは、経営資源の現象が複雑すぎて、企業も管理することができないような状態のことです。
例えば、会社全体のチームワークの良さが高い顧客満足度を実現している企業があるとします。
そのチームワークの良さは競争優位性ですが、複雑すぎてどうやってチームワークの良さを実現しているのかがハッキリと特定できない場合があります。
チームワークの良さに対して、
- リーダーシップ
- 人事評価制度
- 人材育成システム
- 情報共有システム
- 企業理念の浸透
- 社風
- デスクの配置
などなど、関係性がありそうな要素をたくさん挙げることはできます。
しかし「関係性がありそう」というだけであって、要素同士の影響を明確に説明することは難しいかもしれません。
こういった場合には、他の企業が真似をしようと思っても、複雑すぎてどこをどのように真似したら良いのかわかなくなってしまいます。
特許
一番誰の目にもわかりやすい模倣困難性が「特許」です。
特許があれば、模倣されることから法的に守られます。
しかし特許を取ることは、良いことばかりではありません。特許を取るためには重要な情報を審査し、開示する必要があります。
ライバルはその開示された情報からヒントを得るかもしれません。また他の技術で同じことを実現する「代替による模倣」には無力です。
そもそも特許を申請しなければ、ライバルはその技術の存在すら知らないままかもしれません。
そのため、特許は法的に守られるメリットがある一方で、ライバルに情報を与えてしまうというデメリットも存在しています。
模倣困難性まとめ
ここまでの内容をまとめると、
- 他社が真似しにくい経営資源
を持つことは、競争で優位に立てる可能性を秘めています。
真似をするためのコストが高ければ、競合他社も真似がしにくくなります。
その真似をするためのコストが高くなる要因として、
- 時間圧縮の不経済
- 経路依存性
- 因果関係不明性
- 社会的複雑性
- 特許
の5つがありました。
これらの要因を持っている経営資源を構築すれば、競合に真似されることなく持続的に競争優位な状況を維持することができるかもしれません。
おすすめの書籍
もっと詳しく知りたい方は、こちらの本をご覧ください。第5章に「模倣困難性」について詳しく書かれています。