1次データと2次データの違いとは?マーケティングリサーチの情報源

1次データと2次データ

2次データ:有償無償で公開されている情報

2次データとは、他者によって収集された公開されている既存の情報のことです。英語では「Secondary Data(セカンダリーデータ)」と呼ばれ、簡易的なアンケート結果のようなものから、政府や官公庁が調査した国家規模の情報まで手に入れることができます。

この2次データは、誰でも手に入れることができるため、情報自体ではマーケティング戦略に大きな差をつけることはできません。自社が簡単に手に入れることができる情報は、競合他者も簡単に手に入れることができるからです。

しかし、だからと言って価値がないわけではありません。

政府が調べた国の統計データは、企業単体では収集できない情報量と範囲になります。また様々な業界団体が公開しているデータも、専門性が高く企業単体では難しい情報も取り扱っています。

これらの情報を、先ほどの1次データと組み合わせることで、より価値のある情報を生み出すことができます。

2次データは、無料で手に入るものも多く、インターネットで検索すれば様々な情報を手に入れることができます。

その情報源としては、

などがあります。

業界団体の調査データ

「業界団体の調査データ」は、各業界の業界団体が公開している調査データです。業界団体に加盟していれば、会社に年に何回か業界機関紙が届いたりします。

競合他社も含め、業界に属している企業のアンケート結果を閲覧できたり、市場規模全体の推移を知ることができます。

また所属する業界の企業の市場シェアの情報や、業界の顧客に対する大規模な統計データなども取り扱っている場合があります。

全ての情報が無料ではないかもしれませんが、業界団体に加盟している企業にはより詳しい情報を有償で提供している場合もあります。

矢野経済研究所の調査データ

「矢野経済研究所の調査データ」は、検索エンジンで「矢野経済研究所 〇〇業界」などで検索すれば、検索結果に表示されることがあります。

矢野経済研究所は、有償でマーケティングリサーチのデータを販売している企業ですが、無料で公開されているデータも数多くあります。

無料で公開されているデータについては、詳細情報や分析結果などがないものの、市場規模の推移など、業界全体の大まかな傾向を読み取ることができます。

経済産業省の統計データ

「経済産業省の統計データ」は、経産省が公開している統計データです。


参考
統計経済産業省

こちらでは、企業単位では収集することができないような大規模なデータを手に入れることができるので、うまく活用すれば有益な情報源になります。

日経BPビズボード

「日経BPビズボード」は、有料の検索サービスです。(経済学部や商学部の学生さんであれば、同様の「日経BP記事検索サービス 」を学校の図書館などで無料で使えるかもしれません。)


参考
日経BPビズボード日経BP社

日経ビジネスなどに過去に掲載された記事を検索することで、日経新聞の独自の調査結果や、別の2次データをわかりやすく加工したものなどを閲覧することができます。

特定の業界や製品などを、定点観測的に記事にしているものなどもあるため、数年数十年単位の長期にわたる業界の変化なども知ることができます。

SPEEDA(スピーダ)

「SPEEDA」は、株式会社ユーザベースの提供する有料の調査データ検索サービスです。


参考
SPEEDA株式会社ユーザベース

月に数十万円もするような料金ですが、大きな企業であれば契約しているかもしれません。一番使い勝手の良いデータが手に入る上、ライバル企業の売り上げなどのデータも見つかる可能性があります。

3次データ:加工によって意味付けされたデータ

3次データとは、複数の1次データや2次データを意図的に組み合わせて、加工されたデータのことです。個人的には馴染みはない呼び方ですが、区別する方もいらっしゃるようです。

例えば、飲食チェーンにおいて、

  • 年間のアイスコーヒーの販売数(1次データ)
  • 年間の商圏の気象情報(2次データ)

を組み合わせて、

  • アイスコーヒー指数

という独自の数値を作り出したとします。

その数値の年間推移データは「3次データ」ということになります。このアイスコーヒー指数推移グラフがあれば、各店舗の店長がアイスコーヒーの仕入れ量を決めるのに役立ちますよね。

経営に関わるデータについては、統計分析やアルゴリズムによる処理なども身近になってきているので、いかに有益な3次データを生み出すかが競争優位につながる可能性があります。

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